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七禍島、鳳恭介の帰還 ―七つの禍に選ばれた死者と、遺体なき兄の謎―  作者: 綾見 恋太郎


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第三章 七つの灯は嘘をつく

 木札は、玄関ホールの中央に置かれていた。

 いや、置かれていた、という言い方は正確ではないかもしれない。

 それは、そこに現れたのではなく、最初からそこにあったものが、ようやく人の目に見える位置へ引き出されたように見えた。

 黒く磨かれた石床の上。

 二階へ続く大階段の手前。

 踊り場の曇った鏡に、かろうじて映る場所。

 古い木札が、一枚、まっすぐに立てかけられていた。

 一つ、海は名を呑む。

 その下に、墨で一つの名が書かれている。

 灯村要。

 字は太い。

 新しい。

 墨の色はまだわずかに濡れていて、木目の上に黒く沈んでいた。

 真壁彰は、玄関ホールに入るなり足を止めた。

 背後で二階堂壮也が息を吐く。

「……置いたね」

「ああ」

「先に」

「ああ」

 二階堂は笑わなかった。

 いつものように軽口を叩く表情は残っている。だが、目の奥は冷えていた。広報の人間として、二階堂は言葉が人を殺す場面をよく知っている。比喩ではない。最初に置かれた呼び名。最初に流れた見出し。最初に貼られた疑い。それは、人間の人生を別の場所へ押しやる。

 死者の名前なら、なおさらだった。

 九条雅紀は木札の前で膝をついた。

 白い髪が、玄関ホールの古い照明を受けて、少し青く見えた。左手で手袋の端を引き、木札そのものには触れずに、低い姿勢から墨の乾き具合を見ている。

「書かれてから、そんなに時間は経ってない」

「どれくらいだ」

 真壁が訊く。

「この湿度だと断定しづらい。でも、少なくとも朝から置かれていたものじゃない。港で火が出た後でもおかしくない」

「つまり、俺たちが港に下りている間か」

「可能性は高い」

 二階堂がホールを見渡した。

「館に残っていたのは?」

 県警の佐伯警部補が答える。

「鷺宮さん、黒羽さんの秘書役の方、保存会の古賀さんの付き添い、調理担当が二名。ただし、港へ下りた者もいます。正確な出入りはまだ」

「出入り表は」

「管理室にあります」

「その管理室の衛星電話が切られてた」

 二階堂は小さく頷いた。

「じゃあ、そこも信用しすぎない方がいい」

 鷺宮依子が、階段の脇で両手を握っていた。顔は青いが、姿勢は崩していない。管理人としての立ち方を、必死に保っている。

「私が見つけました」

 鷺宮は言った。

「港から戻るように言われて、管理室から玄関を通ろうとした時です。最初は、木札が倒れているのかと思いました。近づいて、名前が書いてあることに気づいて……」

「誰かが玄関へ入る音は?」

「聞いていません」

「玄関の鍵は」

「開いていました。皆さまが出入りされていましたので」

 真壁は木札の位置を見た。

 置いた人間は、目立たせたかった。

 だが、ただ目立つ場所なら玄関の扉の前でいい。全員が戻ってくる時に踏みそうになるくらいの位置に置くこともできる。

 なぜ、階段の前なのか。

 なぜ、鏡に映る位置なのか。

 鳳恭介が、真壁の横で同じ場所を見ていた。

 三十路の建築学者は、いつもの穏やかな顔をしている。だが、視線だけは鋭かった。木札ではなく、木札と階段と鏡の関係を見ている。

「鳳さん」

「はい」

「何を見てる」

「置き方です」

「木札の?」

「木札と鏡の」

 二階堂が顔を上げた。

「また嫌なやつ?」

「たぶん」

 鳳は玄関ホールの中央へ歩いた。木札に触れないよう距離を取り、階段の踊り場にある大きな鏡を見上げる。鏡面は曇っていて、真壁たちの姿を正確には映さない。ただ、黒い影と古い照明の輪だけが、ぼんやりと揺れている。

