第89話 SSSランクモンスターを狩れ
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第89話 SSSランクモンスターを狩れ
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メッサーラ子爵邸でもう1泊させてもらい、冒険者ギルドに向かった。
「よう、クライド」
「おはようございます。ママ」
「お前のSSSランク昇格試験が決まったぞ」
「なんかすでに国王の承認まで取ったらしいですね」
「こういうものは、速やかに処理しないとな!」
すぐに本部長の部屋に向かった。なぜプリママが我が物顔なのだろうか?
まあ、プリママだからだな。そんな言葉で片づくことが、この人のすごいところだ。
「SSSランク昇格試験は、SSSランクモンスターの討伐をもって合否を確認することになる」
プリママが話を進める件について……。今さらか。
「それで、どんなモンスターを狩ればいいのですか?」
「ダイヤドラゴンを知っているか」
「はい。ダイヤモンドのような光り輝く鱗を持つドラゴンですね。たしかSSSランク上位だったかと」
「その通り」
「ダイヤドラゴンを狩れと?」
「そういうこと」
「ダイヤドラゴンの棲み処は分かっているのですか?」
それが分からないと、狩ろうにもね。
「アルファン高地にいるわよ」
「今回も確認の職員が同行するのですか?」
「いや、さすがにSSSランクモンスターと戦う場所に誰かをいかせるわけにいかないから、クライド1人でいき、ダイヤドラゴンを倒し、最低でもその首を持ち帰る。それで、SSSランク昇格よ」
それもそうか。最高に危険な場所だから、下手に人を送れないわな。
そしてダイヤモンドドラゴンは、マジックバッグに入らない可能性があると。だから最低でも首だけを持ち帰るんだね。
「分かりました。あ、そうだ。話は変りますけど、ホルトンの家を管理する人を雇おうと思うんですけど、いいですよね?」
「好きにしていいわよ」
家のことにはまったく無頓着だから、そう言ってくれると思ってましたよ。
「ところで、【ポリテンクス】の3人はどうしてますか?」
「あの子たちなら、レッサーフェンリルを狩りにいったわ」
「もうSランク冒険者も揃ったのですね」
「元々王都常駐のパーティーがいるからね」
そういえば、俺の時はグランベルさんたちがたまたま不在にしていたんだった。
冒険者ギルドを出ると、再びメッサーラ子爵の屋敷へ向かった。
エアバイクで飛ばしたいところだけど、エアカーで乗りつける。
老執事に案内され、少し広い部屋に通される。そこには俺を待つ人たちがすでにいた。
「爺や、皆、久しぶりだな」
ベルデナーグ伯爵家で働いていた、コールギウスたち8人だ。
ちなみに爺やというのは、コールギウスのことだ。クライド君は、彼を爺やと呼んでいて懐いていたんだよ。
「お久しぶりにございます。クライドフェールン様」
「爺や、今の俺はクライドだ」
「左様にございましたな。立派になられ、爺は嬉しゅうございます。クライド様」
そう? 立派になった? フフフ。そう言われると、悪い気はしないよ。
「俺はプリダリ・アアメンターの養子になり、今はホルトンで暮らしている。あそこは魔境に挟まれたクロディア回廊内にある都市で、危険な場所になる。それでも俺に仕えてくれるか?」
「はい、クライド様にお仕えしたく存じます」
他の7人も同じように仕えたいと言ってくれた。そこまで言われたら、俺も男だ。彼らの面倒はしっかり見るつもりだ。
「分かった。今から皆の身は俺が預かる」
「「「ありがとうございます!」」」
8人の家族は合計で21人、結構な大所帯だ。
まあ、ホルトンの家は空き部屋も多いし、問題ないだろう。ダメなら、別に家を購入してもいい。お金なら腐るほどあるし、まだ遺跡Bから得たお宝や遺物が大量にある。
「メッサーラ子爵によろしくお伝えください」
「承知いたしました」
老執事に丁寧に礼を言い、メッサーラ子爵邸をあとにする。俺を入れて合計で30人もの移動なので、バスタイプのエアカーをアイテムボックスから出す。
運転方法は自動車とほとんど変わらないので、伯爵家で運転手をしていたボリスに運転をしてもらう。
さすがにこんな大きな自動車は運転したことがないと戦々恐々と操作していたが、そもそもこの大型エアカーは障害物を検知して止まったり、旋回をアシストするサイドモニターなど、色々な安全装置がついているから滅多なことでは事故をしない。
そしてエアカーなので乗り心地がいい。
広い車内でキャッキャとはしゃぐ子供たち。
お母さんたちが静かにさせようとしているが、子供はそう簡単に言うことはきかない。
「すみません、クライド様」
「俺は気にしてないから、大丈夫だ。それに、子供というのは元気なほうがいい。だけど、ちゃんと席に座らせてくれ。急にブレーキをかけたりすると、危ないからな」
「はい」
子供は元気が一番だと、俺は思う。
「旦那様。ホルトンの屋敷はどのような感じなのでしょうか」
「旦那様って……今まで通り名前で頼むよ、爺や」
「承知いたしました。クライド様」
「ホルトンの屋敷は、少し古いかな。伯爵家ほどではないけどそれなりに広いよ。部屋数は20はあるかな。あと庭も広いから管理のし甲斐はあると思うぞ」
「それは楽しみにございます」
「ああ、そうだ。給料のことは分からないから、後から爺やのも含めて、皆のを教えてくれ」
「感謝いたします」
途中、1泊して俺たちはホルトンの町に到着した。
プリママは3人の昇格試験の結果を見届けてから戻ってくるし、3人はSランクに昇格したらどうするかは未定だ。
できれば、このホルトンに戻ってきて、プリママの面倒を見てくれると俺への被害がなくていいのだが。
ま、どのようになっても、Sランクといえば一人前の冒険者だし、油断さえしなければやっていけるだろう。
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