第39話 おぅ……
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第39話 おぅ……
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飲食スペース(職員曰く、フードコート)でエールを頼む。
最近よい酒ばかり飲んでいるためか、冒険者ギルドのエールでは少し物足りない。
ま、酔いつぶれてるわけにはいかないから、これで構わないけど。
チビチビやっていると、騒々しい冒険者たちがフードコートに入ってきた。どうやら商隊の護衛依頼をしていて隣国の獣人国から帰ってきたみたいな話をしている。
俺も獣人国にいってみたいが、あの国は商隊以外の入国を認めてないらしい。こちらも同じで、商隊しか入国できないので、お互い様か。
「おい、マスター! 美味い肉をくれー!」
「おいおい、こんなところに美味い肉なんてねぇーよ!」
「あ、そっかー!」
「「「ガハハハッ!」」」
随分と口が悪い人たちだが、冒険者なんてこんなものだ。別段珍しいわけじゃない。
「お、なんだガキがエールを飲んでいるぞ!」
おっと鉾先がこっちに向いたぞ。
こういう人たちは無視すると余計に絡むから、ちゃんと相手をすればいい。
これまでの経験でそういうのが分かってきたよ。
「おい、ガキ。そんなところで小さくなって飲んでないで、もっと堂々としろよ」
「いえ、俺のような低ランクは隅っこで」
「ガハハハ! 面白いヤツだな、お前! 気に入ったぞ!」
「皆さん景気がよさそうですね。やっぱり高ランクの方でしょうか?」
「なんだ、俺たちのことを知らねぇーのかよ」
「すみません。今日この町にきたもので」
「俺はバッカラーだ! Bランクの【野獣の群れ】のリーダーをしてるぜ! すぐにAランクに昇格してやるからよ!」
「Bランク!? すごいですね! 俺からしたら雲の上の人ですよ!」
「ガハハハ! そうだろ、そうだろ! おい、マスター! こいつに一番いい肉を食わせてやれ!」
「いいのですか?」
「おう、しっかり食って俺のように強くなれや!」
「はい。Bランクになれるように、がんばります。あ、お肉、いただきます」
「おう、食え! そして、がんばってBランクになってみろ!」
バッカラーさんは俺の肩を叩いてから、仲間のところに戻っていった。飲む前から酔っぱらっているような冒険者だったな。
「おまちどー」
ドンッと置かれる肉。せっかく奢ってくれると言うので、しっかりいただこう。
あ、これミノタウロスの肉だ。結構お高めの肉だけど、あの冒険者の奢りだ残しても悪いな。
「ミノタウロスの肉はやっぱり美味いなー」
マスターの目がキランッと光った。俺がミノタウロスの肉だと、分かったのが聞こえたようだ。
フフフ。ミノタウロスの狩り場を知っている俺にとっては、一般的な食材だからね。
自分で解体してたくさん食べましたよ。
「おう、待たせたな」
ミノタウロスの肉を食い終わった頃に、解体所の職員がやってきた。
「査定表だ。お前、いい腕をしているな」
「そうですか? 褒めていただけると、嬉しいですね」
「俺は解体所の主任のジョルゴスだ。何かあったら俺に言ってこい」
「はい、その時はよろしくお願いします」
「おう」
巨人族の血が入っているのか、ジョルゴスさんはグランベルさんよりも大きかった。250cmはあると思う。
冒険者ギルドの建物はどこも大きく造られているので、ジョルゴスさんのような大男でも頭を気にすることなく歩いている。
逆に小人族の血が入っていると、こういった建物は使いにくいかもしれないね。
「お、ガキんちょも生意気に査定か」
「あ、バッカラーさん。お肉ご馳走様でした」
「おう。いいってことよ。で、お前はどれくらい稼いだんだ?」
俺が持っていた査定表をヒョイッと抜き取っていった。
「………」
「ボチボチ稼げました。この辺りはいい獲物がいるから、しっかり稼がせてもらいます」
「……お、おぅ……そぅ……か……」
総額で12,450,000G。
マジックバッグに多くの空きができ、お金が増えた。この町で大容量のアイテムボックスを購入しようかな。
「それじゃあ、俺はこれで。ジョルゴスさん、バッカラーさん、失礼します」
「あいよ」
「おぅ……」
受付で全額を預け、革物店の場所を聞いた。さっそく革物店にいってみる。
「こんにちはー」
「いらっしゃい」
「今ある中古で一番容量が大きいアイテムボックスはなんですか?」
「容量が一番大きいものなら、30tだな。30-6の背嚢型マジックバッグならあるぞ」
6なら60日だな。いいじゃないか。
「それいくらですか?」
「18,690,000Gだな」
「買います。それをください」
「大金だぞ? 持っているのか?」
「冒険者証で支払います」
「そうか。ならちょっと待っていてくれ」
高ランクのモンスターの多くは大型になる。魔境のそばにあるこのホルトンの町なら大容量のアイテムボックスの中古があると思っていたけど、いいものがあったよ。
「これだ」
「はい。冒険者証です」
支払い処理をしてもらい、俺は背嚢型マジックバッグを受け取った。
「伯爵滅べ」
いつものように血を垂らし、解除用の合言葉を使って使用者登録は完了だ。
「……うちを変なことに巻き込まないでくれよ」
「いやですねー、そんなことにはなりませんよ。それでは、失礼します」
次は市場だー。
さすがは隣国との交易拠点だ。物と人が溢れている。
「あ……みつけた……」
俺は感動に打ち震えている。
なんということだろうか。ここでこれに出遭えるなんて……。
「おお、神よ。我が望みを叶えてくださり感謝いたします」
俺はそれを迷うことなく購入した。