「この鏡は、入ってきた人間を見るための位置ではありません」

「前にも言ってたな」

 真壁が言う。

「はい。二階から降りてくる人を、一階の人間が先に見るためのものです。逆に言えば、二階にいる人間も、一階の動きを鏡越しに確認できる」

 二階堂が階段の上を見る。

「つまり、木札を置く人間が二階に隠れて、俺たちの戻りを見てた可能性?」

「それもあります。ただ、もう一つ」

 鳳は二、三歩後ろへ下がった。

「この位置に木札を置くと、鏡の中では木札の文字が読みにくくなる。けれど、名前の部分だけは黒い塊として目立つ」

「文字じゃなくて、名前の存在だけを見せる」

「そうです」

 真壁は鏡を見た。

 曇った鏡の中で、木札はほとんど影にしか見えない。七禍歌の細い文字は読めない。しかし、下の太い墨だけは、黒い染みのように浮かんでいた。

 灯村要。

 名は読めない。

 だが、名があることはわかる。

「嫌な置き方だな」

 二階堂が言った。

「名前を読ませるんじゃなくて、名前が置かれたことを見せる。見出しの見せ方に近い」

「見出し?」

「本文なんか読まなくても、太字だけでわかった気になるだろ」

 九条が木札から顔を上げた。

「墨の匂いが新しい」

「誰でも書けるか?」

 真壁が訊く。

「書ける。ただ、筆はかなり太い。普通のペンじゃない。墨汁でもないかもしれない」

 九条は少しだけ眉を寄せた。

「煤の匂いがする」

「煤?」

「木炭か、焦げた木を混ぜてる」

 二階堂が港の方角を見た。

「船の火とつなげたいわけだ」

「あるいは、港から持ち込んだものを使った」

 真壁は佐伯に言った。

「木札を写真に撮ってください。正面、斜め、鏡に映った状態。床の痕も全部」

「はい」

「触らずに」

「もちろんです」

 佐伯は若い刑事に指示を出した。ホールにいる者たちは、誰も近づこうとしない。だが、誰も木札から目を離せなかった。

 古賀清澄は、階段の反対側に立っていた。

 保存会の老人は、港で見た時よりさらに顔色を失っている。目が木札に釘づけになっていた。怯えているようにも、怒っているようにも見える。いや、その両方かもしれない。

「海禍が始まった」

 古賀が呟いた。

 二階堂が振り返る。

「始めた人間がいるんです」

「人の仕業だと言うのか」

「木札は人が書きます」

「禍は、書かれる前からある」

「なら、なおさら人の名前を勝手に足さないでください」

 古賀の唇が震えた。

「お前たちは何も知らん。この島は、七つを揃えなければ終わらない」

 その言葉に、真壁は反応した。

「七つを揃える?」

 古賀は口を閉じた。

 しまった、という表情ではない。

 言ってはならないことを言った人間の顔でもない。

 むしろ、口にしたことで自分の恐怖を確かめてしまった人間の顔だった。

「古賀さん」

 真壁はゆっくり近づいた。

「二十一年前も、誰かが七つを揃えようとしたんですか」

「知らん」

「今、そう言いました」

「知らんと言った」

「では、なぜ七つを揃えなければ終わらないと?」

 古賀は真壁を睨んだ。

「よそ者に話すことはない」

「灯村さんが行方不明です。船内には身元不明の遺体がある。木札に灯村さんの名前が書かれた。今は昔話ではありません」

「昔話だ」

 古賀は言った。

「この島では、昔話が一番新しい」

 意味のわからない言葉だった。

 だが、真壁には妙に引っかかった。

 昔話が一番新しい。

 古い伝承が、今夜の事件を動かしているということか。

 それとも、二十一年前の事件が、さらに古い話に上書きされているということか。

 火野朱里が、玄関ホールの入口に立っていた。

 赤いストールを外し、腕にかけている。海風に乱れた髪を直す様子もない。目は木札を見ているが、表情は読めない。

「古賀さんは、昔からそう言います」

 朱里が言った。

「七つは揃わなければならない。揃ったものだけが島に残る。揃わなかったものは、海に戻る」

「どういう意味ですか」

 真壁が訊くと、朱里は首を振った。

「私も、全部は知りません。母が死んだ時、そう言われただけです」

「誰に」

 朱里は、古賀を見た。

 古賀は目を逸らした。

 その一瞬で、真壁は二人の間に何かがあると判断した。

 直接の共謀ではない。

 古い傷の共有。

 それに近いもの。

 二階堂が朱里に訊いた。

「火野さん。今の木札を見て、どう思いました?」

「嫌だと思いました」

「それだけ?」

「また、名前が置かれたと思いました」

「また?」

 朱里は、鳳の方を見た。

