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プロ野球スカウトは、鑑定スキル(野球ゲームの能力画面が見えるスキル)で優秀なドラフト選手を発掘する  作者: 犬兎ゆん
球速120キロ台のスロー投手を指名したい

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借金取り

 岡田君が合流後、大宮勇志監督と話しながら山王子高校野球部と一緒に、電車で移動した。


 学校の最寄り駅に着いたところで解散となったが、夜空君と監督は家が近いので、夜空君の家に用があった私と岡田君と、4人で夜空君の家に向かった。


 夜空君の家に着いた。家はそこら中に穴が開いて錆びている、ボロアパートだった。


 「じゃ、私はもう少し先なので、夜空、今日投げたのだから練習するなよ。吉田さんと岡田さんそれでは失礼します」


 「練習しません。先生、さようなら」


 「大宮勇志監督、今日はありがとうございました」


 「ありがとうございました」


 大宮勇志監督は、自分の家に帰っていった。


 「失礼します」

 

 夜空君の家に入った。


 家にはお母さんと妹さんがいる。


 私はお母さんと妹さんに挨拶した後に、岡田君と仏壇に手を合わせようとした。


 「そんなやつに、手を合わせないでください」


 夜空君が、そう言うので仏壇に行くのをやめた。


 夜空君のお父さんはクズ人間で、酒を浴びるように飲んでは家族に暴力を振るい、賭け事もするので多額の借金を作り、お母さんは昼だけでなく夜も仕事をした事により、体を壊してしまった。


 お母さんは妹さんが介護していて、病院で治療している。


 夜空君もお父さんからの暴力と暴言の影響で、ネガティブな性格になった。


 その原因のお父さんだが酔って階段から落ちて、亡くなっている。


 そんなお父さんだから、夜空君は仏壇に手を合わせないように言ったのだろう。


 「今日はどうだった」


 「強豪校の長谷田学館だったけど、誰1人ランナー出すことなく抑えたよ」


 夜空君は自信満々に言った。


 「お兄ちゃんは凄いんだから。だってプロのスカウトの吉田さんも、注目している投手なんだから」


 妹さんもお母さんを安心させるためか、少し力強い声で言った。


 「そうだよね。夜空は凄いよね。夜空、怪我しないように頑張ってね」


 そう言うとお母さんは、奥の部屋に休みに行った。


 「凄く苦労してますね」


 岡田君が言った。


 「苦労とかじゃなく、やらないといけないんです」


 夜空君がぽつりと言った。


 部屋で少し話していると、玄関から怒鳴り声と戸を叩いてる音が聞こえた。


 「開けろゴラーー。金返せやー。いるのわかってんねんぞ」


 借金取りが来たのだろう。


 「荒っぽいし、警察に連絡しよう」


 私は警察に連絡しようとした。


 「駄目です。前に警察に連絡したら妹の学校にまで現れて、脅してきたんです。もし通報でその人が捕まっても、他の人が僕らを襲うと言ってきている。なのでここは黙って居留守を使うので、大丈夫です」


 そう言うが夜空君は、小刻みに震えていた。


 病気のお母さんの体にも良くない。


 「ちょっと話をしてくるわ」


 私は立ち上がって言った。


 「吉田さん、絶対に危ないですって」


 私を岡田君が止めたが振り切って、借金取りと話に行った。


 「なんや、お前は誰や。あいつの男か」


 本当に下品な人間だ。


 「私は大阪ブルーローズでスカウトをしています。吉田と言います。夜空君をスカウトする為に、ここにいます。星家には借金があるかも知れませんが、ちょっと横暴じゃないですか」


 「そんなことは知らん。金返さねぇ、あいつらが悪いんだ」


 借金の取りたてにしても、とても荒っぽい。お父さんは、碌な所に借りていなかったのだろう。


 「お金は夜空君が、プロに入って返します。なのでプロに入るまで、大人しくしてもらえませんか。邪魔してプロに入れず、お金が返って来なかったら、あなたたちも困るでしょう」


 「球速120km/hしか出ないような投手が、プロなんか入れる訳ねぇよ」


 「入れます。私がここにいるのが証明です」


 「くっ」


 私が証明すると、借金取りは少し黙った。


 その後、借金取り達で何かを話していた。


 「わかった。待ってやる。俺らも金が返ってくるなら、それが1番だ。ただしプロに入れなかったら、妹は学校を辞めて夜の店で働いてもらうからな」


 そう言うと借金取りは去って行った。

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