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第3話 狡猾の獣人⓪
僕たちの目的の前には往々にして法律という壁が立ちはだかることがある。
文明社会に生きていれば法というものは当たり前に存在するもので、幼少期の刷り込みで守って当たり前のものと思っている。
僕は考える。正しい法の破り方とはどのようなものなのだろうかと。
いやいや法を破ることはそもそも正しいことじゃないだろう。そんな指摘がどこかから聞こえてきそうだが、それはよくない。あらゆる事柄には理由があり、法が正しさであることにも理由が、つまりその正しさを保証する理論があるのだから、反論だって可能なはずだ。
因果なことにこの世界には、秩序を破壊する法則がある。世界の秩序は世界の終わりまでにすべて破壊され、混沌に帰る。つまり過去において成立した秩序も、今では崩壊しているかもしれないということだ。その崩壊を、例外を利用すれば法だって正しく破ることができるはずだ。
とはいえ、そういった例外を排除することが法の意義だったりするので、目立たないことが大前提なのだが。




