うわさの真相①
最近の学園は、いつになく騒ついている。
授業中にアメリアが聞いた「第三王子が街でデートしていた」という噂が、この2週間ほどでどこからか広まっていたのだ。
「夜中に第三王子がこっそり出かけるのを、側近たちが見ていたらしいわ!」
「なんてこと…お可哀想に…」
「将来はティリオーネ様をご側室にされるつもりなのかしら?」
だんだんと尾ひれがついていく噂話を耳にして、なんたることかと憤慨する親友たちを止めるのに、アメリアはとても苦労した。
特にレイラは、陰口を叩く生徒にかたっぱしからタイマンを申し込む勢いだったので、制止するのはかなり骨が折れた。
また、ゴシップを耳にした生徒の中には、うわべで憐れんだり、眼差しに蔑みをくっきりと浮かべる人もいる。
しかし、自分が他人の妬心や優越感にまみれることよりも、アメリアはフェリクスの評判に傷がつくことが心配だった。
友人たちを宥めるためにそう伝えたアメリアだが、その健気さが彼女たちの怒りをさらに募らせてしまう。
それでも、レイラに比べれば冷静だったジュリアンヌとサラが「本当かどうか確かめたい」と言って、放課後にそれぞれ外出したのは昨日のこと。
とはいえ、比較的落ち着いているというだけで、この2人も怒り心頭といって過言ではなかった。
そんな状態で、アメリアは「すでに夜会でフェリクスが浮気を認めた」とは言えなかったのだが、それとなく止めた。
何も言わないものの、ぎこちなく止めるそぶりを見せたアメリアに、2人はさらに決意を固くしたようだ。
2人は戦地に赴くような表情でどこかに出かけて行った。
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