第12章:今日は君の番、明日は俺たちの冒険だ
°°°°°°°°°°°°°°°°°° リタの視点 °°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°
「やってみろ、このくそエルフ!俺を怖がってると思うのか?」
そのろくでなしは杖を抜いたので、私はすぐに顔を殴り飛ばす準備をした。
「お前たち二人、止まれ!」
太っちょが言った。
「仲が悪いのは分かっているが、これはお前たちの問題ではない。俺の娘の問題だ。それ以上に大事なものはない!」
あのくそ野郎が本当にそんなことを言ったのか?
「あなたに対して、間違いなく持ち合わせていない敬意を込めて言いますが、あの小娘を護衛もつけずに私の酒場へ送り込んだことに対する抗議に来ました。」
私はできるだけ玉座に近づいた。
「そしてあの子は私のものだ。その所有権は私に属する!」
「ハハハハハ、確かにお前には俺の分を売った。」
くそアスビンが嘲笑った。
「俺の分は売ったさ、愚かなエルフ。だが、母親の権利まではお前には売れない。」
「何を言っている?私の書類には、王が認めると明確に書いて…」
しかし私の言葉が出た瞬間、王の顔はさらに真剣になった。
「お前…これを知っていたのか?このくそ野郎!ウリエル!これを知っていたのか?」
王はしばらく黙り、娘の髪を撫でてから私に視線を戻した。
「もちろん知っていた。アスビン自身が私を説得したのだ。」
私は拳を握りしめた。腹が立って仕方なかったが…何もできなかった。
「くそじじい!」
「もう止めなさい!あなたは誰だと思って陛下にそんな口を利くのは?」
金髪の長い髪、背が高く細やかに恵まれた体型の女性が玉座へ歩いてきた。
「夫よ…なぜこんなことを許すのですか?王としてあるまじきことです!」
女性は赤い目で王を見たが、王はすぐに目をそらした。
「愛しい人…それ以上言わないでくれ。口を出さないでくれ…リタ、お前がとても怒っているのは分かっている…だが、いつでも母親と交渉できるだろう。」
王は私を見て、いくつかの巻物を投げた。
「望むなら、予算を増やそう…娘の近くに衛兵を置こう…だが、母親の権利は譲らない。」
「へえ…結局、俺のものを返してもらうと—」
アスビンがくだらないことを言い終える前に、私が先に口を開いた。
「なら、母親と交渉するだけだ…」
私は床に投げ倒した男を一度蹴ってから外へ歩いた。
「では、正当な母親が迎えに来るまで私が預かる。」
「お嬢—」
彼が話す前に、王が言った。
「やめろ、アスビン…子供たちに集中しろ。少しでも機会を得たいなら、母親を探せ。」
アスビンはひざまずいた。
「承知しました、陛下…」
出る前に、アヒルのヘシエンが王の玉座へ走っていくのを見た。
「クァ!クァ!」
王は顎に手を当てた。
「またか、ヘシエン?通せと言っただろう…アスビン、こいつを元の姿に戻して、この殴られた男を牢に入れろ。」
アスビンは立ち上がってアヒルをつかんだ。
「承知しました、陛下!」
そうして私はアウラと共に城を後にした。その前に、ミサの父親を装っていたもう一人の男も投げ捨てた。
「次はせめてまともな奴を探せ!」
その後、私はアウラと共に家へ向かった。
°°°°°°°°°°°°°°° エリーゼの視点。翌朝。 °°°°°°°°°°°°°°°
翌朝、俺は兄のジロと一緒に朝食を食べながら、のんびりあくびをしていた。
「なあ、エリーゼ…なんであの女の子がずっとお前のそばにいるんだ?」
ジロはパンを食べながらそんなことを聞いてきた…まるで彼とミサが朝から俺の神聖な部屋を侵略していないかのように…まあ、ここで寝てるのはミサだけだけどな。
「忠実な侍女と共にいるのは女王の義務です!あなたのような汚い平民とは違います!」
俺は何も言わず、気をそらすために彼女の頭を撫でた。
「その通りだ、ジロ…俺はどちらかと言えば王だと言いたいが、彼女は勘違いしたんだろう、だから分かってやれ…」
