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航図無限 ~最弱の水夫、ただ《道具超強化》だけで七つの海を制した男~  作者: 伝説の男前
第五部:世界周航編

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幕間 ゼロ号、記憶の断片

夜の甲板で、蓮の肩に止まったまま、ゼロ号は、静かに、自らの内に眠る、断片的な記憶を辿っていた。


『……古い記憶が、時折、蘇ります』


ゼロ号が、静かに、蓮に語りかけた。


「どんな記憶なんだ?」


蓮が、興味深そうに尋ねると、ゼロ号は、静かに続けた。


『大きな、静かな場所。そこには、私と同じような個体が、幾つも並んでいました』


「同じような個体……」


『そして、誰かの声が、聞こえた気がします。「これより、外洋探査任務を開始する」と』


ゼロ号の声には、どこか、懐かしさと、そして、微かな寂しさが滲んでいた。


『私は、その任務の途中で、何らかの事故に遭い、長い間、海の底に沈んでいたのでしょう』


「そうか……」


蓮は、静かに、ゼロ号の言葉に耳を傾けた。


『蓮殿に発見していただかなければ、私は、あのまま、永遠に、海の底で眠り続けていたのかもしれません』


「見つけられて、良かったよ、本当に」


蓮は、静かに、ゼロ号に触れた。


『私も、そう思います』


ゼロ号の声には、静かな、しかし確かな温かさが宿っていた。


『この記憶の断片が、いずれ、この世界の、より大きな真実へと繋がっていく予感がします』


その言葉に、蓮は、静かに、緊張と、そして、確かな決意を新たにした。


「その真実が何であれ、俺は、お前と共に、向き合っていくよ」


蓮の言葉に、ゼロ号は、静かに、しかし確かに、羽を震わせた。


この夜の対話が、やがて訪れる、大渦潮での、大きな真実への、静かな序章となっていくことを、この時の二人は、まだ、正確には知らなかった。


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