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うわさの真相②








そこから1日経った今日。

レイラとアメリアは、サラとジュリアンヌが貸し切った学園寮のティールームに呼ばれ、4人で集まっていた。


サラたちが昨日それぞれどこに行っていたのかわからないが、珍しくわざわざ部屋を貸し切ったということは、内密な話があるのだろう。


面々の緊張する空気が、そのままティールームの雰囲気となって漂う。

レイラが紅茶のカップをソーサーに戻すわずかな音が、アメリアの耳朶を震わせた。



「…ところで、あの後2人はどこに行っていたの?」



アメリアが単刀直入に切り出した言葉で、ジュリアンヌとサラがいくばくか目を合わせた。

一瞬の後、ジュリアンヌが美しく伸びていた姿勢をさらに正し、大巻きのピンクブロンドを揺らして口をひらく。



「…わたくしは、マダム・ルーシーの元を訪れて参りましたの」

 


「!!」



マダム・ルーシーとは、ケルディアール随一の宝石商(ビジュティエ)だ。

彼女が経営するジュエリーブティックこそ、今回の”うわさ”の発端となったフェリクスの行き先だった。


そしてマダムその人は、実はジュリアンヌの大叔母である。

ご高齢ながらベリーショートのピンクアッシュが似合う、気さくでスタイリッシュなお方だ。


初めてアメリアが会ったのは、ジュリアンヌの生家であるテラデルジア伯爵家だった。

たまたまお会いした時にアメリアを大層気に入ってくれて、アメリア自身も彼女の繊細な心遣いと、どっしりとした人柄に憧れている。


それを機にアメリアは「ルーシーおばさま」と呼び慕い、休暇中にはジュリアンヌと連れ立ってブティックを尋ねて、3人でガールズトークをするほどの仲になっている。


だからこそフェリクスのことを聞きづらかった。

しかし、アメリアが彼女を頼れなかったのは、気まずくなることを恐れたという理由だけではない。


今は真偽不明の内容が、逃れようのない事実になるのが怖かったのだ。


ルーシーから何を聞いてきたのか、ジュリアンヌはどこか緊張したような、神妙な面持ちだ。

とてつもなく長く感じる一瞬が流れ、ティールームに凛とした声が響く。



「結論から申し上げて」



アメリアはジュリアンヌの真剣なまなざしを受け止めながら、今から伝えられるのがどんなことであっても、臆病な自分の代わりに動いてくれた優しい友に、心からお礼を言いたいと思った。



「アメリア———あの噂はデマよ」







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