 鳳は木札ではなく、階段と鏡を見ていた。

「鳳さんのお兄さんも、そうだったのでしょう」

 ホールの空気が、かすかに揺れた。

 鳳は朱里を見た。

「僕の兄をご存じなんですか」

「名前だけは」

「島では、みんなそうですね」

 鳳の声は穏やかだった。

「僕の兄を、名前だけで知っている」

 朱里は目を伏せた。

「私は、母のことを名前で覚えている人がほしかった」

「今は?」

「今は、火禍の人、と言われます」

 二階堂が低く言った。

「便利な呼び名は、人を潰すんですよ」

 朱里は二階堂を見た。

「でも、便利な呼び名がなければ、誰も聞いてくれないこともあります」

 二階堂は返さなかった。

 真壁は、その沈黙を聞いていた。

 火野朱里の言葉には、まだ被害者遺族としての痛みしか見えない。

 だが、そこに別のものも混じっている気がした。

 理解してほしい、ではない。

 聞かせるためにはどうすればいいかを、すでに考えたことのある人間の声だった。

 佐伯が近づいてきた。

「木札の写真、取りました。床の痕も」

「床に何かあったか」

「木札の下に、細かい砂があります。港の砂かどうかは不明です」

 鳳がしゃがみ込んだ。

「砂というより、貝殻片が混ざっています」

「港から持ち込まれた?」

「可能性はあります。ただ、七禍館の海側回廊にも同じようなものが入り込みます」

「海側回廊?」

「風と潮で。とくに床線が低い場所なら」

 真壁は鳳を見た。

「さっき言っていた、床線が下がっている回廊か」

「はい」

「そこから玄関へ来られるか」

「通常の動線なら遠回りです。ですが、裏動線があれば別です」

「裏動線」

 鳳は、玄関ホールの奥へ視線を向けた。

「この館は、表と裏の動線が重なっていません。客を通す廊下と、使用人や管理者が使う廊下が別にあるはずです。増築を重ねた建物では、そういう隙間が残りやすい」

 二階堂が溜息をつく。

「隠れ放題ってこと?」

「隠れやすい建物です」

「嫌な言い直しだな」

 九条が立ち上がった。

「木札を書いた筆を探した方がいい」

「筆?」

「太い筆か、それに近いもの。煤を含んだ墨。港で書いたなら、港に残る。館で書いたなら、洗った跡が残る」

「水場だな」

 真壁は佐伯に指示を出した。

「管理室、厨房、洗面所、港の倉庫。筆か墨か、黒い汚れを探してください。あと、全員の手を確認する」

 黒羽宗一郎が鼻で笑った。

「我々全員を容疑者扱いする気か」

 真壁は黒羽を見た。

「しています」

 黒羽の顔が険しくなる。

「冗談ではない。私は開発会社の責任者だ。この島の再生に何億も投じている。こんな茶番で足止めされる筋合いはない」

「茶番かどうかは、身元不明遺体の確認が終わってから判断します」

「その遺体が灯村なら、事故だろう。船で火を扱う人間だ。燃料に引火しただけではないのか」

「木札は事故では書けません」

「誰かの悪戯だ」

 二階堂が横から言った。

「悪戯で人の名前を書く人間は、かなり性格が悪いですね」

「君は黙っていろ」

「広報としては黙れないんですよ。このままだと、明日の朝には“七禍再来”って見出しが立つ。そうなった時、いちばん困るのは開発会社では?」

 黒羽は目を細めた。

「脅しか」

「予防です」

「君は警察官なのか、記者なのか」

「警察官です。だから、まだ見出しになっていないものを止めています」

 黒羽は舌打ちし、鷺宮に向いた。

「車を出せ。私は本土に戻る」

 鷺宮は困惑した。

「黒羽様、船が」

「別の船を呼べばいい」

 佐伯が言った。

「外部連絡が難しい状況です」

「無能どもが」

 その一言に、玄関ホールの空気がさらに悪くなった。

 古賀が黒羽を睨む。

「だから言った。外の人間に島を売るなと」

「老人の感傷に付き合っている暇はない」

「この館を商売にするから、禍が戻ったんだ」

「禍など観光資源にすぎん。怖がる客がいるから価値がある」

 朱里の表情が変わった。

 ほんのわずかだった。

 だが、真壁には見えた。

 黒羽宗一郎の言葉が、火野朱里の中の何かを踏んだ。

「黒羽さん」

 朱里が静かに言った。

「今の言葉、もう一度言えますか」

「何?」

「禍は観光資源にすぎない、と」

 黒羽は、しまった、という顔すらしなかった。

「事実だろう。二十一年前の悲劇を風化させないためにも、適切な形で活用する必要がある」

「母の死もですか」

「火野さん、言葉尻を取らないでいただきたい」

「母の顔が焼けたことも、客が怖がるなら価値があると?」

 黒羽は、うんざりしたように息を吐いた。

