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Re:CALL 2  作者: 明上 廻
22/47

リハビリ出社って、給料発生しないの? マジ?

 「おーい、エバンス! 順調?」

 「おお! これは悠一さん、本日はどうなさったので?」

 「護衛だよ。今、検知器切っているからね」

 「そうなんですね」

 こんなたわいもない会話をしながら、エバンスは仮設住宅用の機材をいくつか搬送してくれている。

 働き者だな………。

 エバンスは地上商業地区で喫茶店を営んでいるダンディーなおじさんではあるが、元別コロニーで防衛隊に所属していたこともあり、ガタイがいい。元のコロニーが崩壊したことでコロニー3に移民してきたわけだが、前の軍部で部下をコロニー側に見殺しにされたことから軍部に再就職することなく地上で喫茶店を営んでいる。

 おかげで僕は、コーヒーを好きなときに飲めるお店に出会えたわけだが。

 「エバンス。働き過ぎじゃない? 今朝も早起きして郊外の貯水湖まで苗木を運んでいたって聞いているよ? 休まないと体がもたないよ?」

 「悠一さん、それブーメランですよ?」

 どこが?

 「悠一さんだって、この前まで療養期間でしたよね?」

 「半年前までは、ね?」

 ………本当は二か月だけのつもりだったのだけど、まず人間ドックに行かされたのが、まずかった。

 レントゲン写真で消化器官が映らないし、その他にも残存している臓器にも欠損が見られることが判明。さらに体内に数えきれない金属片が存在していることがわかり、緊急入院送りになって、すぐに手術室へ連行された。

 手術後に、執刀医から『アホか!』と医師とは思えない言葉が飛び出た。

 しかもその医師のコネクションなのか、すぐに軍部の女医さんに話がとんでいき、香織ちゃんにまでお話が行き………大問題に発展した。

 香織ちゃんからの第一声は、『だと思った』だった。

 健吾君と知里さんからは、『ベッドから起き上がってきたら部隊を解散させる』って言われた。

 マキナさんからは、漫画本を置いて行かれた。

 「せめてじっとしていて下され」

 ちなみに、この話はすぐに静さんのもとに行き、ギャン泣きされるし毎日お見舞いと称して、監視してくるから迂闊に脱走もできなかった。

 そのあと、紆余曲線あったが何とか臓器も元通り。

 再生治療と魔法による『復元』で臓器の形は、何とかなった。

 それが八か月前。

 それで食事を食べられるようになったのが、七か月前。

 リハビリ出社をして今に至る。

 せめてもの救いは、労災が下りたことかな。

 医師から、『これだけの費用がかかります』と言われたときには、やっぱりいいですって断ろうと思ったくらいだ。

 そこらへんは、香織ちゃんが剣崎元顧問と話し合いをしたらしい。

 戻ってきたときに、()()()()()()()()()()()()()()()

 「入院した身からすれば、二度とごめんだね。だから、休めるときに休んでおきなよ」

 「むしろ、悠一さんの容態を聞いた時に『その状態で、なんで生きているの?』とみんな不思議がったくらいですよ?」

 「んー、気合?」

 「今の言葉、『零』部隊のみなさんと香織ちゃんにお伝えしても?」

 「それはやめて」

 間違いなく、また怒られる。

 そんな時だ。

 この空間にありえない反応を感じ取った。


 ピリッ。


 この人だかりに混じった『殺意』を。

 

 「エバンス、ごめん。仕事だ」

 今の僕からすぐに何かを感じ取ったのか、すぐに敬礼で返してくれた。

 「ご武運を」

 その言葉を背に、建築途中の仮設住宅群に入っていった。

 


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