第二話 しるべの橋
この作品は、「ブリッジ・スピリッツ ~橋に宿る妖精と橋獣のものがたり~」のサイドストーリーとして作ったものです。ブリッジ・スピリッツにでてくる橋の話とリンクしております。
少年は
その施設が好きだった。
施設に架かる
橋を渡って
施設に入る。
もちろん橋でも
じっくり時間をすごす。
欄干から
川を見下ろす
護岸のあいだを
川が
細く流れている。
けれど
大雨になれば
ここまで水がくる。
ニュースで
見たことがある。
今は
とても静かだ。
「この橋
すごく
安心するなあ」
施設に入り
橋の本を読む
橋の絵を見る
古い橋の資料を探す
ふしぎなことに
探したい本や資料は
いつも、すぐに見つかる
ふっと
だれかが
指し示してくれたように
ページが
ふわりと
めくれる。
少年は
首をかしげる。
風は
吹いていない。
でも
そのページに
探していた橋の絵があった。
施設を出ると
階段を上がって
山の上の公園から
街を見下ろす
街には川がめぐり
たくさんの橋がわたっている
少年は
ここからの景色が
好きだった
「近くで見るのいいけど
こうして見るのもいいなあ」
やがて公園が夕焼け段を上がって
赤く染まるころ
少年は施設を後にし
橋をわたる
少し薄暗くなった
川底に
声をかける
「また、くるよ」
少年は
気が付いていない
自分が声をかけたことを
そして
川底が
赤く光ったことを