「感情論では事業は進みません」

 朱里は、それ以上言わなかった。

 黙ったまま、黒羽を見ていた。

 その目が、真壁には怖かった。

 怒りが燃えている目ではない。

 燃え尽きたものを、もう一度火にくべる場所を探している目だった。

 鳳が小さく言った。

「黒羽さん」

「何だ」

「七禍館の構造図を見せてください」

「今それが必要か」

「必要です」

「なぜ」

「この館は、人が移動できる場所と、見えている場所が一致していません。木札を置いた人間が、どの動線を使ったのか確認する必要があります」

 黒羽は鼻を鳴らした。

「君は開発会社から依頼を受けた建築調査員だろう。警察の真似事をする立場ではない」

「兄の名前を勝手に血禍へ置いた人間が、この館の動線を使っている可能性があります」

 鳳の声は静かだった。

「その場合、これは仕事ではありません」

 黒羽は、少しだけ表情を硬くした。

「兄の話を持ち出せば、何でも通ると思うな」

 真壁が黒羽の前に立った。

「資料は出してください」

「警察の正式な令状でも?」

「人命確認と現場保全のためです。協力を求めます」

「拒否したら?」

「拒否した事実を記録します」

 二階堂がにこやかに補足した。

「あと、あとで会見になった時に、非常に説明しづらくなります」

 黒羽は二階堂を睨んだ。

 結局、彼は舌打ちして鷺宮に言った。

「管理室の図面を出せ」

「ですが、黒羽様」

「出せ」

 鷺宮は一瞬ためらった。

 そのためらいを、鳳が見た。

「鷺宮さん」

「はい」

「図面は、全部ありますか」

 鷺宮は答えなかった。

 真壁はその沈黙を拾った。

「全部ではない?」

「古い図面は欠けています」

「どの部分が」

「祭壇棟と、血禍の間に関するものが」

 鳳の顔がわずかに変わった。

「血禍の間」

「はい」

「そこは、どこにありますか」

 鷺宮は、玄関ホールの奥、暗い廊下の先を見た。

「現在は封鎖されています。安全上の理由で」

「安全上?」

「床が傷んでいます」

 鳳は、すぐには返事をしなかった。

 代わりに、二階堂が口を開いた。

「安全上の理由で封鎖されている場所が、よりによって血禍の間」

「何か問題が?」

 鷺宮の声が固くなる。

「問題しかなさそうですよね」

「二階堂」

 真壁が低く制した。

 二階堂は肩をすくめた。

「了解。言い方を変える。確認した方がいい」

 佐伯が図面の提出を待つ間、真壁たちは管理室へ向かった。

 管理室は玄関ホールから右手奥にあった。古い事務机、無線機、館内放送設備、壁一面の鍵棚。観光開発用に新しい棚も入っているが、部屋の空気は古いままだった。

 壁には、七禍館の簡易案内図が貼られている。

 真壁はそれを見た。

 一階に玄関ホール、食堂、管理室、旧祭壇棟への廊下。二階に宿泊室。海側にガラス回廊。奥に鐘楼。左手に鏡廊下。右手に風洞回廊。

 そして、血禍の間は、案内図の最も奥に小さく書かれていた。

 だが、鳳はその図を一目見て眉を寄せた。

「おかしい」

「どこが」

「血禍の間の位置です」

 鳳は案内図を指した。

「この位置に独立した部屋を作ると、外壁の厚みが合いません。さっき外から見た形と一致しない」

「図が間違ってる?」

「観光用の案内図なら簡略化はあります。ただ、ここだけ曖昧すぎる」

 二階堂が言った。

「曖昧にしたい場所?」

「はい」

 鳳は図をじっと見た。

「それと、海側回廊から玄関への裏動線が描かれていません」

「ないのか」

「なければ管理が不便すぎます。海側の窓や照明を誰が点検するのか。客用動線しかないなら、毎回玄関ホールを通る必要がある」

「つまり、隠された管理通路がある」

「可能性が高いです」

 九条が管理室の流しを見ていた。

 小さなシンク。古い蛇口。排水溝。横に雑巾と洗剤。壁に筆立てのような容器がある。

「筆は?」

 真壁が訊く。

「ここには細いものしかない」

 九条は容器を持ち上げた。

「でも、黒い水の跡がある」

 シンクの排水口周辺に、薄い黒ずみが残っていた。

「墨か?」

「煤っぽい」

 二階堂が顔をしかめる。

「木札、ここで書いた?」

「断定はできない」

 九条は言った。

「ただ、誰かが最近、黒いものを洗った」

 真壁は佐伯を呼んだ。

「シンクの写真。排水口も。雑巾も押収」

「はい」

 鳳は鍵棚を見ていた。

 鍵には古い札がついている。

 玄関。

 食堂。

 二階東。

 二階西。

 鏡廊下。

 鐘楼。

 風洞回廊。

 海側回廊。

 血禍の間。

