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「もー。知識が豊富なセンパイ方の前で、知ったような話するの嫌っすよー」
「まだ聞きたい事があるの。お願い」
唇を尖らせた洸太郎に、つむぎが頼み込んだ。
「もー。じゃ、碧人センパイと日菜センパイは聞くだけっすよ」
洸太郎は腕組みをした。
「わかったよ」
「……わかった」
そっぽを向いて、日菜が答えた。
「ぜーったいっすからね!」
「……洸太郎」
「やだセンパイ、見つめないで」
洸太郎が両手を口に当てた。目をパチパチと瞬かせる。
つむぎは思わず吹き出した。
「じゃ、続きの前に、飲み物を買いに行こうか」
「サンセー!!」
碧人の提案に洸太郎が立ち上がった。
まだ授業中だからか、大学の売店は空いていた。
「センパーイ、約束のカフェオレ、コレがいいっす♡」
つむぎがペットボトルのお茶を選んでいると、洸太郎が高めのカフェオレを持ってきた。
「うん、わかった」
「げっ! なにその高いやつ!」
受け取ろうとしたつむぎの横から手が伸びて、日菜が顔を顰めた。
「あんたにはコレで十分よ!」
近くのケースから取った紙パックのコーヒー牛乳を、洸太郎に渡した。
「えぇー。日菜センパイ、ひどーい!」
「私はさっきので良かったよ?」
眉を下げたつむぎが、洸太郎と日菜を交互に見た。
「先輩、こいつを甘やかすと、どこまでも調子に乗りますから。甘やかさない方が洸太郎のためですよ」
「お母さん……」
洸太郎が、両手を口に当てて目を瞬かせた。
「お母さんじゃないっつーの!」
「お? どうした?」
離れた棚にいた碧人が合流した。カゴには、チョコレートとコンソメ味のポテトチップスが入っている。
「みんな飲み物選んだ? ほら、カゴに入れて。今日は俺が出すからさ」
「お父さん……」
洸太郎が目を輝かせた。
「うん? 洸太郎は好きなの選んだのか?」
「もちっす!」
日菜が棚に戻したカフェオレを、洸太郎はこっそりカゴに入れた。




