第7話 柱時計
おばあちゃんの家は結構な田舎にある。
おばあちゃんの家の居間には大きな柱時計がかかっている。
おばあちゃんがこの家にお嫁に来たころからあるらしいので、かなりの年代物だ。
振り子が付いていて、カチコチカチコチ音を刻んでいる。
時間になると、ボ~ンボ~ンと音が鳴る。
この音がなんだか心地よい。
小さいころ、寝ようとしてるのに、そのカチコチカチコチの音が気になってなかなか寝付かれなかった覚えがある。
それにゼンマイ式で定期的にねじを巻かなければいけない。
時計が止まった時は、このゼンマイのねじを巻き、時計の針を合わせて、振り子を軽く揺らしてやると、再びカチコチカチコチと音を刻みだす。
小さいころ、このねじ巻きをすることがひそかな楽しみだった。
今週末もおばあちゃんの家にやってきた。
「あれ?おばあちゃん、時計止まってるよ」
「そうかい?じゃあ、久しぶりにねじ巻いておくれ」
自分は喜んでねじを巻き始めた。
「おばあちゃん、ねじ巻くのとか大変じゃない?電波時計とか、最近の新しいのにしたらどうかな?」
ねじを巻くのが好きなのに、心にもないことを言ってしまった・・・。
「何言ってるんだい。まだまだ動くし、なにより風情があっていいじゃない」
そういうと、おばあちゃんはゆっくり話し始めた・・・。
前はそんなことなかったんだけど、最近は居間の電気を消すとしばらくすると、カチコチカチコチの音が聞こえなくなる。
朝起きてみるとちゃんと動いていて、正確に時を刻んでいる。
しかも時間がずれることはない。
相変わらずいい時計だね~と声をかけたりすると、照れた感じでボ~ンと音が鳴ったりする。
たまにうたた寝して、はっと目を覚まして時計を見ると、時計も、はっとした感じで動き出して、時刻を行き過ぎて、慌てて針が戻ったりする。
スマホが
「6時だぞ、鐘の音は?」
って言ったと思ったら、急にボ~ンボ~ンとなりだしたりする。
「こんな楽しい時計、他にはないよ」




