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冥王の刀  作者: 涼
神槍の勇者
27/31

待ち合わせ

 広場は人がより多く集まっていてすごく、窮屈だった。俺とシリウスは広場の隅に移動した。

「人が多い。」

「こんなに多いと、イーナたちは見つかるか?」

 人の波に辟易していたシリウスは大分、ぐったりしていた。

「無理ですね。こんなに人が多いと、鼻も効きません。」

「そうか。」

 竜は鼻が利くから大丈夫と思っていたが流石にこの人の数じゃあ、無理か。

「すみません!」

 そこには色褪せ、汚れた服にもとは金髪だろう軋み、ボサボサの子供がいた。

「ん?俺たちに何か用か?」

「はい。3人の女性があっちで誰かを探していました。」

「その人たちは巫女とシスターと女の子?」

「はい。」

 そんな特徴的すぎる女性陣はそうそういない。

「じゃあ、イーナたちだな。」

「銀貨5枚で案内します。」

「え!?」

 まさか金を取るとは思わなかったのか、シリウスが声をあげていたが、こういう場所ではよくあることだ。

「あぁ、なるほど。案内には高すぎる銀貨4枚でどうだ。」

「もう少し欲しいですね。銀貨3枚。」

「それくらいならいい。」

「じゃあ、後払いで案内します。」

 こいつ、頭いいな。金をぶん取って逃げることはしないあたり、顧客獲得を狙ってやがる。

 子供の案内で緑の髪色をした女性の後ろ姿が見えた。あっちもこちらに気づいた。

「あ、レイハさん!やっと会えました!」

「すまない。この人混みで見つけられなかった。」

「しょうがないですよ。それでその子は?」

 イーナが子供に気がついた。子供に対する嫌悪感はなく、なんとなく察してもいた。こういう子供に幼い頃から友好があるのだろう。

「あぁ、案内をしてもらったんだ。銀貨3枚だ。」

「まいどあり。サービスであっちに神槍があって見所があります。」

「ありがとう。」

 子供は金を受け取り、人混みの中に消えていった。広場の中央付近に近寄ると、人が一定方向に視線がいき、何かを見ていた。

「何かやってるな。」

「参加してみたいです。いいですか?」

 好奇心旺盛なヒメカがソワソワしながら許可を求めてきた。

「いいぞ。これも経験だ。」

「はい!」


 広場の中心には男性と女性がペアで踊っていました。

「楽しそうですね。」

「みんな、おめかししているな。」

 シリウスさんが隣でそう言いました。確かに男性はスタイリッシュな服を着ていて、女性はひらひらとした華やかな服を着ていてみなさん、おしゃれをしていました。

 そう観察していたら近くの男性から声をかけられました。

「お、興味があるのかい?お二人さん?」

「これって自由参加なのか?」

「踊っている皆さん、伝統的な踊りをしてらっしゃいますね。」

 レイハさんとイーナが来て男性に尋ねました。

「ん?そっちはご夫婦かい?この祭りの醍醐味で老若男女、誰でも参加できるただの集まりさ。」

「へ〜。」

 夫婦あたりは無視して男性の話を促していますが、耳、赤いですよ?

「あ、でも、この祭りでの決まりがあって、男は一つ、女に贈り物をするのさ。」

「贈り物には決まりがあるのか?」

「贈り物に対しては決まりはないさ。花束でもいいし、アクセサリーを贈ったやつもいる。」

「ふむ。」

 レイハさんはもう贈り物を決めているようでした。

「ナチュネ。アドバイス、頼む。」

「は~い。」

 シリウスさんは素直にナチュネさんに指示を仰いでいました。性格と女性経験が垣間見えましたね。

「何を贈ってもらえるのか、楽しみですね。」

「そうですね。」

 イーナさんにそうおっしゃられて、思わず笑みがこぼれました。


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