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魔力使いのまったり冒険者クライド  作者: 大野半兵衛


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第97話 王都で

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 第97話 王都で

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 家でゆっくり3日過ごした俺は、王都に飛んだ。

 夜、日が昇る前に出れば、日が昇る頃に王都に到着する。

 ダイヤドラゴンとの戦いを生き残った俺は、以前より体が軽い。

 肉体が滅びかけるほどの戦いで、何度も体を再構築したからなのか。

 理由はそれくらいしか思いつかない。


 王都の門をくぐり、王都本部へと向かう。

 自動車で横づけし、降りてからアイテムボックスに収納。

 王都本部に入り、カウンターに冒険者証を見せる。


「クライドです。SSSランク昇格試験の件で本部長に会いたいのですが、取り次いでもらえますか」

「あちらにおかけになりまして、少々お待ちください」


 フロアの真ん中に置かれている長椅子に座る。

 そういえば、プリママが一緒にいた時は待たされることなかったな。

 まあ、プリママはズカズカ上がり込んでいくからなー。


 長椅子で待ちつつ、人間観察をするか。

 さすがは王都本部なだけある。高ランクっぽい冒険者と身なりのいい商人や貴族の執事っぽい人が多い。


「お待たせしました。本部長がお会いになりますので、こちらへ」


 受付嬢についていき、本部長室に入った。


「おお、クライド君。久しぶりだね」

「はい、お久しぶりです」

「さっそくだけど、SSSランクの昇格試験のことだって? もう、討伐できたのかな?」

「はい。ダイヤドラゴンを討伐しました」

「それじゃあ、確認したいので見せてもらえるかな」

「見せるのは構いませんが、大きいため出せる場所が限られます」

「ほう、そんなに大きいのかね?」

「ええ、200mくらいですから」

「はへ?」

「200mです」

「に、200、メー、トル?」

「はい、200mです」

「ダイヤドラゴンって、そんなに大きかったっけ?」

「さあ、俺が発見したのは、200mです」

「そ、そうか……200mでは簡単に見せてもらうわけにはいないね。とはいえ、王城に報告する前にしっかり確認をしたいところだね。王城に納品したら実は違いました、では困るから。ああ、クライド君を信用してないのではないんだ。それを確認するのが儂らの仕事なのだよ」

「分かってます。ですから、広い場所を用意してくださればすぐにでもお見せします」

「うむ。では少し時間をもらおうか。明日、この時間くらいにまたきてくれるかな。場所を用意しておくから」

「分かりました」


 そんなわけで、今日は店じまい。

 王都の市場でも回って野菜などの補給をしておこうかな。

 ああ、そうだ。以前作った貴族系の服を直してもらおう。


 以前の店にいって服を直してもらおうと頼んだら、俺が成長しすぎて直せない部分があるらしい。

 困った。

 まあ、あまり使うことがないので、できる限りといいうことで頼んだ。


 それと新しい服を頼んでおいた。

 SSSランクになることだし、多分必要になるだろう。


 その後は市場を回り、野菜の補充をする。




 翌日、定められた時間に王都本部を訪れた。

 話が受付に通っていたようで、すぐに本部長室に通された。


「おお、待っておったぞ。さっそくじゃが、いくとするかの」


 王都本部の裏に自動車があった。

 キースさんが運転手ですか。

 俺のSランク昇格試験の時に同行した職員だ。


 本部長と共に自動車に乗り、移動する。

 王都を出て草原に出る。

 まあ、こうなるわな。


「ここなら200mも問題ないじゃろ。出してもらえるかの」

「はい」


 アイテムボックスからポン。ドンッ。

 本部長とキースさんの顎が外れそうだ。


「で、デカいのぅ」

「ええ、狩るのに苦労しましたよ、本部長」

「そ、そうか……キース君。確認を」

「こ、こんなのを狩ったのですか……」


 キースさんはブツブツ言っている。目に光がない。


「キース君!」

「え、あ、はい」

「確認を」

「はい!」


 どうやらキースさんがダイヤドラゴンの確認をするようだ。

 彼はルーペのようなものを取り出し、あっちこっちを角度を変え見ていく。


「これはダイヤドラゴンです。しかも異常個体です」

「ほう、SSSランクの異常個体じゃったか。よくこんなものを狩れたものよのう。ホホホ」


 本部長は呑気に笑っているけど、俺は命がけだったんだからね。


「異常個体でもダイヤドラゴンは、ダイヤドラゴンじゃ。これであれば、誰も文句は言わぬであろう。すぐに王城に報告をするとしよう」


 その日は、服の直しを受け取った。

 そして2日後、同じ草原で宰相とメッサーラ子爵、護衛多数と本部長たちギルド側多数の立ち合いの元、ダイヤドラゴンの見分が行われることになった。


「久しいの、クライド・アアメンターよ」

「お久しぶりです、宰相閣下。メッサーラ子爵もお元気そうで何よりです」


 簡単に挨拶をする。

 そこに顔にクロス状の傷痕がある騎士が近づいてくる。

 随分貫禄がある騎士だ。

 スカーと名づけてやろう。


「貴殿がクライドか。随分若いの」


 声が渋いな。


「はい。クライドです」

「儂はグレゴリー・ルドルフ。騎士団長をしておる」


 ほう、騎士団長さんなんだ。

 で、何か用ですか。


「今日はSSSランクのダイヤドラゴンを拝めると聞いてやってきた。楽しみにしているぞ」

「ご期待に沿えるかは分かりませんが、ダイヤドラゴンは持ってきました。ゆっくりと見分ください」

「グレゴリー殿。クライド殿に戦いを挑むでないぞ」

「む……分かっている」


 何それ、怖いんですけど。

 どこの戦闘民族ですか。


「では、さっそくダイヤドラゴンを見せてもらおうか」

「大容量のアイテムボックスはお持ちですか?」

「クライドが発見した遺跡から得たものを持ってきておる」


 それなら問題ないだろう。

 あの遺跡Bでは大容量というか、容量無限アイテムボックスが複数発見されているからな。


 さて、出しかすか。

 シュポッ。ドンッ。

 あんぐり。

 静寂。

 風が草を揺らす音しか聞こえない。


「ゴホンッ」


 本部長がニヤニヤしながら咳払いをして、静寂を打ち破る。


「これは素晴らしいぞ!」


 叫んだのは騎士団長だ。

 ゴキブリみたい動きでダイヤドラゴンを触りまくる。

 キャラが違いませんかね、騎士団長。

 あの顔と渋い声で、このキャラはギャップすぎますよ。


 城の連中がくまなく確認している間、俺は本部長と共にお茶でもしておこうか。


ご愛読ありがとうございます。

これからも本作品をよろしくお願いします。


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