第8話 シアター
おばあちゃんは結構映画が好きだ。
若いころは、おじいちゃんと一緒に映画館によく足を運んでいた。
叔父さんやお父さんの小さいころは、アニメ映画も良く見に行っていた。
そんな家族の影響もあって、自分も結構映画を見るのが好きだ。
この前おばあちゃんが、
「色んな映画見たいけど、レンタルビデオこの辺にないからね~」
って言ってた。
確かにこの近くにある〇U〇A〇Aは車でも1時間以上離れた町まで行かなければならない。
車を持たないおばあちゃんは、テレビで入る映画だけでは物足らないとも言っていた。
そこで、自分が動画配信サイトを契約して(もちろんお金は自分が払ってる)、ついでに大きい画面のテレビも用意し、設置をして使い方も教えてきた。
テレビを設置して一月位経った頃、また週末におばあちゃんの家にやってきた。
「おばあちゃん、映画見てる?」
「あれ、あんた、ありがとうね~。おかげで懐かしい映画、最近の映画とか毎日見てるよ。」
「でも、一人で見てても楽しい?」
おじいちゃんとお話しながら映画を楽しんでいたと聞いていたから、つい、余計なことを言ってしまった・・・。
「そうだねぇ~。おしゃべりしながら見れないのはつまらないけど、最近はそうでもないんだよ」
そういうと、おばあちゃんはゆっくり話し始めた・・・。
設置してもらったテレビが大きいから、室内の灯りを薄暗くして、なんとなく映画館の雰囲気に近づけるようにしてみているとのことだ。
なぜか、映画を見ている間は、柱時計はボ~ンボ~ンと音が鳴らない。
そしてスマホは、見たい映画をリクエストしてくる。
それよりも、座敷の障子をみると、無数の目が真剣にテレビを見ている。
中には、目をつむって寝てるようなのもあれば、悲しい場面では涙ぐんでいるものや真剣な目で画面を見つめているものもいたらしい。
「一緒に見ている目があるから、なんだか、映画館にいるみたいで楽しいね~」




