待ち合わせ
広場は人がより多く集まっていてすごく、窮屈だった。俺とシリウスは広場の隅に移動した。
「人が多い。」
「こんなに多いと、イーナたちは見つかるか?」
人の波に辟易していたシリウスは大分、ぐったりしていた。
「無理ですね。こんなに人が多いと、鼻も効きません。」
「そうか。」
竜は鼻が利くから大丈夫と思っていたが流石にこの人の数じゃあ、無理か。
「すみません!」
そこには色褪せ、汚れた服にもとは金髪だろう軋み、ボサボサの子供がいた。
「ん?俺たちに何か用か?」
「はい。3人の女性があっちで誰かを探していました。」
「その人たちは巫女とシスターと女の子?」
「はい。」
そんな特徴的すぎる女性陣はそうそういない。
「じゃあ、イーナたちだな。」
「銀貨5枚で案内します。」
「え!?」
まさか金を取るとは思わなかったのか、シリウスが声をあげていたが、こういう場所ではよくあることだ。
「あぁ、なるほど。案内には高すぎる銀貨4枚でどうだ。」
「もう少し欲しいですね。銀貨3枚。」
「それくらいならいい。」
「じゃあ、後払いで案内します。」
こいつ、頭いいな。金をぶん取って逃げることはしないあたり、顧客獲得を狙ってやがる。
子供の案内で緑の髪色をした女性の後ろ姿が見えた。あっちもこちらに気づいた。
「あ、レイハさん!やっと会えました!」
「すまない。この人混みで見つけられなかった。」
「しょうがないですよ。それでその子は?」
イーナが子供に気がついた。子供に対する嫌悪感はなく、なんとなく察してもいた。こういう子供に幼い頃から友好があるのだろう。
「あぁ、案内をしてもらったんだ。銀貨3枚だ。」
「まいどあり。サービスであっちに神槍があって見所があります。」
「ありがとう。」
子供は金を受け取り、人混みの中に消えていった。広場の中央付近に近寄ると、人が一定方向に視線がいき、何かを見ていた。
「何かやってるな。」
「参加してみたいです。いいですか?」
好奇心旺盛なヒメカがソワソワしながら許可を求めてきた。
「いいぞ。これも経験だ。」
「はい!」
広場の中心には男性と女性がペアで踊っていました。
「楽しそうですね。」
「みんな、おめかししているな。」
シリウスさんが隣でそう言いました。確かに男性はスタイリッシュな服を着ていて、女性はひらひらとした華やかな服を着ていてみなさん、おしゃれをしていました。
そう観察していたら近くの男性から声をかけられました。
「お、興味があるのかい?お二人さん?」
「これって自由参加なのか?」
「踊っている皆さん、伝統的な踊りをしてらっしゃいますね。」
レイハさんとイーナが来て男性に尋ねました。
「ん?そっちはご夫婦かい?この祭りの醍醐味で老若男女、誰でも参加できるただの集まりさ。」
「へ〜。」
夫婦あたりは無視して男性の話を促していますが、耳、赤いですよ?
「あ、でも、この祭りでの決まりがあって、男は一つ、女に贈り物をするのさ。」
「贈り物には決まりがあるのか?」
「贈り物に対しては決まりはないさ。花束でもいいし、アクセサリーを贈ったやつもいる。」
「ふむ。」
レイハさんはもう贈り物を決めているようでした。
「ナチュネ。アドバイス、頼む。」
「は~い。」
シリウスさんは素直にナチュネさんに指示を仰いでいました。性格と女性経験が垣間見えましたね。
「何を贈ってもらえるのか、楽しみですね。」
「そうですね。」
イーナさんにそうおっしゃられて、思わず笑みがこぼれました。




