第17章:あなたをもっとよく知るために
°°°°°°°° リタの視点 °°°°°°°°
息が荒い。
(何が起きた?最後に覚えているのは、あのロストの頭を破壊したことだ。そして今…水でほとんど溺れかけた。どうしてそんなことが?)
顔を上げると、弟子がエルフの少女の腕の中にいた。焚き火のそばで、彼女が彼を抱いていた。
エリ…エリーゼ…
立ち上がろうとしたが、力が完全には戻っていなかった。体の冷たさが助けにならず、足の軽い痛みも…それでも努力して、両手を使って立ち上がった。
「見事だな…教えてくれ、仲間よ、この場所へ来るとは、どんな血筋の出だ?」
「ああ…」
私は服を脱ぎ、風の圧力で乾かしながら、そのエルフの少女を興味深く見た。
「私はアヴェリックの血筋だ…あまり誇りにはしていないが…とにかく、渡してくれるか?」
眠っているエリーゼを指さしながら見た。
「礼儀のなさは置いておくとして、アヴェリックというのは理にかなっているな…お前を見る限り…そして渡すかどうかだが…嫌だ。情が移った。」
少女はそう言って舌を出した。もちろん奪って行くこともできるが、この状態で誰かを連れて歩くのは危険すぎる。ため息をついた。
「先祖に誓え、いかなる意味でも我々に害をなさないと。そうすれば連れて行かせてやる…」
私は彼女の前に真剣に座った。戦う気はなかった…だが弟子をただ奪われるままにはしない。
「ジュラア氏族の女家長に誓う、私はあなたとあなたの弟子を傷つけず、陰謀も企まない…」
その言葉が実体化し、彼女の腕に刻まれた。誓いが機能した証だ。
「よし、よし。ここにどうやって来たか教えてくれるか?」
彼女の隣に座ると、彼女はここへの経緯を話し始めた…だが弟子の眠る顔を見ながら落ち着いてはいられなかった。
(恥ずかしい…エリーゼの足手まといになってしまった…私は彼の師匠で、手本で、避難所だ…普段のように振る舞うべきではない…もう一人ではないのだ…)
周囲を見た。空気は少し冷たく、不快なほどではなかったが、この場所はほとんど廃墟で、カビだらけだった。個人的には素材に使えるが…それを除けば、多くの亀裂と、天井には豊満な美しさの裸婦の大きな像があった。
(少なくとも人型の文明だったようだ…)
水晶のように美しく輝く湖の水に触れた。純粋なようだった?だがどうしてそんなことが?その中を通して、紫色に輝く奇妙な花を見た。
そこで濡れた鞄を開けた。ポーションが一つ足りない…少なくともエリーゼが使ったのだろう。探していたものを見つけて取った。ジアンの花、インのエッセンス、四日物のキノコパンで作れる簡単なポーションだ。
「それで、あなたたちは一種の錬金術師なの?」
「むしろ趣味だ…それで、名前は?」
上から下まで見た。やや筋肉質なエルフで、短いスカートと腹を覆わない服を着ていた。若いエルフで、百か二百歳くらいだろう。
「自分を名乗らずにそれを聞くのは無礼だな…私はキルダの次女、シアクだ。さて、この可愛い子の名前を教えてくれる?」
シアク…エリーゼの頬をパン生地のように握っていた。どんな奇妙な愛着だ?
