アインウォルナ帝国のチェンナで
竜のなかには火、氷、草、雷以外の属性を持つ者が千年に一度の周期でいた。
その竜たちの共通点はみな、星の魔法を使っていたことだ。
竜たちはその竜を崇め、畏怖し、こう呼んだ。
『星喰らう竜』
遠くから人の賑わいが聞こえ、そちらに向かって歩いたら、木々が途切れ、舗装された道に出た。
「とうちゃーく!あっちはアインウォルナ帝国って国のチェンナって町って聞いたの。」
「ありがとう、ナチュネ。」
「予定より早めに樹海を抜けられました。あなたの案内のおかげです。」
案内をしたナチュネの頭をワシャワシャと撫でる。
予定では3ヶ月はかかると思っていたが、ナチュネが最短コースで案内してくれたおかげで一ヶ月ほども早くチェンナに着くことができた。
「町に入る前にナチュネの羽と目、どうしましょうか?」
ナチュネは見た目が完全に精霊の見た目をしている。深緑色の目には瞳孔がないし、羽は畳めて服で隠すしかないか。
「羽は大丈夫だよ!ほら!」
羽が輝いて深緑色の水晶になった。
「驚いた。武器だったのか。」
「うん。5歳のときにもらったの。」
誰にとは突っ込まないでおこう。
水晶は武器を召喚する触媒であり、戦闘時に取り出すことができ、自分で選んだ鍛冶屋が制作したものに自身の魔力を固めた結晶をはめ込むことで使用可能となる。誰かにもらうものではないし、もらえるとしたら神からでしかない。ついでにイーナの盾も神から貰い受けたものだ。
「まぁ、これで深めにフードを被るだけでいいですね。」
「そうだな。」
「レッツ、ゴー!」
ナチュネが元気よく拳を突き上げた。
宿に着いて2つ部屋を取り、荷物を部屋に置き、宿の溜まり場でイーナとナチュネと話し合う。
「旅の資金は道中で摘んだ薬草に毒草、あと最近狩った魔物の肉や毛皮くらいか。これで金貨10枚くらいか。イーナ、買うものは?」
旅の道中に野宿をしていれば、結界を張っていてもそれなりに魔物に襲われる。野宿の間は交代で見張りをしているのが野宿の鉄則だ。
「買うものとしては、ナチュネの服とかですかね。それなりにお金はかかりませんし、あとは何かあった時のために保管してくださいな。」
「わかった。売るのは任せてくれ。」
親指を立てて応じる。
「ナチュネ。一緒にお洋服、見ましょうね。」
「お洋服〜。」
ナチュネのことはイーナに任せていいだろう。
「昼食にここで集合でいいな。女の子二人での買い物だから人気のない場所には行かないように。」
「ふふ、はい。気をつけますね。」
クスリと笑って俺の忠告を聞いてるんだか、ないんだか。