俺はミサの口に少し自分の食事を入れた。
「俺に言わせれば、分かってないのはお前の方だ…」
ジロは席を立ち、出る前に言った。
「俺は剣の訓練に行く!またな、エリーゼ!」
そして走って行った。
「お前の兄は剣に熱心だな、ハハ。そうだ、この荷物をユキネじいさんのところへ届けてくれないか?」
ナルミは小さなカップとパンをいくつか俺に渡した。
「うん!食べ終わったら行くよ!」
俺はナルミに笑いかけ、彼女も笑みを返した。
腕をコツンと叩かれた。
「お姉ちゃんは私にしか笑っちゃダメ!」
ミサは少し俺を押した。
「はいはい。ごめん!」
そうしてまた彼女の頭を撫でた。最近はますますべったりで、今ではミサが来るたびにいつもじいさんが酒場か外にいる。
食べ終わると急いで荷物を持って出ようとしたが、ミサが食事を半分残してついてくるのを見た。
「ダメだ、ミサ。ちゃんと食べなさい!良い女王は無駄にしないと覚えておけ!」
俺は彼女を持ち上げて座らせ直した。
「でも…わかった…」
ミサはそこで食べ続けたので、俺は外へ出てじいさんの住処へ向かった。
俺は市場を歩き、他の子供たちに会わないよう気をつけた。卵を二つ買い、誰もいない通りを静かに歩き、幸運の女神の教会に着いた。そこにある小さな像に卵を二つ投げつけ、自分の偉業を一秒鑑賞してから、西側へ道を進み、大きな門を通った。衛兵に挨拶し、ついに町の最も低い地区に着いた。
「なあ、あの女の子は魔女の?」
「近づくなよ…ジョンじいさんはまだ、食べるものすべてが卵の味がするんだ。」
「貧しい野郎が100回以上アヒルに変えられたって話だ。」
そんなのを無視して、ひび割れた地面を歩いた。もちろん、内外に多くの衛兵がいて、30メートルごとに一人に会えた。酒場、宿、冒険者学校、怪しい魔法教室。俺はすべて無視して最後まで歩いた。小屋があり、城壁の下から流れ出る小さな池で老人が釣りをしていた。
俺は一気に扉を開けた。
「じいさん!どこだ?ナルミからの届け物だ!」
がらくたの家の中を全部探したが、誰もいなかった。家は少し汚れて手入れが悪かったので、外に座って待つことにした。
「じいさん…どこにいるんだ?」
遠くにじいさんが来るのが見えた。彼は町の下水道を掃除する仕事をしていた。
「おい、じいさん!ナルミがこれを届けろって!」
俺はパンの袋とカップを渡した。
「ナルミの嬢ちゃんはいつもこのじじいに気を使ってくれる。エリーゼ、これはどうだ?感謝として魚を釣る呪文を教えてやろう。長い間役に立ってきた。」
老人は微笑んだので、俺はうなずいた。知る限り、老人には子供がいるが、別の町へ行って訪ねてこない。だから時々師匠の命令で酒場で無料で食べ、時々ナルミが使いを送る。
俺たちは湖に近づいた。
「見て、この小さな友は大したものに見えないが、すごいことをする。」
俺が見たもの、そして他の全員が見たものは…ただの赤い布切れだった。
「まあ、見て。マナを手に集中して、望むものを想像する。」
小さな赤い輝き。
俺は老人が布を水に投げるのを見た。
「…それだけ?」
「そうだ。お前には何でもないように見えるかもしれないが、あの魚たちには芋虫の幻影を見ているようなものだ。長くはもたないが、一匹か二匹釣るには十分だ。」
老人は不器用に笑い、俺は数分そこにいた。小さな魚が食いつき、彼は引き上げた。
「見たか?大きなものではないが、いつか飢え死にを救うかもしれないものだ。」
「うん。その通りだ。」
俺は集中してやってみた。
「生きていると考えるんだ。動く小さな芋虫だ。」
難しかった…でもやがてできて、水に投げた。数分後、もう一匹小さな魚が食いついた。老人は俺にくれようとしたが断った。
「いや。いいんだ。この知識だけで十分すぎる贈り物だ。ありがとう、じいさん!」
俺は彼の手を握って別れた。去る前に老人が叫んだ。