それを無視して準備し、すべての服を脱いで飛び込もうとした。
「おい!本気でやるのか?ここに男がいるぞ!」
エリーゼを指さした。
「彼が男の子だと知っているだろ?」
振り向かずに言った。
「いや…どうして男の子だと分かる?見た目では分からない!」
近づいて彼女の顔をじっと見た。彼女は答えず、ただ赤くなった。
「チッ。なら見たんだな…次女にしては礼儀がなってないな?」
目を離さなかった。
「私のせいじゃない!エルフの男は…あまり良くないし、彼は…何か…分からないけど…」
赤みは消えず、増すばかりだった。
「とにかく…(彼女を信頼できない…危険ではないと思う…だが別の種類の危険だ)あの花を取ってくる!ここで待て!」
準備完了、ポーションを飲んで湖に飛び込み、花を少し採取した。水は冷たかった。ポーションのおかげで水中が見えたが、五分しかもたない。それでも彼女のところへ降りるには十分だった。底には大小様々な骨格が見えた。降りずに、壁の亀裂から生えたような花を摘んだ。
入手後、水から出た。冷たい水を風の魔法で乾かしながら、奇妙な花を観察した。独特の紫色の輝きを放っていた。棘もなく、特に香りもなかった。実際、輝き以外に目立つものはなかった。それを鞄にしまい、縁に生えた苔を少し削った。準備完了、再び服を着た。
再びシアクを見ると、エリーゼを丁寧に抱きしめていた。
「シアク、弟子を返す時だ。」
「え?…一緒に行ったらどう?まだ…離れたくない。サトウを思い出すけど、ずっと魅力的だ。」
「約束しただろ…さあ、返せ!」
真剣な目で見た。いつでも攻撃する準備はできていた。
シアクはためらったが、それでも私の手に渡した。
「チッ…本当に好きだったのに…迷惑でなければ、出口まで同行する…」
そう言いながらエリーゼを見た。
「もちろん…」
そうして歩いた。前に気づかなかったが、黒髪から混血だと分かった。
「それで…なぜエリーゼに情が移った?確かに少し可愛いが、それ以外に際立つものはない。ただの人間だ。」
「違う…」
彼女は立ち止まり、困惑して、私が両手で抱えるエリーゼを見た。
「彼は夜のエルフだ。純血のエルフの血か約束の贈り物なしではアルテュオムに入れない。あなたを見れば、約束の贈り物がないのは分かる。」
じっと見た。
「夜の…エルフ?そんな…不可能だ。女しか残っていない…そして…男は絶滅した…」
エリーゼを見た。エルフの血があるのは知っている…だが…夜のエルフ?不可能だ…女が夜のエルフを産んだのは千年以上前だ…
「そうだ。引き寄せられなかったか?情が移らなかったか?それが証拠だ。悪くない…だが…あの老女たちが知ったら…奪われるぞ…」
この場所の出口まで走った。
「だからどこに住んでいるか教えて、そこへ行く!近くにいさせて、誰にも言わないと約束して!」
目が奇妙に輝いた。
(奪われる?…だが…彼は私のだ。私は彼の…師匠だ。老いたハーピーどもに私のものを奪わせはしない。)
彼女の言葉に腹が立った。あのくそ老女たちが私のものを奪うことはない。
「よし!教える、誓え、そうする!」
シアクは私の言葉に喜んで跳ねた。
「誓う、これは永遠の誓いだ、一時的なものではない!ジュラア氏族の女家長に誓う、エリーゼを決して危険に晒さない!」
言葉が白い光を放ち、完全に白い球になり、音速の爆発と共に指輪が形成され、シアクの中指にはめられた。
「その指である必要があったのか?」
その決断を責めるように見た。
「まあ…大切な約束だからね?初めてする約束だし…」
少女は手を胸に当てた。
「それは良い…」
エリーゼを強く抱きしめた。髪をよけて耳を見たが…完全に人間だった。エルフの痕跡は一切なかった。
(そうだろうな…永遠の誓い…)
「ほら!とても綺麗だろ?これがエリーゼとの証と約束!」
シアクは興奮して近づき、眠るエリーゼに微笑んだ。
「な…なあ、シアク、純血か約束の贈り物なしではアルテュオムに入れないとはどういう意味だ?私たちは黄色いポータルで来たし、聞いた限りではここへ連れて来られる。」
「いやいや。そう、アルテュオムへ連れて行かれるが、入口だ。ここは内部。普通エルフはそれなしではここへ来ない。」
上への階段を歩きながら、外からいくつかの轟音が聞こえた。
(轟音?外で何が?良くないことだ。)
「…なるほど…ところで、サトウとは誰だ?前に言っていたが。(本当は興味ない…だがエリーゼのことを考えたくない。)」
「ああ、そう。サトウは現在のエルフの領主候補だ…でも知っていると思った。あまり家に帰ってないだろ?」
「エルフの領主候補?そんな…まだ早すぎる。じいさんはまだ十も…」
シアクの視線を見て、考えて何も言わなかった。
「忘れろ…とにかく、どっちだ?」
ほとんど破壊された階段を数分、完全な沈黙の中で歩き、一歩ごとに軋む音だけが伴った。外の光が見えた。出ると、光がこの場所のすべてを照らしていた。
「わあ…昼間とは…ずいぶん違う。」
「だろ?午後からロストどもから隠れていた。本当に厄介だ。完全に弱らせる奴もいる。」
少し赤くなった。知らなかったのは認める。
「まあ…そうだな、気まずい…輝く粒はどこにある?それを求めて来た。」
「粒?ああ、それは最初、第一区域だ。あの怪物たちが住んでいる。行こう、でも私が運ぶ。」
「…わかった、着くまでだが…」
エリーゼを渡した。彼女は馬鹿みたいに笑って、人形のように抱きしめた。
「植物を使うお前がここまで来たとは驚きだ…とても大変で厄介だっただろ?」
ため息をつきながら、破壊された建造物を通して夜明けを見た。今でも埃と残骸が落ちていた。
「ああ…まさか…あいつらにこんなに弱いとは…過小評価していたのは認める。」
「心配するな、普通だ…ほとんどのロストにはその特性はない…見るのは…奇妙だ。」
シアクは途中で止まった。
「誰かが…いや、ありえない。」
シアクは再び笑って、大きな崩れた橋のようなものを指さした。
「古典的な方法で降りるしかないな…」
「ハリエルがここにいてくれたら…」
ため息をついた。
「よし、行こう、シアク!エリーゼ!これを終えたら家に帰ると約束する!」
エリーゼに微笑みかけた。彼はまだ眠ったままだったが、それでも約束したかった。彼が見ていなくても、俺は彼の師匠だ。彼の手本にならなければならない。
シアクにエリーゼを預け、俺たちは崩れた橋へ向かって歩き出した。夜明けの光が廃墟を照らす中、俺は眠り続ける弟子の顔をもう一度見た。
(もう二度と、あんな思いはさせない……)
そう心に決めながら、俺は前を向いた。
°°°°°°°° エリーゼの視点 °°°°°°°°
(……俺は、今どこにいる?)
