西東京大会1回戦VS都立村田高校
今日、岡田君と来ているのは夏の甲子園大会に出場する為の予選の、全国高校野球選手権西東京大会1回戦の都立山王子高校VS都立村田高校との試合だ。
収容人員が1万人を超える、山王子市民球場て開催される。
プロ野球の2軍戦でも使う事があるので収容人員は多いが、今日は都立高校同士の1回戦の試合なので、学校の生徒、学校や生徒の関係者の大人を除くと、そんなに人は多くいない。
全国高校野球選手権西東京大会の入場料は高校生500円、中学生以下無料だが、一般は1,000円する。これはプロ野球の2軍戦の前売り券と同じ値段(当日券は1,200円)するので、学校と無関係の大人の入りが少ない理由ではないだろうか。
余談ですがプロ野球球団も、2軍戦に入場者を増やす為に色々な企画をしている。
兵庫の球団ではイベントグッズ付きチケットを販売し、トートバッグやジャージなどをもらえる。名古屋の球団では、親子グラブ作りなど面白いイベントもある。
私がスカウトとして所属している大阪ブルーローズの2軍戦では有料会員限定のポイントカードがあり、来場回数に応じてちょっとしたプレゼントがあり、16回来場すると60名限定ですが若手の選手と一緒に、BBQをすることが出来る。
都立山王子高校はノーシードなので1回戦から出場するが、長谷田学館はシード校なので夏の西東京大会で2回戦からの登場する。
ちなみにシードになるには秋から春に行われる、春季東京都高等学校野球大会でベスト16以上に進出することが条件だ。
「都立高校同士の1回戦で注目選手もいないので、僕達以外にスカウトはいませんね」
夜空君は他の球団のスカウトには、ノーマークだ。
試合が始まる前に、監督同士が話している。
「今年は俺のチームが勝つからな」
「今年は甲子園が目標なんだ。悪いがここでは負けられない」
「おい、大宮。甲子園ってどういうことだよ」
大宮勇志監督が相手の監督に、甲子園に行くと言っている。今年にかける強い気持ちが感じられる。
「プレイボール」
試合が始まった。
夜空君が第1球を投げた。
初球は球速120km/hの、真ん中高めのストレート。
「ストライーク」
「何だ、大宮が甲子園何て言うからどんな投手が出てくるのかと思ったら、たいしたことない投手じゃないか。打つのは簡単だな」
なんか村田高校の監督が安心している。
夜空君が第2球を投げた。
2球目は球速70km/hの、真ん中低めにチェンジアップ。球速差が50km/hもあるので、バットに当たらない。
「ストライーク」
3球目は球速125km/hの、真ん中高めのストレート。
「ストライーク、バッターアウト」
1人目のバッターはバットに、かすりもしなかった。
夜空君が2人目の打者に投げた。
初球は球速123km/hの、インコース高めのストレート。
「ストライーク」
2球目は球速80km/hの、アウトコース低めにスローカーブ。
「ストライーク」
大きい変化なので、左打者では当たらない。
3球目は球速110km/hの、アウトコース低めにスライダー。
「ストライーク、バッターアウト」
左打者でアウトコース低めのスライダーは、三振しやすいボールだ。
2人目も難なく片付けた。
夜空君が3人目の打者に投げた。
初球は球速70km/hの、真ん中低めのチェンジアップ。
「ストライーク」
前の打者2人にストレートから入っていたので、バッターは完全にストレートだと思って振りに来て空振りした。
2球目は球速123km/hの、アウトコース高めのストレート。
「ストライーク」
打者には緩急差があり、ストレートが速く見えるらしい。
3球目は球速113km/hの、インコース低めにスライダー。
「ストライーク、バッターアウト」
右打者に食い込んでくるボールは、打ちづらい。
夜空君はイマキュレートイニング(9球で3者連続三振)を達成した。
「おかしいな。たいしたことない投手なのに、あの子らは何をしてるんだ」
村田高校の監督はまだ、夜空君の怖さに気づいていない。
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