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切ない決心





ユーリがそう言うが早いか、アメリアの体は傾いた。

倒れそうになった体の自重で足を前に出し、そこからはひたすら足を動かし続ける。


チョコレートコスモスが持つ花言葉は”恋の終わり”だと、考えるともなく思い出しながら。







幸い、誰にも会わずに王立図書館から出ることができた。

アメリアは涙をこぼさないように、急いで実家のキャリッジ(紋章付き馬車)に乗り込む。



窓を閉めきられたキャリッジが、心なしか億劫そうに走り出す。

アメリアは身を閉じ、馬車に乗るまでは考えないようにしていたことを整理し始めた。



マダム・ルーシーとは、フェリクスが目撃されたジュエリーショップの経営者であり、自身も宝石商(ビジュティエ)として名を馳せている妙齢の女性だ。



「マダム・ルーシーに相談した」ということは、オーダーメイドで相当な品を注文したはずで、フェリクスにとっての”何か”があの店にあることを、いやでも認識せざるを得ない。



第三王子であるフェリクスは、アメリアと結婚したら臣籍降下して、コーンウェル領の領主代理になる予定だ。

だからアメリアと婚約した当初から、フェリクス自身の公務だけでなくコーンウェルの領地経営についてもトレーニングしていた。



この数年間の彼を見てきたアメリアからすれば、それこそ「婿入り修行が大変すぎて、今のうちに遊んでおきたかった」と言われても、理解できそうな身の入れようなのだ。



アメリアだって、ここまで来て自分の責任を投げ出すつもりはない。

例えフェリクスがいつか愛人を囲んでも、領地と民を守るという覚悟は変わらない。



だが、すんなり初恋を忘れられるか?と言われたら、それとこれとは別。

そして、この傷が癒えないままで明日から今まで通りに接することができるか想像すると、正直さすがのアメリアも自信がなかった。






「はあ………まずはマーサに言って、来週のデートをキャンセルしてもらわないと……」






初恋を忘れて、気持ちを整理する必要がある。

それまでの間、アメリアはフェリクスと距離を置くことを決心した。







じれじれターン心苦しかった……

次回から関係修復に向かってゆきます!!

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