めんこ大会
「「「スリー! ツー! ワン! ゴーめん‼」」」
この掛け声と同時にめんこを投げる。
力いっぱい叩きつけられためんこは、未来の炬燵の上に並べられているめんこに向かう。向かうだけだった。
「ぐはっ……!」
「なっちゃん⁉」
三人共、置いてあるめんこをひっくり返すことができなかった。
そして私は陽にやられてこの始末。
あの後、予定通りに今日の部活動の目的であるめんこを実施することにした。
ルールは調べてみて、やりやすそうなルールを選んでみた。
まずめんこは各自五枚。これは佳の持っていためんこが十七枚しかなかったから。そしてそのうち二枚を未来の炬燵の上に置く。六枚置いたら結構窮屈な感じするけど、そこはまあ気にしない。
そして掛け声と同時に、全員で置いてあるめんこに向かって叩きつける。そうして置いてあるめんこをひっくり返すことに成功したらそのめんこは除外。最終的に一番めんこが残っている人の勝ち。実にシンプルなルール。
なんだけど……一投目にしてもう私の身体は限界を迎えようとしていた。ルールは関係無いか。むしろ一人一人投げて佳に注目されるよりかはマシ。
そして第一投目の結果、だれもひっくり返すことはできなかった。これにより未来の炬燵の上にあるめんこの数は九枚。メダルゲームかい。
私は倒れそうになるのをなんとか耐えるけど、まだ一投目でこんな世界の命運がかかっているような雰囲気が出てしまうなんて……。
「鳴月、大丈夫?」
「大丈夫です……」
大丈夫じゃないけど‼
「佳、フィールドに集中‼」
「ええ⁉」
私が弱いのは陽。そしてその陽は佳から。つまり、佳の意識を私から逸らせば、私はダメージをそれ程受けない。それ程受けないだけでずっといればしんどいけど、体育の授業とかはなんとかできているから(出席できた時は)大丈夫。
「よし二投目」
本当に早くしないと私の身がもたない‼
「「「スリー! ツー! ワン! ゴーめん‼」」」
そして二投目。
めんこは力任せに投げてもいいけど、重要なのは角度とかその辺。つまりテクニックだ。
運動全般を高次元でできる私と先輩の独壇場——にはならず潰し合いをして、漁夫の利を得て佳が勝つのか。要するに勝負は分からない。
果たして。
二投目、私は先輩のめんこを狙った。良い感じの斜めの角度で、それはもう今の私にできる力で鋭く。そして先輩は佳を狙って、反対に佳は先輩を狙っている。
あっ——。
先輩のめんこに向かった私と佳のめんこ。それが当たった。そして私の方が良い角度だから、佳のめんこを場外まで飛ばしてしまった。
「あー‼」
佳の驚いた声が轟く。
私のめんこと激突して場外、そして先輩にひっくり返されて除外。これは声も出る。
「ん。佳のひっくり返した」
先輩のピースサインに、佳は悔しそうに顔を歪める。
「これ、じょーがいはどうなるんだっけ?」
「んー、除外?」
「そんなー!」
ズルい気もするけど、スペースの問題でそうさせていただこう。ちなみに私の投げたのはギリギリ乗ってる。
「でも、場外で除外になるのなら、無理にひっくり返さなくてもいいってこと。ほら、めんこの遊び方調べた時におはじきみたいな遊び方とかあったじゃん」
「確かに……さすがなっちゃん」
佳にそれっぽい笑みを返す。我ながら良い理由だと思う。
これで今回ので残っためんこは、私と先輩が三枚、佳が一枚。残りは三投、まだまだ勝負は分からない。