 その中で、海側回廊の鍵だけが、少し新しい。

「鷺宮さん」

 鳳が訊く。

「海側回廊の鍵は替えましたか」

「ええ。錆びていたので、開発準備の際に」

「誰が管理を?」

「私と、灯村さんです。黒羽様も予備をお持ちです」

 黒羽が不快そうに言った。

「管理責任者だからな」

「ほかには」

「いません」

「本当に?」

 鳳の問いは穏やかだった。

 鷺宮は少しだけ目を伏せた。

「保存会が古い鍵を持っている可能性はあります。ですが、実際に使えるかは」

「古賀さん」

 真壁が言うと、鷺宮は答えなかった。

 その沈黙で十分だった。

 二階堂が鍵棚を眺める。

「鍵、多すぎるね」

「古い館ですから」

 鷺宮が言う。

 二階堂は微笑んだ。

「古い館って、便利な言い訳ですよね。鍵が多くても、廊下が変でも、記録が欠けていても、全部“古いから”で済む」

 鷺宮は、何も言わなかった。

 その時、外で短い悲鳴が聞こえた。

 真壁はすぐに管理室を出た。

 玄関ホールではなく、食堂の方角だった。

 廊下を曲がると、調理担当の女が壁に背をつけて立っている。顔が真っ青だった。床には、盆が落ちている。器が割れ、水が広がっていた。

「どうした」

 真壁が訊く。

 女は震える指で、廊下の先を指した。

「火の……札が」

 廊下の奥。

 旧祠へ続く渡り廊下の入口に、小さな紙片が落ちていた。

 木札ではない。

 焦げた名刺だった。

 黒く焼けた端。

 中央に、かろうじて文字が残っている。

 黒羽宗一郎。

 その横に、赤黒い線で一文。

 二つ、火は顔を奪う。

 黒羽本人が、真壁の背後で息を呑んだ。

「何の冗談だ」

 声が震えている。

 本人の名刺が、火禍の句とともに置かれている。

 まだ黒羽は生きている。

 ならばこれは予告か。

 あるいは、もう始まっているのか。

 二階堂が低く言った。

「今度は、死ぬ前に名前を置いた」

 真壁は黒羽を振り返った。

「黒羽さん、最後にこの名刺を使ったのは」

「知るか。名刺など何枚もある」

「誰に渡しましたか」

「今日なら、島に来た関係者に配った。鷺宮、古賀、火野、久世、県警にも」

「鳳さんには」

「渡していない」

 鳳が頷いた。

「受け取っていません」

 九条は名刺に近づかず、焦げ跡を見ていた。

「新しい焦げ方」

「港の火?」

「火の質が違うかもしれない。これは小さな火で炙った感じ。船火災の中から出たものではなさそう」

 二階堂が黒羽を見る。

「予告状にしては、雑ですね」

「何だと」

「いや、黒羽さんを脅すなら、もっと本人に見える場所に置くと思って。こんな廊下の奥に置いて、調理担当が見つけるなんて、偶然に頼りすぎてる」

 鳳が廊下の先を見た。

「偶然ではないかもしれません」

「どういうこと?」

「ここは食堂へ水を運ぶ動線です。食器を下げる人間は必ず通る。客ではなく、館の人間が最初に見つける場所です」

 真壁は名刺を見た。

 海禍の木札は玄関ホール。

 全員に見せる場所。

 火禍の名刺は使用人動線。

 館の内側の人間に見せる場所。

 置かれた場所が違う。

 つまり、見せたい相手が違う。

 黒羽は、名刺を見たまま青ざめていた。

 さっきまでの苛立ちは消えている。代わりに、別の恐怖が見えた。

 予告されたからではない。

 火禍という言葉に、自分が結びつけられたことを恐れている。

「黒羽さん」

 真壁が言った。

「二十一年前の火禍について、何か知っていますか」

「知るわけがない」

「火野千景さんの死については」

「資料で読んだだけだ」

 朱里が廊下の向こうに立っていた。

「本当に?」

 黒羽は振り返る。

「何が言いたい」

「母の資料を、あなたは見たはずです」

「開発責任者として必要な範囲でな」

「母の顔が焼けていたことも」

「火野さん」

 黒羽は声を低くした。

「こんな時に感情で話すのはやめてもらいたい」

「感情で話しているのは、私ではありません」

 朱里の声は静かだった。

「あなたは、怖がっている」

 黒羽の顔が歪んだ。

「黙れ」

 二階堂が二人の間に入った。

「その辺で。今、誰かに“火禍の黒羽”という名前を置かれようとしているのは事実です。黒羽さんを守るためにも、話せることは話した方がいい」

「私を守る?」

「ええ」

 二階堂は微笑んだ。

「名前を置かれた人間は、次に死体を置かれるかもしれない」

 黒羽は、初めて黙った。

 真壁は、廊下の奥を見た。

 旧祠へ続く渡り廊下は、薄暗い。

