第81話 遺跡調査を始める
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第81話 遺跡調査を始める
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地上にベースキャンプを築いた。アリス君が修業として作った土の壁と、その内側に複数のドームがある。
恐らくSSSランクのモンスターでも壊せない壁とドームだ。でも、プリママが撫でただけで壊れる。撫でただけというのは冗談だけど、マジであの人は人間じゃない。
とりあえず、空からの攻撃以外は、そこまで心配しなくていい状態になっている。
さて、ここからが本番だ。
地上にはSSランクの【雷神の鉄槌】か【破壊の巨人】のどちらかが残ることになり、ベースキャンプを守る。
「これから地下都市へ降りますが、まずはこれを見てください」
アイテムボックスに収納してあったボックスを取り出す。
「これはこの遺跡の中にいたものです。こんな小さな体をしていますが、こいつの攻撃力はバカにできません。おそらく、昨日までのアリス君のドームだと貫通する攻撃をしてきます」
「あのドームを貫通する攻撃かよ?」
拳を骨折したグランベルさんが、嫌そうな顔をしてきた。
「はい。小さな金属の弾を高速で射出してきます。しかも雨のように大量に。俺の体感では、ファイアドラゴンより強いです」
「ファイアドラゴンと戦ったの、クライドは?」
「ええ、戦いました。お見せしましょうか?」
「ファイアドラゴンを持っているのか!?」
「はい、持ってますよ」
「「「見せてくれ!」」」
ファイアドラゴンは大きいから、ベースキャンプの外に出した。
「「「おおお!」」」
「随分綺麗な死体だな。どうやって倒したんだ?」
「そこは秘密ということで」
「まったくお前は……だが、これでお前はドラゴンスレイヤーだな!」
グランベルさんが背中を叩いてくる。めちゃくそ痛いんで、そっと扱ってもらえませんかね。壊れ物なんですよ、俺。
「「師匠すごい」」
「さすがは師匠です!」
ツキオス君とレットン君はハモった。アリス君はなぜかドヤ顔だ。
「てか、こんなバカでかいヤツをよく入れておけるな、お前のマジックバッグ」
「容量はそこそこ多いですよ、グランベルさん」
「まったく……まあいい。こいつはしまっておけ。鱗1枚でも結構な金額になるからな」
ファイアドラゴンをしまい、説明に戻る。
「そんなわけで、これはめちゃくちゃ強いと思ってください。発見したら戦闘行為は避け、撤退してください。こんなところで、取り返しのつかない怪我をしたら、それこそ命の危機ですからね」
骨折くらいなら一時的に戦線離脱する程度で問題ないが、腕を失ったらそうはいかない。
最悪は俺が再生させるけど、さすがにそれはしたくないんだよね。俺の切り札だから。
「あんたたち、聞いた通りだ。無理をせず、報告を優先しろ」
「「「はい!」」」
プリママが言うと、引き締まるね。でも、プリママが一番に突撃するでしょ? 俺にはその未来が見えるよ。
「お宝の取り分は、事前の取り決め通り。遺物も同じだ。質問はあるか?」
お宝も遺物も俺が4割、冒険者ギルドが2割、残りの4割を冒険者4パーティーと、学者組で5等分する。
ギルマスのプリママとサブマスのトルテンの報酬は、冒険者ギルド分の中に含まれている。
遺物というのは、古代文明が作った自動車のようなものだ。あのボックスも遺物といえるものだが、稼働しているヤツを壊さず回収するのは難しいだろうな。
ほとんど全員がマジックバッグを持っているので、ちょろまかそうと思えばできる。だけど、ちょろまかしたことが後で分かったら、暴力の権化であるプリママが大暴れする。
ほしいものがあっても、素直に出して、分配の際で交渉すればいいことだ。
「それじゃあ、降りますね。中は真っ暗なので、松明やランタンを忘れずに」
俺が開けた穴を降りる。
前回はライトを使ったが、今回はランタンの頼りない光を頼りに降りていく。といっても、魔力フィールドがあれば問題なく見えるのだけどね。
俺が開けた穴は10mもなく、すぐにエレベーターシャフトに到着。ここでロープを固定し、さらに100mほど降る。
後続もドンドン降りてくるので、横穴を通って地下都市へ至る。
「な……」
「これはまた……」
「うほー」
「壮観じゃな」
「大きい」
グランベルさん、ミルキーさん、ミリアさん、ドゴゴンさん、そしてリンリーリンさんのコメントは、言葉にならない言葉だった。
それからも続々と到着していく人たちから感嘆の声が聞こえた。
「うひょー。こんな綺麗な遺跡は初めてだ!」
学者のパックさんが壊れた。
普段物静かな人が壊れるくらいだ、それほど衝撃的な光景なんだろう。
「いいねぇ、あたしもこんな広大でしっかりと残っている遺跡は初めてだ。腕がなるよ」
野獣のような獰猛な笑みを浮かべるプリママ。
「では、予定通りビル内を調べる班と、地図を作る班に分かれる。2時間おきに連絡をすること! 忘れるんじゃないよ!」
「「「はい」」」
プリママの指示で学者も冒険者も散っていく。
「クライドと【ポリテンクス】はそっちだ」
「了解」
「「「はい」」」
俺たちは建物の中の調査だ。
今回はいいものが発見できるといいんだがな。




