表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔力使いのまったり冒険者クライド  作者: 大野半兵衛


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

22/72

第22話 山越えしたら

 +・+・+・+・+・+

 第22話 山越えしたら

 +・+・+・+・+・+


 魔力結界に小さな穴を開ける。グレーウルフは入ってこられないような小さな穴だ。そこから魔力触手を伸ばしてショックを発動させる。


「「「キャインッ!?」」」


 3体のグレーウルフが感電して倒れ、痙攣している。

 それを見た7体が魔力結界から距離を取った。そのままどこかにいってくれれば、言うことなし。

 でもなー、モンスターだもんなー。

 再びガウガウやっているよ。はぁー。


「面倒くさいなー、もう」


 魔力結界は無色透明なんだよね。音は遮断できても、視界はねぇ。


「仕方がない。死を選んだのはお前らだからな」


 今度は魔力触手を7体のグレーウルフに巻きつかせ、拘束していく。

 暴れまくるグレーウルフたちだが、鍛え抜いた俺の魔力触手は簡単には切れないぞ。

 ワイヤーよりも強度のある魔力触手を絞っていくと、巻きついた部分の毛皮を破り、肉を裂いていく。

 グレーウルフたちの鳴き声が悲鳴に変わる。

 やがてグレーウルフは魔力触手に裂かれてバラバラになった。


「うーん……今、何かを感じた気が……?」


 何を感じたのかな? もしかして、殺しの快楽? いやいや、そんなヤバいヤツじゃないですよ、俺は。

 じゃあ、何を感じたんだろうか……。分からない……。なんとももどかしい限りだ。

 動けない3体で何を感じたのか、確認してみるか。

 先ほどと同じように魔力触手で1体を巻いて絞っていく。モンスターでも無抵抗の生き物を殺すのは、さすがに心が痛む……ことはないが、さっさと済ませてやろう。

 グイグイ絞っていき、バラバラに裂いた。


「やっぱり何かを感じるんだが、なんだろうか?」


 もう1体にも魔力触手を巻きつける。この時には、まだ何も感じない。

 徐々に締めていき、皮を破り、肉に食い込む。まだ感じない。

 バラバラ……。最後のほうで何かを感じるが、何だろうか?

 最後の1体は首を半分ほど斬り裂いて、出血死させる。

 そしてリザレクション!


「……ただの屍のようだ」


 どうやら死者蘇生は無理のようだな。そこは神の領域とでもいうべきか。

 それはさておき、グレーウルフのバラバラ死体をあのまま放置したらまた別のモンスターが近づいてくるかもしれない。要らないけど、回収しておくか。

 魔力結界に俺が通れるほどの穴を開け、魔力触手で傘を作りグレーウルフの死体を回収していく。

 誰だよこんなにバラバラにしたのは、回収が大変だろ!

 はい、俺でした。クソッ。

 回収終了。血だまりができているけど、雨が降っているので洗い流してくれるだろう。

 魔力結界内に戻り、穴を塞ぐ。

 昨夜焼いておいた薄い肉を挟んだサンドイッチをマジックバッグから取り出し、齧りつく。


「この肉も美味いな」


 二足歩行の牛型モンスターのミノタウロスの肉だ。ミノタウロスはBランクのモンスターで、肉の流通量は多くない。ちょっと前にたまたま300gだけ手に入れたので、その表面を焼いてローストビーフのように薄く切っておいたんだ。

 朝から美味しいものをいただき、この世界に転生させてくれた神に感謝だ。

 最後にちょっと大きめの塊を口に押し込んで、パンパンと手を払う。

 そして、マジックバッグからモンスター辞典を取り出す。これ1冊でなんと40万G! 俺が持つもので、マジックバッグに次ぐ高額アイテムですよ。

 お金をかけただけあって、先ほどのグレーウルフのこともすぐに判別できた。知識は武器になるからね、お金に糸目はつけませんよ。

 昨日見た恐竜とヘビはどんなモンスターか調べると、あった。


「ヘクサレックスとエターナルバイパーか」


 共にSランクのモンスターで、どちらかというとヘビのほうがSランクでも上位らしい。


「まあ、丸飲みだしなー」


 このモンスター辞典は一通り目を通したが、あの2体を思い出せなかった。まだまだ勉強が足りないな。

 時間がある時は、こうやってモンスター辞典を読み込んでおこう。モンスターの情報がサッと浮かんでこなければ、命に係わるからさ。

 モンスター辞典を読みながら魔力訓練をしていると、雨が強くなっていく。今日は一日降り続きそうだ。

 暇になったらなったで、モンスター辞典を読みながら魔力訓練をすればいい。それだけ知識を蓄えられ、魔力の使い方も上手くなる。





 翌日、雨は上がった。晴天だ。旅が再開できる。

 ベッドなどを全部マジックバッグに収納し、籠を出した。あとは気球で山を越えるために上空へと昇っていく。

 山頂を越えたところで、魔力フィールドでモンスターを感知した。現れたのは頭が2つある鷲型のAランクモンスター、パルクラスだ。体長5m、両翼を広げると8mはある巨大な鳥だ。

 パルクラスは一瞬で距離を縮め、籠の横を悠然と飛行した。

 その煽りを受け、籠が激しく揺れた。俺は籠から落とされないように、必死に捉まった。


「あっぶね」


 と言っている間に、今度はホバリング状態から「キュォーッ」と鳴くと、魔力が放出変換される。


「魔法か!?」


 俺は魔力結界を周囲に展開した。直後、魔力結界に風の刃が当たり飛散した。

 モンスターも魔法を使う。風の魔法は一般的に見えないため、防ぐのが難しい。気づいたら切り刻まれていたというのが、風魔法の特徴だ。

 俺は魔力が見えるので、魔法の発動を見ることができる。

 もっとも、超高速で飛んだまま魔法を使われると、その限りではない。目で追えないほどのスピードは勘弁してほしいものだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