 壁には古い燭台風の照明が並んでいる。床板は黒く、ところどころ白い貝殻片のようなものが落ちている。潮風がどこからか入り込み、廊下の奥から冷たい空気が流れてくる。

 鳳が、床を見ながら言った。

「この廊下も、床線が合いません」

「またか」

 二階堂が呟く。

「旧祠へ向かって、わずかに下がっています。外から見た時の屋根の高さと合わない」

「つまり」

「床下に空間があるか、後から床を上げている」

 九条が名刺の横の床を見た。

「水滴がある」

「水?」

「港と同じ匂いがする」

 真壁は屈んだ。

 たしかに、焦げた名刺の近くに小さな水滴が二つある。廊下は乾いている。誰かが濡れた靴で歩いたなら、足跡が続くはずだ。だが水滴は、名刺の近くにだけ落ちていた。

「名刺を置いたものに水がついていた?」

「あるいは、名刺を置いた人間の手が濡れていた」

 九条は淡々と言う。

「港から来たかもしれない」

 佐伯が言った。

「だが、港から戻った人間は全員玄関を通っています。廊下奥へ行くには」

「裏動線があるなら別です」

 鳳が言った。

 真壁は、改めて館を見た。

 七禍館は広い。

 広いだけではない。

 見えている廊下と、見えていない道がある。

 誰かがそこを通っている。

 海禍の木札。

 火禍の名刺。

 港の水。

 煤を含んだ墨。

 館の裏動線。

 七つの灯。

 それらは、まだ一つの形にはならない。

 だが、確実に同じ人間の手触りがあった。

 犯人は、ただ殺したいのではない。

 見せたい。

 それも、特定の角度から。

 特定の順番で。

「鳳さん」

 真壁が言った。

「この館の見取り図、今ある範囲で作れるか」

「完全ではありませんが、概略なら」

「どこが表で、どこが裏か。客が通る道と、管理者が通る道を分けてくれ」

「わかりました」

「二階堂」

「はいはい」

「全員の証言を取る。港で何を見たか、じゃない。何を最初に聞いたかもだ」

 二階堂の目が少し光った。

「いいね。人は見たことより、最初に聞いた言葉に引っ張られるから」

「九条」

「名刺はまだ触らない。焦げ方、水滴、匂いを記録する」

「頼む」

 真壁は黒羽を見た。

「黒羽さん。あなたは一人にならないでください」

「警護のつもりか」

「はい」

「私は子どもではない」

「死者になってからでは遅い」

 黒羽は顔をしかめた。

 その時、古賀清澄が低く笑った。

「火は、顔を奪う」

 全員が古賀を見た。

 老人は、焦げた名刺を見つめている。

「二十一年前もそうだった。顔がなくなれば、人は名前で呼ぶしかない。名前が間違っていても、誰も気づかない」

 鳳が一歩、古賀に近づいた。

「今、何と言いましたか」

 古賀は鳳を見た。

「何も」

「顔がなくなれば、名前が間違っていても誰も気づかない。そう言いました」

「年寄りの戯言だ」

「二十一年前、顔を失った死者がいた」

「火野千景だ」

「本当に?」

 鳳の声は静かだった。

 古賀の目が揺れた。

 朱里が、息を止めたように見えた。

 真壁は、そこで割って入った。

「鳳さん」

 鳳は真壁を見た。

「すみません」

「謝る前に下がれ」

「はい」

 鳳は下がった。

 だが、真壁はわかっていた。

 鳳はもう、見つけている。

 火禍は、顔を奪う。

 顔を奪えば、死者は名前でしか確認できなくなる。

 そして名前は、人が置ける。

 海禍と同じだ。

 死体より先に、名前が走る。

 顔がない死体に、誰かが名前を与える。

 与えられた名前が間違っていても、島がそれを信じれば、その人間はその名で死ぬ。

 鳳悠一も、そうだったのか。

 いや、まだ早い。

 真壁は自分に言い聞かせた。

 名前を置くな。

 自分たちが、犯人と同じことをしてはいけない。

 廊下の奥で、風が鳴った。

 七禍館のどこかを、海風が抜けている。

 低く、細く、誰かの息のような音。

 鳳が顔を上げた。

「風洞回廊です」

「何が」

「今の音。風洞回廊を通った風が、旧祠の方へ抜けています」

「回廊同士がつながっているのか」

「直接ではないはずです。でも、音が回っている」

 二階堂が天井を見た。

「音も回る。風も回る。人も回る。嫌な館だね」

「設計としては、非常に興味深いです」

「今それ言う?」

「すみません」

 鳳は本当に申し訳なさそうに言った。

 その時、管理室から若い刑事が走ってきた。

「佐伯さん、見つかりました」

「何が」

「シンクの下から、筆が。太い筆です。黒く汚れています」

 ホールの全員が静まり返った。

 佐伯が真壁を見る。

