不良と私とハッピーエンド(2)
それから澪とカノンという子(澪の友達でfiveのメンバーらしい)の話をした後
「ま、そんなところだから。私は帰るわね」
と言って重要な働きを終えた遥さんは本当に帰ってしまった。
その後女中さんに和真が帰ったことを知った。
一言言ってから帰れよっと思いながらも元々これが俺たちの関係だったから徐々にでいいからいい関係を作ってきたい。
4月
気づけばこの学園にきて1年が経っていた。
高校に上がったという実感が無いと麻由子は言っていたがま、そのうち実感するんだろう。
ただここに“姫”はいない。
姫・・・・悠理は別の、公立の学校に行ってしまった。
あの無表情で何考えてるのかよく分からないあいつがいなくのは寂しいが、頑張ってほしいと思う。
なんだかんだでバスケに対する気持ちは純情だったから。
そして俺は・・・・
「あ゛ったま痛でぇ」
「相変わらずテスト関係はひどいよね」
去年と同じく課題テストで精神を削られていた。
うるせぇ万年一位。
これでも頑張っている方なんだよ。
中学が比べ物になるかどうかは置いといて。
「これじゃあ・・・デートいけないじゃん」
「うっ・・・頑張リマス」
「頑張って。赤点取ったら別れるからね」
なんかえらいプレッシャーかけられたんだけれど・・・・
「嘘だよ。あ、今日何に食べる?というか何が作れたかなぁ?」
そう言って部屋を出てキッチンの方に行った。
婚約者から一旦は普通の友達になってそれから恋人という位置に納まった澪。
これから変わっているようで変わらない、でもどこかで誰かが何かを変えている世界に存在している限り俺たちにいろんな困難や辛いことが降り注いでくるんだろう。
だけど、
「カレーが出来るからカレーでいい?」
「ああ」
そんな日常でも小さいけれど大切な幸せが隣にある限り俺は笑っているんだろう。
end