当日篇〈6〉でも楽しい
ステファニー
「生きてるって素晴らしいね! 何とか僕らは、埼玉へ生還したよ! ホントはすぐに同人誌を読んで百合ん百合んしたいけど!」
ロザリアさん
「ええ、ちゃんとリポートしませんと。私達、コミケの楽しさを伝えるはずが、過酷さしか伝えてませんよ? ……まぁ、実際過酷でしたけど」
ステファニー
「でも体感的には、去年より過ごしやすかったかな? 日差しはキツイけど、風があったからね」
ロザリアさん
「……マジですの? これで? 去年どれだけ壮絶だったのですか……」
ステファニー
「去年の夏コミは、昔何百人と倒れたという伝説の『ジェノサイドコミケ』の再来と謳われたからね! 屋内に雲が発生するんだよ? 狂ってるよ!? それに比べると、今日のコミケ、僕らの目の前で倒れた人はいなかったし」
ロザリアさん
「……恐ろしい基準ですね。って、結局過酷さの話になってますよ!?」
ステファニー
「でも、楽しさを伝えるなら戦利品(同人誌)読んでからでないと! という訳で今は、明日明後日参加の人の為に、初めての人用の同人誌の買い方でも教えておこうかな?」
ロザリアさん
「あら、貴方は『新刊下さい!』か『これとこれ下さい!』でしたけど?」
ステファニー
「僕は、何度か参加してるからさ。普通は、まずサークルの人に声を掛けて、読ませてもらう。そして気に入ったら買う。そんな感じだね。もちろん買わない場合も、『ありがとうございました』とか、お礼は言おうね! 無言とか冷笑とか、たまにいるけど、失礼だよ!」
ロザリアさん
「あ、あと今日見てると、試し読みがすごく長い人もいましたね。あれも迷惑ですよね?」
ステファニー
「そう! そうなんだよ! 最初の1、2頁で判断してみせろってんだよ、まったく! 財布の中身も有限だし、じっくり選びたい気持ちも分かるけどさ。ただ、他の人も待ってるという、ごく当たり前のことは認識しておいてほしいね!」
ロザリアさん
「ふふ、特に行列必至の大手でやられると……殺意が湧きますね♪」
ステファニー
「に、にこやかに言わないでくれよ、怖いよ!? と、大手の話が出たね。初心者が大手の人気サークルに並ぶのは、僕はあまりオススメしないかな?」
ロザリアさん
「あら、どうしてですの?」
ステファニー
「いや、やっぱり時間掛かるからさ。それに首都圏に住んでるなら、大手の本は後で同人ショップで買えるしね?」
ロザリアさん
「なるほど、時間が勿体無いという事ですか」
ステファニー
「……と、前々回までは僕も思ってた」
ロザリアさん
「ええっ!? 前フリ!?」
ステファニー
「さすがは宇宙一行列を捌き慣れてるコミケスタッフ、そんなに極端に待つサークルさんは少ないんだよね。それに、同人ショップでは付いてこない紙袋とかトートバッグとか、オマケを付けてる所も多いし」
ロザリアさん
「むむむ? 結局どうしろと?」
ステファニー
「まぁ、自分で決めておくれよ! それがコミケさ! 自分で選んだ運命なら、誰を怨むことも無いだろう?」
ロザリアさん
「かっこいい事言って誤魔化そうとしてますけど。要は、責任は取りませんってことですね?」
ステファニー
「まぁね! 自主性が大事! そういうことさ!」




