生徒会会議
「これから会議を始める」
ユリウスが言うと、副会長のライアが口を開く。
「会議を始める前にユフィーア、あなたの後ろに控えている殿方はどなた?」
「こちらの方はブライト伯爵家のノエル様です。規則違反を起こしたため聴取をし、罰として私の下に着く事となりました。」
ライアが「そうだったのね、お疲れ様」と言うと、ヴェニクスが口を開く。
「なんでユフィーアの下に着いたのに様呼びなんだ?」
「⋯⋯⋯⋯」
ヴェニクスの一言で生徒会室にいる全員の思考が止まった。
「なんでって、ノエル様は貴族で先輩だし⋯」
「⋯⋯?部下に様をつける上司なんかいないぞ」
何も言い返せない。
その通りすぎる。確かに部下に様をつける上司なんかいない。
全員が口を開けないで固まっていると意外な人物が口を開いた。
「あぁーもう、俺が様呼びじゃなくていいと言えばいいんだろっ!ユフィーア・エスプリア、俺の事はノエルと呼べ、分かったな?」
「え⋯⋯んぁ、はい」
ノエルの気迫に押され、ユフィーアがなんとも言えない表情で返すと、ヴェニクスが「なんかすまねぇ」と言い顔を背けた。
窓の外にいる梟が何か言いたげな顔をしていたが気づいてる者はいるのだろうか⋯⋯
「ん゛ん゛、改めてだが、今日の議題は伝統祭についてだ、まずは流れを説明する。」
喉を鳴らしユリウスが会議を再開させると、ライアが資料を配った。
「大まかな予定はこの資料通りで、伝統祭は三日間に分けて行われます。一日目は外店、二日目は武闘大会、最終日はダンスパーティーという形で行われます。武闘大会は希望者を集い、ダンスパーティーは学園関係者のみ。ここまでで質問は?」
ライアが区切りをつけながら話していると、殿下が口を開いた。
「副会長、この武闘大会の1番下に書いてある生徒会役員からも四名選出と言うのは⋯⋯?」
「あぁ、それは私から説明しよう。」
応答しようとしたライアを制止し、ユリウスが話し始めた。
「武闘大会では毎年、生徒会役員から四名以上の出演者を選出しなければならなくてね、勝手ながら今年の選出者をこちらである程度決めてみたんだ。」
「選出者は誰に?」
「一人目は1-S、メルレス・ラン・ドライブ書記二人目は3-A、ライア・ウィベッチ・ベルドーン、三人目、2-Sフィマイア・ディン・ライザット、四人目は1-S、レイアス・エルニール・セリントル殿下総務、君たち四人に任せたい、頼めるかい?」
「「はい、お任せ下さい」」
「「全力を尽くします」」
各々が返事を返し、会議は再び伝統祭の準備の話へと移った。
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会議が終わるとユフィーアはすぐに寮へ戻った。
部屋の窓の外には金色に輝く瞳の梟が居るのを見て窓を開けてやる。
「主様、ご報告があります。」
「どうしたのアベリア?あ、その前に会議の時こっちみて「本当に魔女なのか?」みたいな事考えてたでしょ」
「い、いえ、主様は今日も可愛いなと⋯⋯あはは、あっ、そ、それより!ご報告なのですが、実は⋯⋯街中で主様が仰っていた歪な魔力を感知致しました。転移で確認しに行ったのですが、すぐ消えてしまい消息不明です。如何なさいますか?」
「分かった。また魔力を感知したらすぐ私に知らせて」
「かしこまりました」
バサササとアベリアと言う名の梟が飛び立ったのを確認すると、ユフィーアは生徒会資料へ目をやり、大きな溜息を吐いた。
何故なら、ユフィーアの数少ない嫌いな物の中でも頭が飛び抜けているくらい嫌いなダンスを人前で披露する、あまりにも大きい試練。
この壁を、偉大な魔女と呼ばれているユフィーアは無事乗り越えられるのか⋯⋯と、どこかで聞き耳を立てている梟は思った。
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生徒会資料の一部
一日目:学生の出し物
・学園の全てを使い、各々の出し物を作成
・必要な物は教員に報告後、搬入
※出し物を回っている時は交代で警備
二日目:武闘大会
・希望を集い、集まった生徒同士を一対一で試合をさせる
・勝者のみ試合に残る事が出来る
・対戦相手はランダムで決められ、変更は受け付けない
・欠員が出た場合、代行者を選出させる
※生徒会役員は四名選出
三日目:ダンスパーティー
・学園関係者全員参加
・会場準備は生徒会役員と教員が準備
・告知の手紙を作成
※生徒会役員は役員同士でペアを組み、一曲は必ず踊ること
ー 分担 ー
会長:全体指揮
副会長:会長補佐
総務:会場作り
会計:予算管理
書記:記録 チラシ作り




