山賊の拠点へ
翌日、門の前で俺たちは巫女さんを待っていた。少し待ってすぐに巫女さんが姿を現した。
「おはようございます。よく眠れましたか?」
「おはよう。あぁ、お陰様でよく眠れました。」
門番に門を開けてもらい、歩きながら山賊についてヒメカに説明してもらっていた。
「山賊はあの一番高い山から東に2つ隣の山の麓に拠点があるようです。」
やけに具体的な場所だな。
「それは魔法でわかるものなのか?」
「植物でできるだけ山賊たちを追って見つけました。」
「素晴らしい魔法の熟練度ですね。」
そうイオナが褒めると、少しヒメカはどこか懐かしむような目をした。
「できるだけ外の様子を知りたくて、少しずつ動かしていたらできうようになりました。」
「ナチュネはできるか?」
魔法といえば、精霊の特技だが、似たようなことはナチュネにできるのだろうか?
「無理!」
「即答。」
まぁ、初対面のときに小賢しい技じゃなくて威力重視の戦い方してたし、魔力も多いからそんな戦い方なるか。
「ヒメカお姉ちゃん、すごい!あとでやり方、教えて?」
「えぇ、いいですよ。…ありがとうございます。」
ヒメカの魔法はナチュネの成長にいい刺激を与えそうだ。
ヒメカから教えられた場所には小さな村で隠し通せるようなところだった。
「ここが拠点か。」
「人の出入りが多いですね。」
俺たちは少し遠くの場所から山賊の拠点を見ていた。
「一人一人相手をしていると面倒だな。ナチュネの大量の水で流すのもありだが、ここは平地で、もしも攫われた人たちがいたらその人たちまで溺れさせそうだな。どうするか…。」
唸っていると、眉を下げ、目線を彷徨わせて何か言いたげなヒメカと目があった。
「?何か、言いたそうだが、どうした?」
「あ、いえ、その…。」
もじもじと、言いたいことに自信がなさそうだった。そのとき、俺たちの会話に気づいたシリウスが近づいてきた。
「何か、いい案でもあるのか?俺はそんなに賢くないから、お師匠様たちみたいに何か、作戦を立てられないから、どうか力を貸してくれないか?」
辿々しくもシリウスは言葉を連ねる。
「わたくしは実践経験というものがないので、実際に成功するか、わからないのですが…。」
村の巫女なら村の仕事あり、実戦経験がないから自信がないことに納得する。
「やったことがないものに一歩踏み出すことは確かに恐いことだ。でも、やらない後悔よりもやって後悔という言葉があるように、少しでも一歩、踏み出してみないか?俺もヒメカさんの作戦を聞きたい。」
作戦をたてても失敗することはあるし、他の作戦あるのなら、聞きたい。
「私からもお願いします。さっき、聞きました魔法の技術の発想はとても参考になりました。ヒメカさん、協力してくれませんか?」
俺に続いてイオナもヒメカに協力を願う。
「頼む。」
シリウスがそういうと、ヒメカはコクリと頷いた。




