表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
迷い猫系年下男の甘い誘惑がとまらない!「お礼は身体で返すよ」甘い牙を隠した美青年に執着されるカフェ店長の話  作者: はなたろう


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/20

13話 猫を待つご主人様

その夜、ソラは帰ってこなかった。


珍しいことではない。

朝、目を覚ませば、当然のように俺の腕の中に潜り込んでいるんだろう。



そう自分に言い聞かせながらも、俺は暗いリビングで、ぼんやりとスマートフォンの画面を見つめていた。

発信ボタンにかかる指が、微かに震え止まる。



『今、どこにいるんだ?』


『何をしているんだ?』



聞いたらソラは二度と帰ってこない気がした。


俺はソラのことを何も知らない。そう、本名さえも。



ソラが今、俺以外の誰かにあの甘い声を向け、その身体を預けて笑っている。

そう想像するだけで、視界が歪むほどの嫉妬が、ドロリとした熱を持ってせり上がってくる。


勝手な嫉妬だと、分かっていてるのに。



『ただいま』



玄関のドアが開く音と、ソラの声が聞こえる幻聴に、何度も振り向いた。

しかし、誰もいない。部屋には静寂だけが広がっている。


ソラがいることが、気づけば当たり前になっていた。他愛もない話をして、二人で笑い合う。その日常が、こんなにも俺にとって大切なものだったなんて。



ソファに横たわる。かすかに、ソラの残り香が漂っていた。



『大好きだよ』



ソラが俺に囁いた言葉がよみがえる。もしあれが本気の想いだったなら、俺はソラの気持ちに応えられるのだろうか。



深夜2時。



帰ってこない気まぐれな猫を待つのは、こんなにも苦しくて、惨めなものだったんだな。



「……早く、帰ってこいよ」



俺は闇の中で独りごちた。


飼い主面をした俺の方が、本当はソラという鎖に、深く繋がれている。ずっと、気づかないふりをしていただけだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