 真壁は頷いた。

「写真を撮って、押収。誰の指紋があるか確認」

「はい」

 二階堂が、鷺宮の方を見た。

「管理室の筆ですね」

 鷺宮の顔が青ざめる。

「私は知りません」

「責めてません。管理室にあったなら、管理室へ入れた人間が使った可能性がある」

「管理室は、鍵が」

「今夜、鍵は誰が?」

 鷺宮は答えようとして、口を閉じた。

 黒羽が苛立ったように言う。

「管理室の鍵は、鷺宮が持っている。私も予備を持っている。灯村もだ」

 二階堂が言った。

「灯村さんの名前が書かれた木札を書くための筆が、灯村さんも入れる管理室から出てきた。出来すぎてますね」

「何が言いたい」

「犯人は、灯村さんに罪をかぶせる気もあるのかもしれない」

 古賀が怒鳴った。

「灯村がそんなことをするものか」

「なぜ言い切れるんです」

「灯村は……」

 古賀はそこで言葉を止めた。

「灯村は?」

 真壁が促す。

 古賀は苦しそうに顔を背けた。

「この島から、逃げなかった男だ」

 その言葉は、奇妙だった。

 逃げなかった男。

 まるで、逃げた者がいたような言い方。

 鳳が静かに訊いた。

「二十一年前、誰かが逃げたんですか」

 古賀は答えない。

 朱里が目を伏せる。

 鷺宮の手が震える。

 黒羽だけが、苛立ったように腕時計を見ている。

 久世玲央は、カメラバッグの紐を握っていた。撮影したいのを我慢している顔だった。

 二階堂は久世を見た。

「久世さん」

「はい」

「今、撮ってませんよね」

「撮っていません」

「録音は?」

 久世の表情が固まった。

「していません」

 二階堂は笑った。

「あとで確認します」

 真壁は、全員の顔を一人ずつ見た。

 この館には、何かがある。

 誰かがそれを隠している。

 誰かがそれを暴こうとしている。

 そして、おそらく同じ人間が、暴くために新しい事件を起こしている。

 七禍を壊すために、七禍をなぞっている。

 それはまだ仮説にすぎない。

 だが、港で見た船の炎、玄関の木札、廊下の焦げた名刺は、すべて同じ方向へ向かっていた。

 次は火禍。

 顔を奪う。

 黒羽宗一郎は、まだ生きている。

 だからこそ、危ない。

 真壁は言った。

「今夜は全員、食堂に集まってください。単独行動は禁止です。部屋に戻る場合も、必ず警察官を同行させます」

 黒羽が反発しかけたが、真壁は先に言った。

「これは任意のお願いではありません。人命保護のためです」

「私は命令される立場ではない」

「では、命令ではなく警告です。あなたの名刺に火禍の文言が添えられた。次に危ないのはあなたです」

 黒羽は黙った。

 沈黙は承諾ではない。

 だが、今はそれで十分だった。

 食堂へ向かう途中、鳳が真壁の横に来た。

「真壁さん」

「何だ」

「血禍の間の位置を確認したい」

「今はだめだ」

「ですが」

「だめだ」

 真壁は止まらずに言った。

「あなたは、自分が危ないことを忘れるな」

「僕が?」

「兄の名前を追ってる。犯人がそれを使わないと思うか」

 鳳は黙った。

 真壁は続けた。

「鳳悠一の名前を使って、お前を動かす。今夜の木札と同じだ。名前を置けば、人は動く」

 鳳は、少しだけ目を伏せた。

「動いてしまいますね」

「自覚があるなら止まれ」

「難しいです」

「だろうな」

 真壁は溜息をついた。

「だから俺が止める」

 鳳は、ほんの少しだけ笑った。

「真壁さんは、苦労しますね」

「あんたらのせいだ」

「ら?」

「九条も含む」

 少し前を歩いていた九条が振り返った。

「俺は何もしてない」

 二階堂がすかさず言う。

「今の返しがもうしてる側なんだよね」

「意味がわからない」

「わからなくていいよ。真壁がわかってるから」

「俺に投げるな」

 短いやり取りだった。

 だが、その一瞬だけ、館の空気がわずかに人間のものに戻った。

 食堂は二階にあった。

 大きな長卓が置かれ、壁には古い写真が飾られている。七禍館の昔の姿。祭礼の様子。海側から見た灯。古い集合写真。どの写真も、どこか見せ方が整いすぎていた。

 鳳は壁の写真の前で足を止めた。

「これ」

「何だ」

 真壁が近づく。

 鳳は一枚の古い写真を見ていた。

 夜の七禍館。

 海から撮影された写真だ。

 暗い海の上に、館の灯が浮かんでいる。

 七つ。

 写真では、確かに七つに見えた。

 鳳はしばらく黙っていた。

「加工されています」

「写真が?」

「おそらく。少なくとも、灯の一つは反射です。実際の窓ではない」

