第90話 まったりしたいのにね
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第90話 まったりしたいのにね
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ホルトンの屋敷に入ると、すぐに全員の部屋割りをする。さすがに8世帯29人を収容すると狭くなった。
庭が広いので、長屋を建ててもいいかな。家のことは好きにしていいとプリママから言質をもらっているから、マジで長屋を建てようかな。
あと、8人の給料は年間で64,000,000Gになるそうだ。爺やもそうだが、3人の騎士の給料が大きい。もちろん、値切ることはしないよ。
どうせ増えていくばかりのお金なんだから、むしろどんどん使ってほしい。
騎士が3人もいるので、家の警備をしてもらおう。プリママの名前があるので、誰も盗みに入ろうとは思わないだろうが、これからは女子供も住むからしっかりと家を守ってもらおう。
「爺や、皆の給料となんやかんや必要になるだろうから、アイテムボックスとお金を預けておく」
2億Gが入ったアイテムボックスを渡す。このアイテムボックスは遺跡Bで入手したブレスレット型のもので、容量は100t、時間経過完全停止仕様だ。
時間経過完全停止がついたアイテムボックスは貴重なので、これ1つで100億Gは下らないと聞いている。
何気に現金より価値があるブレスレットだよ。
「このような貴重なものを!?」
「他にも持っているから、問題ないよ」
「左様にございますか……」
「お金が足りなくなったら言ってくれ」
「承知いたしました」
「それと、使用人用の長屋を建ててくれ。どこに建てても構わないから、そこら辺の手配を頼む。ああ、急がなくても、おいおいでいいからな」
「はい。承知いたしました」
「最後に、2、3日したら俺は出かける。帰りはいつになるか分からない。明日は皆の身分証を作るため、役所にいくからついてきてくれるか」
「承知しました」
冒険者だと、冒険者ギルドが身分証を発行しているが、今のコールギウスたちは身分がない状態だ。そこでこのホルトンの市民権を得る手続きをする。
翌日、とても対応がいい役人のおかげで、我が家の使用人と家族の身分証が手に入った。
これで使用人たちの懸念はない。あるとしたら、このホルトンに慣れることができるかどうかだ。
そう思いながら家に帰ると、エントランスがピカピカになっていた。
「お帰りなさいませ、クライド様」
「なんかすごく綺麗になっているんだけど?」
「少し汚れが目立ちましたので、掃除をしました。まだ掃除を始めたばかりですので一階の途中ですが、二階、三階も数日のうちには」
本業の人たちが掃除すると、ここまで綺麗になるのか。見違えてしまったよ。
でも、メイドが2人だけなのに、そこまでできるのか? ああ、騎士たちも、それに子供たちがも手伝いをしているのか。皆働き者だな。
「爺や、この家の主は俺じゃなく、俺の養母であるプリダリ・アアメンターだ」
「承知しております」
「では、プリダリ・アアメンターの噂はしっているか?」
「はい。存じております」
「あの人は細かいことにとやかく言わないが、風呂と酒の用意だけは欠かさないようにな」
「承知いたしました」
「あと、風呂上りに裸で出てくるから、子供たちの教育上よくない。爺やが目を光らせておいてくれ」
「承知いたしました」
「ほかに【ポリテンクス】の3人もここに住んでいる。今は王都でSランクの昇格試験を受けているから、何もなければそのうち帰ってくるだろう。3人については、住人と思えばいい」
「承知いたしました」
あとは何を言えばいいかな? 思いついた時に言えばいいか。
そうだ! 風呂にマジックアイテムを設置しておかないとな。これをしておかないと、お湯を張ることができない。
遺跡Bで発見したお湯を出すマジックアイテムを、風呂に設置した。
これは水晶のようなものに触ると、お湯が出る。その際に水晶のようなものが魔力を吸い取っていくが、ほとんど魔力がない人でも使える省エネ仕様なので、誰でもお湯を出すことができる。
「これでよし」
気分が悪くなるようなら、手を離せとだけ皆に注意しておく。魔力の枯渇は命に係わるからね。
お湯が出ることをちゃんと確認し、俺はリビングで本を読む。遺跡Aで発見したものだ。
一応、プリママと【ポリテンクス】の皆が帰ってくるまではここにいようと思う。あまり遅かったら、エルさんにどうなっているか確認すればいい。
それまではまったりと本を読んで過ごそう。
そう思っていたんだが、そこに来客があった。
「クライド様、冒険者ギルドのエルグラッフェ・ダーベン様がお越しになりましたが、いかが致しましょうか?」
アポなしの来客だが、それがエルさんだと重大なことなのかもしれない。
俺はまったりしたいのに……。
「応接室にお通しして」
「承知いたしました」
はてさて、エルさんはどんな要件でうちにやってきたのだろうか? 面倒くさいことでなければいいのだけど。
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