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魔力使いのまったり冒険者クライド  作者: 大野半兵衛


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第42話 ボックス退治

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 第42話 ボックス退治

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 ボックスを観察していると、分かったことがある。あいつは魔力をエネルギーにして動いている。

 ただし、あの弾丸はどこにあるのだろうか? 俺に対して発射された弾丸は軽く数百発になる。それだけの弾薬をあの小さな体の中に収納するのは物理的に無理がある。


「つまり、あのボックスはマジックバッグと同じような機能があるということか」


 それはつまり、あとどれほどの弾丸があるのか想像もできないということだ。

 さらにいうと、武器があのマシンガンだけなのかも分からない。


 だが、俺は閃いた。

 魔力をエネルギーにして動いているなら、魔力を抜けばいい。


「俺って天才だな」


 魔力触手を伸ばしてボックスに接触する。


「あれ……隙間がない……?」


 ボックスの魔力をチューチューするには、魔力触手がボックス内に入る必要がある。

 それなのにボックスには、ミリどころかナノレベルの隙間もないのですが?


「おいおい、マジかよ……」


 古代文明はなんつーものを作るんだ。

 エジプトのピラミッドやマチュピチュの石組を築いたヤツらもビックリだな、こりゃー。

 作戦を練り直さないといけないか。だが、糸口はある。

 ボックスが俺に攻撃する時、側面から銃口を出す。そこには隙間があった。が、そのためにはあの弾丸の嵐を受けることになるだろう。


「めっちゃ気が重いんだけど、やらないといけないな」


 魔力結界を強化するにしても、あれ以上はないというほどの強化を行ったのに貫通された。今の俺の最高を貫通したんだよなー、あの弾丸。

 魔力結界を二重に展開することは可能だけど、その分それぞれの強度が落ちることから、下手をするとあっという間に破壊されかねない。

 じゃあ、どうするか……考えろ、俺! 今が脳をフルに動かす時だ。


「あっ!? そうだ、そうだよ! ふふふ、やってやろうじゃないか!」


 あのボックスワンコに目にものを見せてやる。

 スタッと床に降り立つ。左足は違和感なく俺の意志に従い動いてくれる。

 ボックスはまだ反応しない。どうやら俺が図書室にはいらないと、反応しない仕様のようだ。


 魔力結界を図書室内に展開する。強度は最高だ。これ以上ないほどの最強の魔力結界でも数秒しか防げないだろう。だから数秒が俺に与えられた時間だ。だが、それだけの時間があれば、十分だ。

 俺の魔力操作をなめんなよ、ボックス!

 俺は図書室の直前まで足を進めた。まだボックスは反応しない。こっから魔法攻撃をしても無理だろうな……。

 ボディに隙間がまったくない技術力を考えると、ボックスのボディ強度を貫通できる魔法を使ったら、この地下が崩落することだろう。


「さて、やるか!」


 気合いを入れて一歩踏み込む。

 ボックスがそれに反応してあの意味不明な言語を発する。


「degurabekuiderugouto」

「なめんなボケ」

「appurekkuforugabenuizakorudemu」


 2回目の古代文明の言語。それが終わると、側面が開いた。

 今だ!

 その瞬間、俺はボックス周辺に展開させていた魔力触手を隙間に突っ込んだ。

 やっぱりこいつの中は何もない。いや、あるのだろうが、まるで宇宙空間のように広大な空間が広がっている。

 これは想像の範疇だ。これはただの確認でしかない。


「おりゃーっ!」


 俺は2本目の魔力触手を操り、マシンガンの銃口にスポッと突っ込んだ。

 同時にマシンガンが暴発し、ボックスが吹っ飛んだ。


「ざまあみろ!」


 銃口を塞いでしまえば、暴発すると思っていた。

 暴発だけではボックスは完全に機能停止しない。銃口を出していた部分は少し壊れたが、4つの細い足を器用に使い立ち上がった。

 足を高速で動かして俺に迫り、飛びかかった。魔力結界に阻まれ、地面に落ちる。だが、諦めはしない。


「どうやら飛び道具はマシンガンだけのようだな」


 飛び道具は使わないが、なんとボックスは足を高速回転させて、ドリルのように魔力結界を削り出した。


「おいおい、マジかよ」


 俺は魔力触手でボックスを絡め取ると、宙吊りにした。

 その状態でドリルになった足を魔力触手でグルグル巻きにして折ってみる。

 かなりの力が必要だったが、なんとか折ることができた。いったいこいつはどんな物質でできているのか。

 そしてその足の断面から魔力触手を突っ込む。そこには明らかに魔力があった。その魔力をチューチューして空にすると、ボッスクはやっと機能を停止した。


「まったくとんだ目に遭ったぜ」


 ふーっと額の汗を拭って、マジックバッグに収納する。

 さて、図書室なのだから、値打ちがありそうな本を物色しますかね。

 蔵書はざっと1,000冊を超えているだろう。背表紙の文字はさっぱり分からないが、1冊を手に取ってみて開いてみる。


「うん、さっぱり分からん」


 分かっていたことだが、何が書いてあるのかさっぱりだ。ただし、挿絵どころか写真までついている。そんな絵を見る限りでは、植物の辞書か何かかのようだ。

 とりあえず10冊ほど見た目が高そうな本を収納して、図書室を見て回る。


「あ、花瓶があるじゃん。こっちのほうが価値があるかもな」


 何せ古代文明時代の花瓶だ。価値は計り知れないだろう。回収っと。


「ん? 扉がある……またあいつが出てくるのかな?」



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