防犯セキュリティ厳しすぎ事件(前半)
犬山「着きました、ここが私の事務所です。」
大中「ここですか、確かに探偵業をしてるんですね、事務所を持っている探偵なんて始めてみましたよ。」
犬山「では車から降りてください、ここからも見えますが三階部分が私の事務所となってます、今いるのが私の事務所のあるビルの駐車場ですので、すぐそこの表通りに出て、正面入り口から入ってください。」
大中「わざわざありがとうございます」
犬山と大中は車を降りた。
大中「それにしても暑いですね」
犬山「そうですよ、どうやらこの辺の地形的に暑くなりやすいらしくて、この時期は周りの熱がこの辺りに集中するんですよ、それで避暑地に行く人とかも割りといて、地方紙......というかこの地域で発行されてる雑誌の特集で先週この辺の住民が行きたい避暑地ランキングっていうのが発表されたんですけどね、まさかロシアが一位だとは思いませんでしたよ、てっきり軽井沢だとばかり。」
大中「それにしても......この道交通量多いですね、来る途中とか何度もカーナビから渋滞情報が流れてましたし、えっと確かトラックの荷台で流し素麺をしてたら間違えて素麺がトラックの外に出るようになっていて、それで道にこぼれ落ちた素麺が散乱して渋滞してるんですよね、それにしてもアホらしい渋滞ってたまーにありますよね。」
犬山「おー、あるあるだねー、こないだはイノシシがイノシシを捉えるゲート的なのを捕まった状態で檻に体当たりを繰り返すことで移動して高速道路に出てきてしまって、檻に仕掛けられた高圧電流の仕掛けで高速道路やその周辺で停電が起きてサービスエリアの駐車場の満員表示が消えて満員だと知らないで入った客でサービスエリアが渋滞した話もあったなぁ」
大中「流石にそれは奇想天外でトリッキーすぎますよ」
犬山「そうかなぁ、腕は磨いたつもりなんだけど」
大中「そろそろ入っていいですか?」
犬山「ちょっとまって、このままだと入れないよ」
大中「もしかして今ごろのマンションにありがちなオートロックというやつですか?」
犬山「確かにそうなんですけどそれが結構ややこしくて、普通に住民が来るときは問題はないんですけど住民以外が来るとちょっと厄介で、防犯面を強化しようって目的で入ってるんですけどセキュリティが頑丈すぎて、今では不動産屋からブラック物件扱いされてるんですよ、ここの物件はめんどくさいから何があっても紹介してはいけないって」
大中「そこまでなんですか?」
犬山「そうなんですよ......防犯の都合でそうなってるみたいですけど......一階にハンバーガーショップがあったんですよ、防犯面の都合で入り口を外に作ってはいけないというルールがあるらしくて、それでなかに作ったんですけど......僅か一週間でつぶれました、ここで生活してる人......少なくとも私だけですね、私は一応事務所を自宅兼職場という扱いでしてるので、それで私しか利用客がいなくて、そもそもバイト面接もやったそうですが、そもそも面接時間の前......面接30分前に来るように言われたそうですが、防犯セキュリティまにあわなかったそうです、しかも30分前の30分前......つまりバイトの面接のために時間に余裕をもって一時間前に来てたそうですが......本番の面接時間にすら間に合わなくなったそうで......」
大中「つまり、今からそれをしなくてはいけないんですか?」
犬山「そういうことです、今からそれの説明をしましょう、ただ一度に言うと頭がこんがらがってしまうかもしれませんので、順序に行っていくのでそれに従ってください、一つも欠けてはいけないので」
大中「そんなに複雑なんですか?」
犬山「そうなんですよ、それのせいで客が来ない来ない、一日客が0何て言うのは当たり前で、それでSNSで相談の募集なんかも不定期ですけどしてるんですよ、毎日が暇で暇で仕方ないので最近はしょっちゅう募集してて、来るには来るんですけど何故か嫌がらせ目的の物しか来なくて......だれかこういうネット関係なら最強にになれる術をおしえてくれれば私もこういう輩の人生を早く終了のお知らせを叩きつけることが出来るんですけどね、そういう本は古本屋には置いてなかったから置くときに連絡するように頼んだんですよ。」
大中「なるほど......」
犬山「じゃあ順に説明していきますね、まず正面辺りはまぁ入れるんですよ、割りと一般人も入れて、食べ物とか食べれる系の店が入ってるビルなんかは一般の人も沢山ビルに入ったりするんですけどやっぱり防犯の都合で相当ややこしいんですよ。」
大中「さっきから気になるものがあるんですけど」
犬山「あれ?今からそれを説明するんだよ、あれは仮入館届け配布場、まず一般の人はそこで仮入館届けを貰うんだ」
大中「仮?」
犬山「何度も言うようだけど、防犯の都合でこういうのをめちゃくちゃめんどくさいのにして、苦労させるみたいだよ。」
大中「それで何か銀行みたいに番号を待つみたいですね。」
犬山「そうだよ、そこは料理人志望の少しおかしなやつがいてさ、届けの書類とか沢山必要なのに【料理は書類と同じだ、大事なもの、そういう大事な物は本当の作りたての状態で提供されるべき】だとよくわからないことを言ってるんだ」
大中「確かにそれは意味がよく分からない......」
犬山「だから毎回紙を作ってるんだ」
大中「そこから!?おかしいにも程がないですか!?」
犬山「よく見てみろ、あそこ、ほら、仮入館届けの窓口の先右奥の方にドアがあるだろ、そこを見てみろ、ここからギリギリ見えるぞ」
その視線の先には言われた通りに紙を、というか和紙を水から作っている場面が見えた
大中「何故和紙?」
犬山「あいつ曰く【客には最高の素材を提供したい】らしい」
大中「紙としての質は最高だとは思うが......書類には不向きだろ、和紙は」
犬山「紙を作るために地面を掘って地下には天然の滝もあるらしい」
大中「滝もあるって......本当にどんなビルだよ」
犬山「それで書きにくいみたいだから多分呼ばれるのに30分は余裕で掛かる、もしかしたら90分以上掛かる場合もある。」
大中「それとか最悪じゃないですか、こだわりすぎて多分死人でますよ」
犬山「このビルで死人が出たらいつもあいつのせいで客がこないから罪を全部あいつに吹っ掛ける」
大中「それ探偵がいう言葉!?」
犬山「現状、ここで待たないといけないから待てば待つほど待つ回数が増えるとあいつに対する殺意がだんだんと芽生えてくるよ、さっきいったハンバーガーショップの店長、最初は今まで会った中でとびっきり優しい人格者だったんだ、なのに潰れてから夜な夜なホッケーマスクを被ってビキニで濡れタオルを振り回す不審者の変態おっさんになってしまったよ」
大中「そこまで!?そこまでのことか!?」
犬山「あんたも分かるさ、私もこの仕事が瞑れたら完全に頭のネジがやつにネジ切られる運命になってしまったんだ」
大中「いやどんな運命!?そんな運命嫌だよ!」
犬山「そんなわがまま言わないでー!子供じゃないんだからー!誰かー!ここに迷子の大人がいまーす!もう20を過ぎてるのに駄々をこねる精神が子供の逆小学生探偵みたいなやつがここにいまーす!!!!」
大中「そんなこというんじゃねぇ!!」
犬山「いやすまん、あいつへのストレスでおかしくなってたわ」
大中「急におとなしくされても」
犬山「というわけで、あいつのストレスで口が悪くなったりおかしな行動をとってしまうことがあるんだ、それでもよろしくな」
大中「本当大丈夫なのかこの探偵!?なんだかめっちゃ怪しくなってきたぞ!」




