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吸血鬼が憩える保健室  作者: 坂持


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部費が出たよぉ

「はぁい、やっと部費が出たよぉ」

「っしゃ炬燵っっ‼」


 七月になったということはだ。先月設立した正月遊戯部に、部費が入るということだ。


 部費の仕組みとかそこら辺のことは詳しくないけど、とりあえずこの学校は月一回支給されるらしい。


 そして部費が入ったということは、炬燵が我が部に導入されるということだ。


「今夏だよ、なっちゃん」

「それがどうしたぁ!」

「売ってないかもしれない」

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼」

「保健室では静かにねぇ」


                 △


 くそっ、陽にやられる以外で寝ることになるなんて……。炬燵ショック、なんて恐ろしい。


「ん、大丈夫?」

「大丈夫です」


 とりあえず先輩が一番最初に視界に入ってくれて助かる。


 佳と先生もいるし、そこまで時間は経っていないのだろう。


「すいません、炬燵が売ってないのを想像したら……」

「ん。私もごめん、まさか鳴月の炬燵にかける思いがここまでとは……おもしろいね」


 先輩が楽しそうだからいいか。うん、そうしよう。


 ということで、まずは部費がいくらあるかの確認。部費ってどれぐらい貰えるのだろうか。私達は和室に戻り、三人並んで座る。そしてちゃぶ台を挟んで先生が正座する。


 ふわっとしているけど、こうキリっと正座している姿は大人って感じがする。


「えぇっとぉ……そんなに見つめられると先生恥ずかしいかなぁ」

「「「えぇ……」」」


 そりゃあこの状況なら見るじゃん。


「先生って超絶美人に慣れませんよね?」

「ん。先生は慣れるべき」

「慣れないんだよー⁉」


 先生の代わりに佳が答える。佳は慣れてもらっては困る。


「佳ちゃんの言う通りだけどぉ、先生だから慣れないとだめだよねぇ」


 ん~、と両手で頬を挟む先生。ギュッと目を閉じて——開いた。


「やっぱり慣れないぃ……」

「徐々に慣れていけば大丈夫ですよ。鳴月は毎日保健室に来ると思うんで」


 先輩の言う通り、とりあえず先生にサムズアップしておく。


「うん……先生がんばるぅ」

「ということで部費はいくらですか?」

「あっ、そぉだよねぇ」

「なっちゃん目が本気だー……」


 果たして我が正月遊戯部の部費はいくらなのか。


 少し鼓動が大きくなってきた。いくら貰えるのか。一万円あれば、炬燵は余裕で買えるか。


「二千円」

「一万?」

「二千」

「一万二千円?」

「鳴月、二千円だよ」

「二千円かー」

「いやいやいや、二千円て」

「「なっちゃん」」「鳴月」

「そんな……部費が、二千円て……」


 嘘だそんなことぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ‼

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