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第五話 いのりの橋

  その橋の歩道には、

  半月のような空間がある


  その下に、

  古い石積みが見える


  なぜ、ここだけ残してあるのか

  少年は、興味深げに橋の下をのぞきこんだ


  「ほなにのぞいたらおちるでよ」

  自転車で通りかけた

  老人に

  声を

  かけられた


  「へんやろ

   こななとこに

   わざわざ

   こないもんのこすは」 


  「いえ

   説明の看板

   読みましたから」 


  「ほうか

   まあ

   人柱は作り話だろが

   ほれだけ

   橋を架けるのは

   大変やったちゅうことや」 


  少年は

  うなずいた


  少年は

  知っていた 


  橋を架けることの

  大変さを 


  橋が架かること


  その橋が

  流されないことを


  祈る気持ちを 


  多くの本を読み

  多くの資料を見て

  たくさんの話を

  聞くことで 


  少年は

  その橋の石積み

  見下ろした 


  水面が

  そこだけ

  何かが動いたように

  静かに揺れた


  その波紋は

  日の光もないのに


  ひそやかに

  光り


  古い石積みのまわりを

  そっと包んだ


  少年は

  ほほえみながら

  ノートを出した 


  「福島橋」


  「助任川(福島川)」


  「いのりにこたえた橋」


  少年は

  ノートを閉じると

  石積みに声をかけた


  「ぼくも

   いのりに

   こたえられるように

   がんばるよ」

え~ここまで読んでいただいた方は、橋や川の名前や今回の方言でお分かりになられたでしょうか。地元の方なら一話目でわかったでしょうね。「ブリッジ・スピリッツ ~橋に宿る妖精と橋獣のものがたり~」では一般的な話として、川や橋の名前は出していませんが、地元に実際にある橋をモデルにしています。

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