第43話 お宝ゲット
+・+・+・+・+・+
第43話 お宝ゲット
+・+・+・+・+・+
魔力フィールドによれば、扉の向こうにボックスはいない。それどころかお宝が置いてあるじゃあーりませんか!
扉も無理にこじ開けなくても、普通に鍵穴があった。錆びついているようだが、穴さえあれば魔力触手がものを言う。
鍵穴に魔力触手を差し込み、鍵の形に変えて開ける。錆びで動きにくかったが、開錠に成功だ。
「さて、お宝とのご対面だ」
扉を開け、その部屋へと入っていく。図書室よりも小さな部屋だが、30畳くらいはあるか。そんな部屋には金銀財宝が鎮座していた。
「これだよこれ!」
やっぱ遺跡探索したら、これがないとね!
金塊が数百本、さらには金製や銀製の器や、ティアラや宝石まであった。しかも、大量にある。
もちろん全部回収だ。
「ウハハハ。止められまへんなー」
金塊だけで5tを超え、他のものを回収していくと10tも超えた。
そしてひと際大事そうに陳列されている指輪を発見。
「なんの変哲もない金の指輪に見えるけど?」
ティアラや腕輪など、高そうに見えるものが無造作に置いてあったのに、この指輪は大事そうにおいてあった。もしかして結婚指輪? なわけないかー。
「呪いの指輪とか?」
そんなアイテムがあると聞いたことはないけど、下手につけると呪われそうで怖い。
ほかにもいくつか大事そうに置いてある腕輪とかネックレスもあるから、これは別枠で回収しておくか。9-5の肩掛けカバン型のマジックバッグに収納しておく。
「そして、これはなんだろうか?」
金や銀とは違う金属のインゴットが、部屋の隅に置いてある。
「よく分からんが、宝物庫に置いてあるのだ、貴重なもののはずだ!」
もちろん回収。
「グフフフ。余は満足じゃ」
エレベーターの縦穴まで戻り、魔力触手を使って昇っていく。
地上へ出ると、すぐに気球で飛び立つ。
籠の中でアルフィンの焼き鳥の肉を齧り取る。
「美味いねぇー」
お宝をゲットした後の食事は、特にだ。
ホルトンの町まで飛んでいくと何かと問題になりそうなので、ジュブレール大森林の浅いところに降りた。
まだ夕方前だが、今日はここで一夜を明かすことにする。
気分がいいから、今日はSSランクのグリフォンの肉を食おうかな。
その前に解体しないといけないけどさ。
このグリフォンは俺が気球で遺跡を探している時に襲ってきたので、返り討ちにした。
頭部は鷲だけど、胴体はライオンだ。ライオンの肉は美味いのかな?
解体に少し時間はかかったが、首の肉と脇腹の肉を試しにバーベキュースタイルで串に刺して焼いてみる。野菜も串にさし一緒に焼く。
鷲側の首の肉は噛めば噛むほど甘味が口の中に広がる。美味しい。
ライオン側の脇腹の肉は野性味溢れるもので、首肉と甲乙つけがたい美味しさだ。
「モンスターのランクが高いと美味しくなるのかな」
SSSランクの肉はもっと美味しいのかな。SSSランクとなるとドラゴンとかだけど、さすがに滅多に出遭うことないモンスターだ。
食後は風呂に入り、酒を飲み。
「あ~、染みるな~」
食後の風呂というだけで体に悪そうだが、さらに湯につかりながら酒を飲むなんてなんて不健康なのだろうか。
その不健康が心地よいのだけどね。
朝、俺は食事を簡単に済ませると、ホルトンの町に向かって歩いた。
早々に到着し、門を入る。すぐに冒険者ギルドにいき、解体所へと向かう。ジョルゴスさんがいたので、声をかける。
「おう、今日は何を持ってきたんだ?」
「それなりに多いですよ」
「こっちへこい」
作業場にモンスターを出す。飛行型が多いが、これは気球を襲ってきたモンスターを退治したからだ。
「おい、これはグリフォンか? それにアバルガンまで」
アバルガンも飛行型のモンスターでSSランクになるが、気球を襲ってきたわけではない。アバルガンは蝙蝠型で、夜に魔力結界を攻撃してきたので狩った。
「お前、よく無事だったな」
「モンスター相手で苦戦はしませんでしたよ」
苦戦というか、致命傷になりかねない傷を負ったのは、あのボックスだ。あれはモンスターではなく、古代文明の機械というべきものだろう。
「査定するからフードコートで待っていろ」
「それはいいのですが、ちょっと相談があります」
「相談? 俺にか?」
「俺がこのホルトンの町で知っているのは、ジョルゴスさんくらいなのです」
「……査定が終わってから時間を作ろう」
「ありがとうございます」
フードコートで待っていると、ジョルゴスさんがやってきた。残ったエールを一気に喉に流し込む。
「こっちにこい」
会議室のような部屋に案内された。
「先ずは査定表だ」
「ありがとうございます」
合計で28,100,000Gだった。過去一の金額だ。
「で、相談というのは?」
「ジュブレール大森林の中に遺跡があるのは知っていますよね」
「ああ、危険な場所だから、今では誰もいかないがな」
「その遺跡を探索したんです」
「そんな奥までいってきたのか……で、何を発見したんだ?」
「発見したと思いますか?」
「そうじゃなければ、俺に相談なんぞせんだろ?」
「さすがは冒険者ギルドの重役さんですね」
「よせやい。俺なんか重役でもなんでもないぜ」
「解体所の主任といえば、それなりの立場ですよね」
「ふっ。そんなことはどうでもいい。で、何を発見したんだ?」
「財宝です」
「……あの遺跡に財宝があったというのか? 発見されてからすでに50年はたっているが、探索しつくされたとは言い難いが、それでも主だった場所は探索しているはずだ。いったいどこに財宝があったんだ? いや、それは聞かんさ。冒険者が命がけで手に入れた情報だからな。で、どんな財宝を手に入れた」
「金塊」
「………」
「金製、銀製のアイテム」
「………」
「ティアラ」
「見せてみろ」
金塊と金・銀製の器、プラチナっぽいティアラ、そして宝石を数個、机の上に置く。
「ほんの一部です」
「これだけでもひと財産だな……」
「はい。ですからどうやって捌けばいいか、相談したかったのです」
「ギルドではこういったものは扱わんし、貴族に売るしかないだろうな」
「俺は貴族という人種を信じていません」
「それなら、ギルドが間に入ってやろう」
「いいのですか?」
「別に俺がやるわけじゃない。そういったことをやる部署がちゃんとあるんだよ」
「そうなのですか?」
「王都へ向かえ。紹介状を書いてやる」