意識が戻ったのかどうかさえ分からなかった。
どのくらい…ここにいる?何もすることなく、この黒い空間に浮かんで…
最初は声が聞こえていた。そして今は何もない。
俺は死んだのか?
手は冷たさも熱さも感じなかった。
まさか?俺は静止していた。まあ、動けたのかもしれないが、試していなかった。暗かった。光はなかった。上も下もない。自分の心臓の鼓動すら聞こえなかった。
ただ暗闇と、孤独の感覚だけがあった。
だが、再び目を閉じようとした時、大きな青白い手が空から現れ、俺のシャツをつかんだ。
「え、何?どうした!?」
すごい速さで持ち上げられた。来た場所へ引き戻されるように進み、たどり着いた先に見えたのは…ホテルのような大きな白い廊下だった。まるでギフトの包装のようなものから飛び出してきたようだった。
顔を上げると、レストランの店員が見えた。制服のロゴはぼやけていて、思い出し損ねているようだった。疲れた目、死んだ視線、少し痩せていた。だがその目は…見覚えがあった。鏡で見たことがあるような。
「そろそろそこから出る時間だ…」
「もうそんな時間?…」
と聞いたが、声は遠く、自分のものではないようだった。
「お前は誰?なぜ出なければならない?」
巨人に問いかけたが、彼はただ鼻で笑って、俺を制服の前のポケットに入れた。
「悲しいのは分かる…だが働かねばならない。給料は諦められない…家賃を払っているんだ…」
「家賃?…(ずっと前に…忘れた言葉だ…)まさか…ママとパパのところへ行けないのか?」
巨人はしばらく俺を見た…固まって。考えている?だろう。何も言わず、彼がぼんやりするままにした。すると突然話した。
「ああ…できるさ…」
床を見た。とても悲しい目で。
「だが…しない…誇りに思わせるために来た…いや…撤回できない。」
巨人は大きく笑った…目には悲しみが見えたが。
「なるほど…でも悲しい…一緒にいてくれる友達や家族はいないのか?」
正直に聞いた。下心なく…巨人は悪くなさそうだった。
巨人は歩いて床をモップがけし始めた。テーブルで食べている他の巨人もいたが、その顔はすべて白い光に包まれ、見えなかった。
「ああ…友達はいる…たくさん…友達が…建物の隣人も。山下さんはとても厳しくて命令的だが、時々、息子が仕事に持って行かない食事をくれる…」
巨人の表情は明るかった。
俺はそうだったか?外から見るのは…奇妙だ。話すたびに記憶が甦る。
山下さんは二人の子供の母だった。夫は一日中オフィスで働き、早く出て遅く帰った。三回ほど見た…悪い人ではなく、とても穏やかで親切だった。いつも妻と喧嘩していた…だが彼女が食事をくれるたび、いつも彼を褒めていた…
「だがそれはこれとは関係ない。お前のことだ。」
「俺のこと?俺が何をした?ただ当然のことをしただけだ。この状況で別のことをするか?」
巨人を見たが、彼はモップをかけながらただ笑った。
「ああ。俺ならもっとうまくやる!何をすべきか知ってるか?勉強し、学び、進化する。今までずっと子供のように行動してきた。子供ではあるが…もっと積極的になるべきだ。戻ったら、勉強し、学び、知識を持ち、応用する。分かったか?」
肩をすくめた。
「言うのは簡単だ…」
彼を見た…その笑顔に逆らえなかった。
「が…頑張る…」
「ならやれ…ほら、誰が来た!」
巨人が見る方から鐘が鳴り、振り向くと大きな輝きが頭を満たした…視界がすべて白くなる前に、声が聞こえた。
「エリーゼ!エリーゼ!弟子!起きる時間だ!」
懐かしい声…懐かしい…