「いつかお前は大釣り師になって、それらしい格好をするかもしれないな!」
彼は手を振って別れを告げた。
俺は町を静かに歩き、平民の暮らしを見て、自分が王になったらどう良くなるか想像した。
「そうだ…この王国にはエルフだけが給仕する酒場が必要だ。」
想像した。丁寧に選ばれたエルフたち、長い髪、あらゆる体型と性格。それが楽園か?しかし何かがぶつかった。水?見上げると、あのガキどもがいた。
「ほら!ここに王女がいるって言っただろ!」
「その通り。おい、王女、泣くのか?」
二人の子供だった。どこからどうやって…でも外に出てから、多くの子供たちが似たようなことをする…
「へえ…へえ、お前らは…」
言葉を終える前に、一人に肘を入れ、もう一人の腹を殴った。
「わあ!ママが殴った!」
「パパに言いつける!」
こいつらにはいつもこうだ。だから名誉を守った後、走って逃げた…どうせ師匠のところまでは来ない。正門を抜けて家に着いた。
「エリーゼ!」
ミサが抱きつき、それから離れた。
「うわ、濡れてる!」
「大したことない!」
全身に意識を集中して乾かした…でも服は乾かず、また濡れた…それから上に上がり、服を掛けて別のを着た。
「愚かな弟子!どこだ?」
下りると、師匠が下にいた。小さな袋を持っていた。
「完璧だ!今日は攻撃魔法で狩りを教える!」
「やった!私も行く!」
ミサは嬉しそうに跳ねた。
師匠は森を指さした。
「行くぞ、弟子!冒険が待っている!」
師匠は輝いて見え、俺は誇らしかった。
「ミャア。 〈また馬鹿なことを。〉」
テーブルに横になっていたアウラが、食事中の男と一緒についてきた。
正門に近づくと、衛兵たちは俺たちを見るなり扉を開けた。
「こんにちは!」
俺はジョンソン衛兵に挨拶した。衛兵は何も言わず、俺も見ず、前の衛兵にうなずいただけだった。
「見てるぞ、ジョンソン…何かしようとしたら承知しない!」
もう一人の衛兵は棍棒を手に見ていた。
そうして俺たちは通り、ジョンソンは目を伏せた。
「王の警備、いつも通り安全だな…」
俺は草と時々花が咲く道を見た。
「ミャ…ミャ。 〈あの可哀想な男、お前のせいでトラウマになった…〉」
アウラの言葉を無視して歩き続け、いつもミサと手をつないでいた。森を歩いた。遠くに地面にたくさんの枝が散らばっているのが見えた。
「ハリエル、一番近いダンジョンはどこ?」
師匠は両手を合わせ、しばらくして南を指さした。
「あっち!」
男が彼女に近づいた。
「すみません、あの…子供には危険すぎませんか?」
師匠は馬鹿げたことを言ったかのような目を彼に向けた…分かる。初めて自分が王だと宣言した時に浴びた目だからな。
「危険じゃない。そのために私が行くし、お前が護衛だ。だから行くぞ!」
師匠は歩き続けた。俺はミサをおぶった。
「ありがとう、エリーゼ!リタ様に追いつこう!」
俺は少しうなずいて歩き続けた。少しずつ花が増え、木々も少し変わってきた。突然、師匠は歩みを止めて浮かび始めた。アウラは歩みを止め、あの男の肩に乗った。遠くに見えた。大きな洞窟の入口だった。ドワーフ、エルフ、獣人、人間の露店があった。あらゆる種族が買い物をし、洞窟を出入りしていた。怪我人もいれば、ほとんど無傷の者もいた。
「安い鎧!素材との交換歓迎!」
「品質3回検証済みのポーション販売!」
「一泊銀貨150枚!」
何でもあった。あらゆる目的の商売。ダンジョンの中へ歩くと、人々が入っていくのが見えた。ダンジョンに一歩入ると、雰囲気が違った。感覚がより鮮明になったような…
「初めてだね、エリーゼ!」
ミサは俺の背中で興奮して暴れた。俺は少し怖かった…
「怖がるな、エリーゼ。これは錬金術師の生活の一部だ。」
師匠は微笑んで俺の頬をつまんだ。
「それに、私とアウラがいる。」
「俺も—」
師匠は男の前に手をかざして黙らせた。そうして俺は初めてダンジョンに入った…知らずに…長く通い続けることを…




