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仕事という名の強要
『わかっているな? 対象を的確に殺せ』
画面向こうにいる男から再度の通信が入り、気が滅入る。
いつの間にか回収され、今は何かの機械の中だろうか。
繭状の中に自分が収まっている。
その中は暗闇の中で光が一切ない。
振動が不規則に伝わってくることから移動しているのだろう。
『次の標的は、絶対に油断できない。心せよ』
それなら、なぜ私にやらせるのか。
自分たちでやればいいのに。
『失敗したら、お前の体内に入れている爆弾が爆発するだけだ』
言われなくてもわかっている。
耳障りな声だ。
吐き気がする。
『あと十分で目的地に到着する。備えよ』
うるさい。
心の中で思っていても、声が出ない。
今でも意識を集中すると聞こえてくる胸の中になる金属音。
死ぬのが怖い。
死にたくないのだ。
なぜなのかわからない。
でも、このまま終わりたくないのだ。
だから、少しでも可能性がある方を選択するしかない。
『時間だ。射出するぞ』
機械の繭が開いて光が入ってくる。
またあの焦げるような熱を肌で感じながら身を任せる。
そのあとすぐに空中に身を投げ出された。




