殿下と友達
生徒会会議翌日、教室へ入るといつもの三人が既に席に着いていた。
各々が角の席に座っているのを確認したユフィーアは、いつも通り空いている角の席に腰を下ろした。
暇な時間を潰すため、机から本を取り出し開こうとすると、「やぁ、エスプリア嬢、今日も早いね」と声をかけられた。
「ご機嫌麗しゅう、レイアス殿下。えっと、何かご用が⋯⋯?」
「あぁ、すまない、伝統祭の事について少し話をしたいんだが良いかい?」
「はい、大丈夫です」
「伝統祭なんだが、ダンスパーティーと武闘大会の運営で困っている事があるんだ」
「⋯⋯と、言いますと?」
「ダンスパーティーは開演の挨拶として生徒会長が話をする。その後、総務が魔法で開演の合図を出すんだが僕やカイゼル総務は魔法が得意じゃなくてね、君に任せたいんだ。」
「わ、私に⋯⋯ですか、?」
「どうしても君がダメなら、ドライブ卿のご子息に頼むしかないんだけどね、受けてくれるかい?」
ユフィーアは頭をフル回転させていた。
(なんて答えようぅぅ⋯⋯断ったら「無礼だな、もう関わるのはやめよう」とかならないかなぁ、面倒くさいけど護衛は続けないとだしやるしかないよね⋯⋯)
覚悟を決めたようにユフィーアは口を開く。
「お任せ下さい。生徒会役員として最善を尽くしてみせます」
「感謝する、ユフィーア。これからも同じ生徒会として良い学園を作っていこう」
「はい、殿下がいらっしゃれば今よりも良い学園になるかと」
「頼んだよ」と言い残し、レイアスは座っていた席に戻って行った。
面倒くさかったなと思ったが、口に出すと首を落とされても困るので心の中に閉まっておき、改めて本を読もうと表紙をめくると、次はメルレスが声をかけてきた。
「やぁ、ユフィーア、今日もいい天気だね」
「おはようメルレス、今日もメルレスの魔力は凄まじいね!」
「ははっ!そうかな?ユフィーアも凄い魔力だね」
「それで、突然どうしたの?」
「あぁ、それはね、突然だがユフィーアも武闘大会に出ないかい?」
「⋯⋯え?」
「授業でも生徒同士の戦闘は基本禁止されているだろう?だから、武闘大会じゃないとユフィーアと魔法を交える機会が無いなと思ってさ!」
「いや、生徒会の推薦枠はもう埋まっちゃてるし厳しいんじゃないかな⋯⋯?」
「それなら大丈夫!生徒会関係なしに一般希望でもいいんだって!だから、ユフィーアの許可が降りれば早速推薦してこようかなって!」
ユフィーアは、再び脳をフル回転させた。
(今メルレスとの関係をこじらせるのも得策じゃない⋯⋯久しぶりに攻撃魔法も使えるし出てもいいかも⋯⋯?)
「うん、いいよ、私も武闘大会にエントリーするよ」
「ほんとに?やったー!じゃあ僕が推薦してくるね!」
そう言って、メルレスは風魔法で加速して急いで教室を出ていった。
その後、廊下から怒号が聞こえてきたのはここだけの話。
いつも閲覧頂きありがとうございます。
セブンス・ウィッチの作者 水瀬 もみじ です。
正式に、セブンス・ウィッチの投稿日が決まったので報告させて頂きます。
昨日から他作品も並行して書いて行く事になりました。
その影響で、セブンス・ウィッチは月の第一週、第四週の火曜日に投稿させて頂くことにしました。
良ければ並行して書いている、"四精霊神の幻想"も共によろしくお願いします。




