めんこ大会 2
「「「スリー! ツー! ワン! ゴーめん‼」」」
……三投目‼
私と先輩が三枚、佳が一枚のフィールド。私は自分のを守りつつ、先輩のめんこの数を減らしたい。私の動体視力を持ってすれば、二人がどこに投げるかを確認してからある程度コントロールできるけど、先輩も同じようなことができるはず。だから少しズルいけど、佳だけ一瞬先に投げてる状態。これ結構ズルいな。
佳はシンプルに私のめんこを狙う。このコースは、落ちそうな私のめんこを狙っているね。まあまあまあ、これは落とされても問題無い。失敗すれば佳のめんこも落ちるし。だから私が狙うのは先輩のめんこ。
そして先輩は——佳の一枚を狙ってる⁉
結果、佳のめんこは私のめんこ諸共落ちた。
「あー!」
そして私のめんこは上手く先輩の一枚をひっくり返して、そのままの勢いで私のめんこも場外に、そして先輩は佳のめんこだけをひっくり返した。
「これは……」
佳のめんこはゼロ枚、私は二枚、先輩は変わらず三枚だ。
残りの枚数的に先輩が優勢。あと二投でどう変わるか。というか佳はどうするのか。
「ぐ~‼ これうち勝ち目無くない⁉」
佳が勝つには、残り二投を確実に乗せたうえに、私と先輩のめんこをひっくり返さなくてはならない。私も全て先輩を狙えば、もしかすると佳が勝つかもしれない。でも当然、先輩はこのリードを守るために動くはずだし、もしかしたら私は佳を狙うかもしれない。この読み合い、めんこは意外と奥が深い。
「まだ分からない。なにが起きるか分からないよ」
「先輩の言う通り、なにが起こるか分からない」
「なんか二人が言うから、セットクリョクが凄い」
ムムム……と、佳が考え込む。なにを考えているのだろうか。
「よーっし、イメージできた!」
「策を思いついたみたい。私は悩ましいね、どっちを狙おう」
油断していたら佳に足元を掬われるだろうけど、とりあえずは先輩の対策をしないといけない。次は間違いなく私を狙うはずだから。佳もそれを分かっているのなら……どっちだ? 先輩と私を狙っても、さっきみたいになるかもしれない。ということは、佳が狙うのは先輩ということになる。でも私は先輩を狙うし、それなら私は佳の投げためんこに接触しないよう調整するべきか。
ということで四投目。
「「「スリー! ツー! ワン! ゴーめん‼」」」
私の狙いは当然先輩、で佳は?
佳は——やっぱり先輩狙いか。でも先輩のめんこは三枚、幸いにも私と佳狙っためんこは違った。
私は確実に先輩のめんこをひっくり返すことができる、そう確信した時——。
「えっ⁉」
私の投げためんこに、先輩の投げためんこが激突。そして私のめんこは場外に、そして先輩のめんこは辛うじてフィールドに残った。
そうきたか! と私は自分の読みが外れたことに唇を嚙む。
「あー倒せなかった。ってえー‼」
自分の投げためんこが私のめんこをひっくり返せなかった結果を見た後、先輩のやったことに驚いていた。
「どう?」
先輩がドヤ顔で見てくる。どうもなにも——。
「その手がありましたね」
「成功して良かった」
これで佳のめんこは一枚に増えて、私のめんこの数は二枚と変わらず、先輩は四枚に増えた。でも次で最後、先輩のめんこをどうにかしなければ私が勝つことはできない。奇跡的に佳が先輩のめんこをひっくり返すことができて、私も先輩のめんこをひっくり返すことができて、先輩のめんこが場外に落ちれば私が勝てる。ほぼ先輩が勝つことが確定している状況。そう、ほぼだ。この状況から先輩に勝てる可能性を少しでも上げる方法それは、先輩のあの並んでいるめんこを二枚同時にひっくり返す。それができれば逆転勝利の可能性が上がる。
なにも邪魔が無ければだけど、先輩もそれを見越して対策してくるはず。私達とは違って、先輩はリードを保てばいいだけだから。
最後の五投目、二枚返すにはどうするか、どう投げようか私は頭をフル回転させる。