 二階堂が横から覗き込む。

「つまり、昔から七つに見せてた?」

「はい」

「二十一年前より前から?」

 鳳は写真の隅を見た。

 撮影年が、古い筆文字で記されている。

 昭和四十年代。

 二十一年前どころではない。

「この館は、ずっと七つに見えるように作られてきた」

 鳳は言った。

「でも、実際に七つだったとは限らない」

 九条が低く言う。

「死者も同じ」

 誰も笑わなかった。

 食堂に全員が集まる。

 窓の外には、海が見えた。

 黒い。

 何も映さないようで、館の灯だけを揺らしている。

 真壁は窓辺に立った。

 港の火はもう見えない。

 だが焦げた匂いは、まだ館の中まで届いている。

 木札。

 名刺。

 七つの灯。

 水路。

 筆。

 火禍の予告。

 犯人は、この館の構造を知っている。

 そして、この島の言葉の構造も知っている。

 それが誰なのか。

 まだ見えない。

 だが、次の名前が置かれる前に止めなければならない。

 長卓の向こうで、黒羽宗一郎がスマホを操作していた。圏外の表示を見て、苛立ったように画面を伏せる。

 火野朱里は、窓の外を見ている。

 古賀清澄は、古い写真から目を逸らしている。

 鷺宮依子は、水の入ったグラスを並べながら、指先を震わせている。

 久世玲央は、カメラバッグから手を離さない。

 鳳恭介は、七つの灯の写真を見たまま動かない。

 二階堂が真壁の横に来た。

「ねえ、真壁」

「何だ」

「犯人、殺したいだけじゃないね」

「ああ」

「これ、発表してる」

「何を」

「自分の解釈」

 二階堂の声は低かった。

「七禍島事件はこう読むべきだって、俺たちに発表してる。木札も名刺も、ただの脅しじゃない。見出しとリード文だ」

 真壁は窓の外を見た。

「次は本文か」

「たぶんね」

 その時、食堂の照明が一瞬だけ揺れた。

 全員が顔を上げる。

 風の音が、館の奥から低く響く。

 そして、館内放送のスピーカーが、ざらりとノイズを吐いた。

 誰も触れていないはずの放送設備。

 管理室にあるマイク。

 そこから、かすれた音が流れる。

 最初は風かと思った。

 次に、誰かの息遣いのように聞こえた。

 それから、低い声が一言だけ告げた。

「二つ」

 食堂の空気が凍った。

「火は、顔を奪う」

 声はそこで途切れた。

 真壁は椅子を蹴るようにして立った。

「管理室!」

 佐伯が走る。

 真壁も続いた。

 廊下を抜け、階段を下り、管理室へ駆け込む。

 マイクは机の上に置かれたままだった。

 誰もいない。

 放送設備のランプだけが、赤く点いている。

 九条が追いつき、周囲を見た。

「誰もいない」

 二階堂が放送装置のスイッチを確認する。

「タイマー?」

 鳳が壁の古い配線を見た。

「違います」

「じゃあ何」

 鳳は、管理室の天井を見上げた。

「この放送設備、館内の音響管とつながっているかもしれません。外部から音を入れられる」

「外部?」

「壁の中です」

 その瞬間、食堂の方から悲鳴が上がった。

 今度は一つではない。

 複数の声だった。

 真壁は来た道を駆け戻った。

 階段を上がる。

 食堂の扉が開いている。

 中で、誰かが倒れているわけではなかった。

 全員が、窓の外を見ていた。

 海側の旧祠。

 七禍館から渡り廊下でつながる小さな建物。

 その奥の窓が、赤く光っていた。

 炎ではない。

 小さな、ゆらゆらとした火。

 燭台の火のような光。

 その窓に、人影が映っていた。

 顔のない人影。

 頭部だけが黒く焼け落ちたように見える影。

 黒羽宗一郎が、真壁の後ろで掠れた声を出した。

「何だ、あれは」

 誰も答えなかった。

 影は動かない。

 ただ、旧祠の窓の向こうに立っている。

 二つ、火は顔を奪う。

 さっきの放送の声が、真壁の耳の奥に残っていた。

 鳳が窓へ近づいた。

「真壁さん」

「何だ」

「旧祠の窓は、外から見るより奥行きが浅いはずです」

「つまり?」

「人間が立てるほどの奥行きは、ないかもしれません」

 二階堂が低く言った。

「じゃあ、あれは人じゃない?」

 九条が窓の外を見たまま答えた。

「まだ名前を置くな」

 真壁は頷いた。

 だが、館の全員がもう見ていた。

 旧祠の窓に浮かぶ、顔のない影を。

 火禍はまだ起きていない。

 しかし犯人は、すでに次の見出しを掲げていた。


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