表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔力使いのまったり冒険者クライド  作者: 大野半兵衛


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

26/74

第26話 魔力がないと……

 +・+・+・+・+・+

 第26話 魔力がないと……

 +・+・+・+・+・+


「助けてほしい?」

「「「はい!」」」

「俺のことを誰にも言わない、伝えない、そう約束してくれるなら、ちょっとした罰で許すけど、それを守れないというなら、ここで死んでもらうよ」

「「「守ります!」」」


 従順だな、この8人。


「本当に俺のことは誰にも言わず、伝えないね? もし嘘なら死ぬことになるよ?」

「「「誰にも言いません!」」」


 魔力結界を応用した、首輪を8人につける。

 以前ゴブリンで実験して以来だから確実とは言えないが、これでこの8人が俺のことを誰かに言ったり伝えようとしたら、首輪が締まって死ぬ。

 ずっと維持できるイメージをしたから、彼らが生きている間は効果を発揮してくれると思う。多分。おそらく……。

 絶対の自信が持てないのは、長期間の運用がぶっつけ本番だから仕方がないよね。数カ月は効果があると思いたい。


「五男さんはどうします? 俺のことを誰かに言ったり伝えたりします?」

「だ、誰にも言わない! だから許してくれ!」

「本当にですか? 嘘なら死にますよ? それでも誰にも言わず、伝えることもしないと誓えますか?」

「誓う! 誓うから許してくれ!」


 ボンボンにも首輪をつける。

 これでよし。

 それじゃあ、8人にちょっとした罰を与えますか。


「「「ぎゃぁぁぁーーーっ」」」


 冒険者8人の悲鳴が一斉に発せられる。魔力触手をちょっと締めたことで、同時に8人の両手の親指と中指が地面に落ちたのだ。

 両手の親指がないだけでも不便な暮らしになると思うし、2本ずつなくなったから冒険者は続けられないと思う。彼らは俺の命を取ろうとしたのだから、このくらいの罰はあってもいいだろう。


「はい。終了。命は取らなかったんだ、感謝してね」


 そんな恨めしそうな目で見ないでよ。あんたたちが始めたことなんだから。


「お、俺の指もっ!?」

「ああ、大丈夫ですよ。五男さんは五体満足で帰してあげますから」

「ほ、本当か?」

「ええ、本当です。ですから、先ほどの約束はしっかり守ってくださいね」

「分かった! 感謝する!」


 素直なのはいいことだね。

 でも、守らなかったら、その命はなくなるから気をつけてね。

 9人の魔力触手を解除してやると、8人は蹲って落ちた指を悲しげに見ている。

 ボンボンはホッとしているのか、ひくついた笑みを浮かべている。


「それじゃあ五男さん、さようなら。護衛があれだから、早く帰ったほうがいいですよ」


 俺は8人のほうを顎でしゃくってみた。


「そ、そうだな……」


 ボンボンはゆっくりと後ずさり、俺と距離ができたら脱兎のごとく逃走した。


「えー……。この8人を置いていかないでほしいなー。ほら、あんたらもこんなところで血を流していると、モンスターに襲われるよ」


 俺は助けないからね。


「「「ヒィィィッ」」」


 ボンボンに置いていかれた8人はよろよろと歩いていった。無事に町に辿りつけるかは知らない。がんばれ。

 俺もベッドなどの野営道具を回収してこの場を立ち去ろう。


「はー、朝から気分が悪いな、もー」


 むしゃくしゃする気持ちを落ちつけ、俺も歩き出し山林の奥へ入っていく。

 街道に戻らないのかって? モンスターを狩って冒険者っぽいことをしようかと思うんだ。


 少し歩いたら、モンスターを発見。

 まだ結構遠い場所にいるけど、ストーンボアというイノシシ型Cランクモンスターだ。風下から気配を消しつつ30mまで近づき、魔力触手を伸ばす。

 ストーンボアの特徴は、突進と石弾を撃ってくることだ。突進は直線的だけど、かなりのスピードで巨体が突っ込んでくるのでかなり怖いと思われる。そして土魔法の石弾を使ってくるので、上空からの攻撃にも対応ができる。さらには、石のように硬い毛皮なので、こちらの攻撃が通りにくいという厄介なモンスターだ。

 ストーンボアの足を魔力触手で絡めとり、石弾を撃ってこようとしたら、魔力触手で干渉してキャンセルする。

 魔力触手でそのまま締め上げるのもいいが、そればかりでは戦闘のバリエーション不足になる。他のとどめを考える。


「そういえば、体内にある魔力の塊を、全部抜いたらどうなるのかな?」


 ストーンボアは魔法を使うモンスターなので、魔力がなくなったら魔法は使えない。それは分かるのだけど、それ以外に何か起きるのだろうか?

 人間なら魔力が尽きると、意識が混濁する。気絶する場合も多いらしい。

 では、モンスターなら?

 そう思ったら試さずにはいられない。魔力触手を鼻の穴から侵入させ、気道を通って奥へ。肺に入ったら、魔力触手をさらに細くして毛細血管内を通れるくらいにする。あとは体内を通り心臓の横にある魔力の塊にアクセスだ。

 魔力の塊に魔力触手を突き刺すと、ストーンボアは体をビクンッとさせた。鼻から魔力触手を入れてもほとんど反応しなかったのに、魔力に刺したら大きな反応を見せたのだ。


「魔力を触られるのは嫌なのかな? それにこの感覚は……そうだ、ゴブリンをバラバラにした時に何かを感じたけど、あれは魔力の感じだったんだな。魔力触手の先端じゃないから、感じ方が違ていたので分からなかったよ。とりあえず、どうするか……そうだ!」


 魔力の塊から魔力を吸収する。ストローでチューチューしている感じだ。

 最初は嫌がり暴れようとするストーンボアだったが、魔力が半分になるとさらに足掻こうとした。残り1割を切ると、ストーンボアの動きが小さくなり、ぐったりする。

 そして魔力を完全に吸い取ると、ストーンボアは口から泡を吹いて白目を剥いた。

 気絶したと思ったのだが、どうも様子がおかしい。息をしていないのだ。


「え、死んじゃった?」


 魔力がなくなったら、死んじゃうのか?

 まさかの結果に、俺のほうが驚いている。


「モンスターは魔力がなくなると気絶じゃなく、死ぬのかー」


 これは他にも検証が必要だな!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