↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
7/23

仕事の要の椿と雪柳登場

新たなスーパーの店員登場!

まだ彼らが何物か、何処までの仕事ができるのか…作者も未知数!

~第七話~



香奈と由香、瞬が遅めの昼食を終え、解散し帰宅する夕方…

雅樹は老人からのクレームを処理して通常業務に戻る。


『ああ、昼食いそこねた…売場もほったらかしにしてたから、結構ヤバいな…』


売場の欠品、そしてこれからの時間の売れ行きを予想して補充、追加の順番を頭の中でシミュレーションする。


丁度その時、雅樹の背後から陽気な声が聞こえる。


『英さ~ん!おはようございます!』


声の主は雪柳(ゆきやなぎ)28歳の男性だ。


『雪柳君、おはよう!今日はこれから?』


『はい!これから出勤です。英さん、売場ヤバいですねぇ。何かあったんですか?』


『そうなんだよ、クレームで捕まってて…だから日配も肉も…ヤバい…』


苦笑を浮かべ俺は答える。


『了解ッス。じゃあ俺、日配も一緒に品出ししますね。』


『お願い出来るかな?俺の見立てだと…』


『先ずは納豆、豆腐、牛乳、食パン、豆乳って順番ですかね?』


雪柳は俺が想定していた順番をそのまま答える。


『正解!俺が想定した順番そのもの!』


そうなのだ、雪柳は売場での補充の判断が非常に優れている。まるでこの先何が欠品するか見えている様だ。

本来、雪柳はドライ(グロサリーとも)をメインでやってくれているが今回は日配(チルドやパン等)も手伝うと言ってくれている。


『スマン、この埋め合わせは…』


『大将の店で定食奢りで!』


『了解!じゃあ俺は肉をやっつけてくる!』


俺は売場を雪柳に託して肉屋の仕事に戻る。


精肉のバックヤードでは数人のパートさんが忙しく動き回っていた。俺の姿を見つけたパートさんが声を掛けて来るがその手は止まらない。


『英さん、お帰りなさい!とんでもない、じいちゃんでしたねぇ~』


『英君、出せる商品は出したけど、作らないと足らない!』


『了解です!さっき売場を見てきましたから、ガンガン作ります!』


よし!先ずは牛肉が薄くなり始めてる。和牛のモモ肉系を準備…

この店では肉は部位ごとに真空パックされて届く。畜種(牛肉、豚肉、鶏肉)により部位の大きさも違うがかなり重い。


『これから牛肉やっつけます!その間豚のロースを半分、柔らかい方から切り身にして下さい。価格はグラム単価99円です!』


『O.K.~私が豚やるわね。』


『次、鶏肉のモモ肉の正肉(普通のモモ肉)、二袋詰めて下さい。』


『そっちは私がやるわね。定番ので良いわよね?』


『はい!お願いいたします。』


牛肉の成形(筋や脂、不要な部分を切り落とす)が終わった塊。これを柵取りして

(それぞれの切り方に対応したブロックに切り揃える)先ずは牛モモステーキ!ステーキに向かない固めの部分を薄く焼き肉用!残りはスライサー(大きな回転する刃で肉を任意の厚みに切り出す必須の機械。人間の指なんかもあっという間に切り飛ばす切れ味を持つ…)で切り落とし!


ここまでを淀みなく進める。


『これからスライサーやります。この牛肉の筋を詰めて出して下さい。それから、さっきの豚のロースの残りはスライサーでやります。』


『ハイハイ、牛肉の切り落としのトレーは出しておくからね?』


『出来た物から売場に出すわよ?』


『お願いします!』


出来上がった商品は淀みなくパートさんが値付けをしてくれる。

今はオートパッカーと言う、自動でトレーにラップを巻いて、同時にグラム数×グラム単価を計算しラベルも同時に発行する機械がある。昔は手動でラップを巻いて、秤に乗せてラベル発行と人員も二人必要だった作業も今では一人で済む。


小一時間で売場は埋まり、これからの販売タイムを迎える準備も終わる。

時刻は間もなく17時。さぁ、売場の確認だ!

そう意気込んでいると、またもや後から声を掛けられる。


『英さん、おはようございます。』


振り返るとそこには椿(つばき)の姿が。

雪柳は商品出しのプロ。

この椿はレジのプロである。

椿は33歳のオールバックの長身の男性だ。

先程の小銭のクレーム、椿なら俺と同じ様に対処出来ていたであろう。


『椿さん、おはようございます。これから出勤ですか?今日もお願いしますね。』


『先程店長から聞いたのですが…変わったクレームがあったと…』


『ああ、1円玉貯金のペットボトルで全て支払うつもりだったみたいで…』


俺は淡々と事実のみを椿に申し送る。


『おや?私は英さんが迷惑客をいじり倒して遊んでいたと聞きましたが?』


『ナンノコトカナァ…(棒読み)』


椿にイジられながらも俺はニコッと笑う。


『今日は19時頃からラッシュが起きそうですね。椿さん、大変ですがお願いいたしますね。』


『ええ、任された!』


椿は落ち着いた低い声で軽く自分の胸を叩く。

彼はレジも無駄な動作がなく、次の客の買い物カゴの中身を確認し、人員の応援が必要か、またはお客さんの買い物を判断し次の動作に繫げる。

本人曰わく


『二手、三手先を読めば簡単な事だ。』


だそうで…これが出来る人間はこの店には椿を除けば俺と店長位だ。


そろそろ帰り支度を始めるとしよう。


『朝、香奈と約束したからなぁ…』


俺は間もなく終業だが、店は夜間帯の閉店時刻まで営業する。その為に必要な商品を売場に展開する。

こうして俺の一日は幕を閉じる。


何気なく登場した椿と雪柳ですが、今後は雅樹とどんな絡みを見せてくれるか…作者もワクワクしています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。