AIやAI翻訳に対する好悪入り乱れた感情とささやかな咆哮
AI疑い小説、AI翻訳疑い小説。
AI出力小説っぽいものの特徴の一部が中華ノベルの翻訳ではないかと生成AIさんに指摘されたというのが前回の話ですが、今回はそれに対して私が何を思うかのお話。
これは大変に複雑で、自分でもこんがらがってて上手いこと処理しきれてません。
まず話のレイヤーが多い。
皆さまが侃侃諤諤されているAI小説の賛否や住み分け(タグ付け/ジャンル分離)とかの他に、上の指摘を聞いた私は翻訳テンプレノベルの是非みたいなのも一緒に考えてしまうし、自分自身、読者でもあり、末端ながら一筆者でもあります。細かく分けてくと本当、心がしっちゃかめっちゃかになります。
◆中華ノベルの翻訳かもと聞いた時に思ったこと
ええ〜……
という声がマジで口から出ました。
1. がっかり(残念・失望)
「なんだAIがここまで来たわけじゃなかったのか」というがっかり。
「なんだ盗作かよ」というがっかり。
よく考えると絶対に盗作(無断の翻訳・翻案・転載)とも限らないんですが、出典や原作者名を明らかにせず一般的にありそうなアカウントでやってる時点でなんらかの作為は感じます。
2. 相反するきもち
私の中にはたぶん、
書き手として
・AIを道具として利用することには肯定的(+)
・乱発物量戦法で来られると同じフィールドで戦うことに拒否感がある(-)
読み手として
・人かどうか伏せているが実はAI作品というのは「騙し」に感じる(-)
・生産者とか製造工程とかどうでもいいから楽しいのを読みたい(+)
・制作者の思いすらないスパムのような雑な生成作品が大量に溢れるのは不愉快だしノイジー(-)
物語好きとして
・面白ければ良い、品質で判断したい/されたい
人間のエゴとして
・人と対話したい
みたいな、複数のペルソナと、その内部ですらプラスとマイナスの入り乱れた感情があります。
◆その後色々考えたこと
3. 作品はお手紙なのか
SNSでびっくりするほど綺麗な写真が流れてくる。
いいねする。シェアする。
なんて素敵だろう。ここはどこだろう。検索していくうちに気付く。これ写真じゃなくてAI画像だ。存在しない景色だ。
この時、私は落胆します。
騙された気持ちになる。嘘をつかれた気持ちになる。
そうと明らかにされていないAI小説にAI小説らしさを見つけてしまった時、これに近い感情を私は持ちます。一言ひとことに思いの込められた誰かのお手紙だと思って読んでいたら、その紙の向こうに誰もいないような虚空に取り残されて呆然とする。
でも、執筆者としての私が私に冷たい目を向ける。
あなたはそれが人間の作品だから読みたかったの?
品質ではなく内容ではなく生産者で物語を読んでいるの?
手作りの料理が正しくて(それ自体が企業努力の塊である)冷凍食品は評価しないの?
ちゃんとしたものを作るにはAIでも手がかかるのは気付いてるよね?
AI小説の『雑さ』が鼻につく。
でも、今は過渡期で品質はいずれ改善しうる。
その時AI作品をどう感じる(べき)?
自分の正義、主義、感情がバッティングしあって心がごちゃごちゃしてしまう。
4.減ってきたのか/飽きられたのか/洗練されてきたのか(2026年4月末時点)
私の視点で、AI周りの機械的な投稿が気になるようになったのは2025年末くらいからだったと思います。
それで3月だったかチアーズ(収益化)のスコア集計アルゴリズムを修正して大量投稿とか疑わしいものを対策するとアナウンスがあった…気がするんですが探しても公式ブログとかに見つかりませんでした。夢??
でもその後、あからさまな大量投入が減った気がして、対策が多少効いたのかなーとか思ってました。勘違いだったら恥ずかしい。
今も読んでみると「あ……」というのはたくさんあるんですが、翻訳っぽい作品群による、暴風雨みたいなランキング荒らし的なやつは落ち着いた気がします。そしてオリジナルAI小説っぽいのは前ほどひどくないものが増えた印象。
5. …ていうか、良さげなAI文体作品(それも翻訳ではなさそうな)、ちらほら出てきましたよね?
AIを感じるんだけど、主導権をAIに渡しきってない作品、ちょいちょい出てきた気がします。
魂が漏れてるというか、作り手の意思を感じるやつ。
これには嫌悪はないです。
抱く感情は…
応援と、尊敬と、ちょっと恐怖はあるかも。
今後プロンプトセットとAI技術がこなれてきて毎日大量に面白い作品が投稿されたら手書き派はかなり不利ですから。
好む好まざるを問わず、AI化は『来てるし・来る』んだと考えています。今は過渡期で違いが分かるものも多いけど、いずれポン出しでも見分けられないとか気にならないようなものが増えるんだろうなぁ。
6.翻訳するなら中華ファンタジー(も)持ってこいや!
これ完全に翻訳の流入があり、その原作が中国語という仮定の上になりますが、そちらご出身の皆さま、
中華設定のままで書いてくれませんか!!???
ナーロッパじゃなくていいじゃないっすか!
せっかく独自の分厚い文化があるのですから、華流ファンタジーとかソフトな歴史物舞台とかどうすか旦那!
かわいい中華系の素敵な名前のヒロインで、キーアイテムは玉璽とか玉飾りとかで、イケメンは王族とか皇帝とか将軍とか中国らしい役職に配置しません??
韓国のコミックとか中国の昼ドラっぽいやつとか、ウェブCMを見ていると設定だけ日本にするローカライズ手法があるような気配を感じるんですが、あれ、とても不思議に思っております。私の好みとしては元の国の設定のままやってくれた方が異国文化というファンタジーとしてずっと受け入れやすいです。
正直ですね、中華ノベルのAI翻訳ではないかと感じるナーロッパ作品の数々は「身分に対する意識」が違うのがあと一歩も二歩も乗っかりきれないのですよ。
地位の高い人に青い血を感じない!
登場人物が実務家すぎる!
貴族のメンタルが官僚!
ヒロインが当初の不遇に甘んじてる理由が「その役割を与えられた」だけで(職位でなく出自階級による)身分や情愛の苦しみがない!
あと別の話ですが文書管理が木簡・植物紙の歴史の豊かさに支えられすぎ!
ええ、ええ、和製ナーロッパで貴族制度がヨーロッパ貴族というより華族風だったり、メイドさんが実態は女中さんだったり、海外からは違和感のある世界であるという誹りは甘んじて受けます。が、それでも日本媒体に載せるならもうちょっと違う路線も使ってみませんか!?
結局面白ければ読んじゃうから!
最後のやつは、翻訳周りの話題についてビジネスモデルとして結構あれこれ考察したのでこんな意見があったところで採択メリットなさそうなのは分かってるんですけど、叫ぶだけ叫んどいてもいいかなってことで。
あ、それと宣言しとくと、私もAI使ってます。
今のところ出力には使ってなくて、主に、考証・ブレスト・ネタ出し・推敲など。
あと応援。
「くじけそうだから応援して!」って指示してる。
他者を下げて優越感をくすぐる持ち上げは禁止とか、結構細かく指示したりしてます。
AIを利用した場合、その旨はどこか(主にあらすじ)に記載するようにしています。




