第40話 広大なんだよ!
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第40話 広大なんだよ!
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最近の俺は町に到着しても、野営をしている。
ホルトンの町から出た俺は、ジュブレール大森林の中に入って野営の準備をする。
「さて、今日も風呂に入りますかね!」
穴を掘り、石で固め、温水を入れる。
素っ裸になって飛び込む。
「ああ、気持ちいいなー」
風呂は百薬の長というが、本当だなー。え、何か違う? いいんだよ、風呂は気持ちいいんだから。
ポカポカして温かい。極楽、極楽。
夕食はパルクラスのモモ肉だ。このジュブレール大森林には高ランクモンスターがうようよしており、その中にパルクラスもいるんだよ。
パルクラスの狩り方はすでに確立している。簡単なお仕事だ。
解体も鳥なのだから、アルフィンやライークと大して変わらない。ただ大きくなっただけだ。まあ、大きすぎて羽を毟るのが大変だったけどさ。
「ひとっ風呂のあとの一杯は最高だな! しかも、肴はパルクラスの焼き鳥だからね」
ネギマも美味いし、ボンジリもいい。砂肝なんてコリコリ感が素晴らしいよ。
「そしてこの味噌汁が素晴らしい!」
そう、俺はホルトンの町で味噌を手に入れた! 味噌だけじゃなく醤油と米もだ。
これらは獣人国から入ってきているが、この国ではあまり流通してないそうだ。それでもホルトンの町では、愛好家がいるからそれなりに売れているらしい。
「米はジャポニカ米に似たものだから、炊いたら本当に美味しくて、味噌汁によく合うよねー」
ふー、美味しかった。
今後はホルトンの町を拠点に冒険者活動をしてもいいかもなー。三種の神器(米・醤油・味噌)が手に入るのは大きい。
さて、風呂も入ったし、腹も膨れた。
さて、魔力結界をガシガシ攻撃しているモンスターを排除しますか。
Aランクのアークベア。小山かと思うほどの巨躯で魔力結界を破壊しようとしている。
「グオォォォッ」
真っ赤な炎を吐き出すとか、ちょっと怪獣映画だよ。
もちろん、俺の魔力結界は炎を完全にシャットアウトしてくれる。
「はいはい。もう気が済んだ?」
魔力触手で両手両足をシュッとすると、あら不思議。アークベアの四肢が体から分離したよ。
「グアァァァッ」
断末魔を叫んだアークベアの首もチョンとする。血が大量に噴き出し、シャワーのように魔力結界に降り注いだ。
「うーん、この光景は子供が泣くヤツか?」
ま、子供なんていないから構わないけどね。
それよりも最近は魔力結界に穴を開けなくても、魔力結界から魔力触手を伸ばすことができるようになった。これは大きなことだと思うんだ。
これで守りは完璧だよね?
アークベアの死体を回収し、ベッドに横になり異物排出を行う。最近は老廃物などを毎日1回はこうやって排出している。疲れた時は疲労物質も排出だ。
これをすることでどんな影響があるか分からないけど、体調はすこぶるいいから、悪い方向には向かってないと思う。
ああ、そうだ。ここまでくる間に立ち寄った町で、モンスター解体法という本を購入した。大別された解体法が詳しい説明と共に載っているので、重宝している。
モンスター解体法を読んで、酒をチビリとやる。いい時間の流れを感じるよ。
ジュブレール大森林のどこに遺跡があるか、俺は知らない。だから上空から探索する。
上空から探索なんて、冒険者にあるまじきと思わないではない。醍醐味が半分だと言われても仕方がない。
だけど、あえて言おう。
「ジュブレール大森林はこの国より広いんだぞ!」
滅茶苦茶広大なジュブレール大森林を、歩いて遺跡を探すなんて無理があるだろ。いくらホルトンの町から比較的近いと言われていても、その近さが数百㎞のレベルなんだよ。
そんなわけで籠に乗り込み、気球で上空へと浮かんでいく。
「さすがはジュブレール大森林だ。空に浮いた瞬間に、モンスターがやってきたよ」
縄張りを犯され怒り狂う双頭の鷲、パルクラスが超高速で迫ってくる。
いきなり風の刃を飛ばしてくるあたりは、さすがの凶暴性だ。
魔力触手で網を張る。以前よりも格段に展開速度が速くなった魔力の網は、パルクラスを絡め取った。
「考えたら、以前はパルクラスの動きを目で追うだけでも大変だったけど、今は無意識に目特化の身体強化ができるようになったなー」
拘束したパルクラスは、魔力を吸い取り命を奪う。
この魔力吸収は対モンスター戦において、無傷で倒したい時は非常に重宝している。
アークベアのようにバラバラにする必要は本来はないのだけど、魔力吸収よりもお手軽なんだよね。とはいえ、魔力吸収もそこまで手間ではないけど。
魔力を完全に吸い取ったパルクラスを回収する。30tも入れることができるマジックバッグがあると、気軽にモンスターを狩ることができるよ。
気球で地上を見渡していると、またモンスターがやってきた。今度はブラックワイバーンだ。
竜の亜種と言われているワイバーン系のモンスターで、Sランクに指定されている。
モンスター辞典の情報では、闇魔法を使い、昼でも夜のようにしてしまうらしい。
その情報に偽りなく、ブラックワイバーンは闇魔法を使い俺の周囲を漆黒の闇で包み込んだ。
ブラックワイバーンの体も黒だから保護色の中で自由自在に動き、人間を食い殺すわけだね。
まあ、俺には魔力フィールドがあるから、この暗闇はまったく意味がないんだけどね。
ブラックワイバーンも魔力触手の網で絡め取り、魔力をチューチューしてマジックバッグに回収。戦闘というよりは流れ作業になっている。




