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拳銃密造少女  作者: SRF
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17/30

8月9日(日)「青」

 今日は友達のあずさとミュージカルを見に行く。私たちの友人、レイティーが出演するからだ。今日の銃作りはお休みである。


 まっすぐな黒髪を下ろし大人っぽいあの背中はあずさだ。同い年なのにOLに見える。

 道中、あずさとガチャ報告をする。お互い筋金入りのオタクなので心置きなく話せるのだ。

「りんみてー先生当てたんだー天井すり抜けで。」

「うっわ悲惨だな。はは私もだぜ」

「ワァ……ァ……!」

 ちい○わになったあずさは置いといて、会場に到着。スタッフにチケットを見せ、席に着く。


 劇は兄弟が幸せの青い鳥を探しに行く話。童話「青い鳥」がベースだろう。元ネタを予想していると、劇が始まった。

 演者もダンサーもみんな子供なのに、生き生きと感情を込めて演技している。可愛い。だが運悪く、照明の光がめっちゃ目に刺さる席だった。顔を逸らすとあずさと見合ってしまい、声を抑えて笑った。


 あっレイティーがいる!ミュージカルらしく笑顔全開で踊ってる、可愛い。レイカは一応同い年なのだが身長が低いので小学生に混ざっても違和感がない。言ったらしばかれそう。


「おばあさん、幸せの青い鳥を取ってきたよ!あっ、鳥籠からにげていくよ〜!」

 長い冒険を経て手に入れた青い鳥は、簡単に逃げた。ここで幕が降りる。なんだかモヤモヤする終わりだった。恐らく、幸せは鳥ではなく自分にある的なメッセージが込められているのだろう。


 脚本家の思惑に乗ってあげよう。私の幸せとは何か考えてやる。母親の復讐は爽快だが、今までの不幸を無くすという感覚なので幸福では無いな。大好きな君に報告するのは楽しいが、本質は虚無と自己愛だ。なんせ君は私の脳内にしか居ないのだから。

 隣の楽しそうなあずさを見て気付く。私の幸せはこうして友達と一緒にいれることなのだろう。


 劇を見終わった後は、ふたりでご飯屋さんへ行く。あずさおすすめの店で、暖かく落ち着いた雰囲気が素敵だ。さすがだ、食いしん坊OL。

 お肉がほくほくで美味しい。あずさは美味しいものを食べた反動で何故か将来の不安を語り出した。クラスのやつが陽キャで辛いとか、美術部なのに体育会系のノリだとか、一生ニートがいいとか。

 愚痴る彼女は酔っ払った社会人みたいで面白い。

「りんは将来どうするのー?」

「私かー社不すぎてまともな職つけなさそう」

 ご飯屋さんで高校生が将来の不安を語り合う。おかしな状況だが、今が青春していると思った。


 チャリを家へ走らせながら、楽しかった余韻に浸かる。これから先も友達と遊べるという幻想を見そうになるが、私の人生はこの夏で終わるのだ。

 母さんと同じバケモノになる前に、大人になる前に死なないといけないから。

 これにて十四日目の報告を終了する。

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