第3話 ストーカー
おばあちゃんの家は結構な田舎にある。
最近不審者が多いらしいときいて、夏休みを利用して、おばあちゃんの家に人感センサーのライトと監視カメラをつけたんだ。
その監視カメラの通知を見てみると、郵便や宅配便の人、近所の人が来たりと意外に人の出入りが多いみたいだ。野良ネコやウサギ、タヌキなどの野生動物も写ったりしている。何もないのに監視カメラが作動している時もあるようだ。それと、やたら背後を気にするおばあちゃんの姿が写っていることもあった。
自分はおばあちゃんが心配になってきて、電話をしたが、
「心配しなくていいよ」
というばかり。
何もいないのに、センサーが反応したり、おばあちゃんが背後を気にしている様子に、無性に心配になって、週末におばあちゃんの家を訪ねることにした。
「おばあちゃ~ん、こんにちは~!」
「あれ!あんた、最近よくきてくれるね~」
「うん。おばあちゃんの元気な姿が見たくって!」
「あんた、嬉しいこと言ってくれるね~。さあさあ、上がってゆっくりしておゆき。」
居間でくつろぎながら、タブレットで監視カメラの映像を再確認してみた。
やっぱり、何もいないのに監視カメラが反応している。
猫なんかは写っているから動物とは別のものに反応しているみたいだ。
虫だとか植木の葉っぱや花が風で揺れて反応しているわけでもなさそうだ。
そしていくつものデータを見ていて気が付いたことがあった。
おばあちゃんが外出から背後を気にしながら帰ってきた時の数分後にセンサーが反応している!
背後を気にせずに帰ってきた時はセンサーは反応していない。
これは何か因果関係があるのかもしれない。
おばあちゃんに確かめなくては・・・。
「おばあちゃん、最近誰かに後を付けられたりとか、そんなことある?」
「なんのことだい?」
「ストーカーとかに後を付けられたりしていない?」
「へ?こんなバーさんにストーカーなんていやしないよ」
「いや、玄関で後ろ振り返ってるじゃない」
「ああ、あれかい?」
そういうと、おばあちゃんはゆっくり話し始めた・・・。
道を歩いてると、自分の足音のほかに後ろからヒタヒタと足音が付いてくる。
別に何かがいるわけでもなく、立ち止まると、足音も止まる。
歩き始めると、また足音が付いてくる。
そんな時は後ろに向かって、『お先にどうぞ』っていうんだそう。
そうすると、足音が追い越して行くらしい。
玄関前まで来てしまったときは、『お先にどうぞ』っていうと、家の中に入ってくると困るから、向きを変えて足音を別のルートに追いやるんだそうだ。
(なるほど~、それで、後ろを気にしてたんだ。)
「あれ?そうしたら、おばあちゃんが家に入った後に何も映ってないのにセンサーが反応してるのは?」
「ああ、それは足音が玄関まで戻ってきたんじゃないのかね?」




