3話
看板の案内にそって道を進んでいくと、十字路に出た。どこに行けばいいか迷っていると、再び看板を発見することができた。【初めての方はこちら↑】
やけに親切だなと感心しながら、その後も何度か分かれ道と看板に出会いながら歩き続けた。
ふと、周りの風景の様子が変わっていることに気付く。建物や道がさっきいた場所よりも汚く感じる。立ち止まってよく様子を見てみる。
基本的なつくりは変わらない、石造りの建物だが、劣化している箇所がいくつもみられる。スプレーのようなものでの落書きや、損傷している所もある。
なるほど。どうやら自分は町の中心地から郊外へ歩いていたようだ。きっとこの町、または国のようなものは城を中心に栄えているのだろう。
そんな勝手な考察をした後再び歩き始めようと顔をあげると
「なっ!」
思わず声をあげてしまった。慌てて口に手を当て隠れるように隅に移動する。
勇都の目の前に歩いていたのは、大学で同じ学科の二人だった。格好はこの世界に合ったものになっていたが間違いない。もう一度気付かれないように確認してみる。
男女の二人組。男は勇都が初めにいたグループでリーダー格にいた神木葵。そして女の方は勇都がひそかに恋心を寄せていた三鷹紗枝だった。
「なんであの二人が、ここに?」
頭が混乱する。どうしてこの世界に?なぜ僕以外の人が?どうしてあの二人が一緒なんだ?三鷹さんの隣にいるのは僕じゃないのか?
そこまで考えて、『どうして自分がこの世界にいるのか』という疑問がでた。
今までは特に考えることなく変な看板に従って歩いてきたが、そもそもこの世界は何なのだろうか。
もしかしたら看板の先で教えてもらえるかもしれない。そう思って再び歩き出す。
『この世界が僕のライトノベルの世界ならきっと三鷹紗枝は僕に惚れるようにできているはずだ!』心の中で意気込み、先程よりしっかりとした足取りで歩いて行く。




