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航図無限 ~最弱の水夫、ただ《道具超強化》だけで七つの海を制した男~  作者: 伝説の男前
第五部:世界周航編

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第48話 獅堂グレン、参戦

機巧の巨人たちとの戦闘を制した艦隊は、警戒を解かないまま、大陸の海岸へと上陸を試みた。


「静かだな……」


イザベラが、辺りを見渡しながら呟いた。先ほどまでの激戦が嘘のように、大陸は静寂に包まれている。


『この静けさ、少し不自然です』


ゼロ号が、蓮の肩の上で、警戒するように呟いた。


そのとき、行く手の茂みから、ひとりの男が姿を現した。


大柄な体躯に、使い込まれた一振りの刀。異国の意匠を纏いながらも、その佇まいには、蓮たちの世界の武人にも通じる、確かな風格があった。


「ほう、随分と派手にやったものだな」


男は、崩れ落ちた機巧の巨人たちを一瞥し、愉快そうに笑った。


「お前たちは、何者だ」


イザベラが、警戒しながら尋ねる。


「俺は、獅堂グレン」


男は、豪快に名乗った。


「かつて、剣一本でこの大陸の一角を制した、しがない渡り人だ」


「剣一本で、大陸を、ですか」


蓮が驚いて尋ねると、獅堂グレンは、不敵な笑みを浮かべた。


「大袈裟に聞こえるかもしれんが、事実だ。もっとも、それも、この大陸のごく一部の話に過ぎんがな」


ガイウスが、興味深そうに一歩前に出た。


「お前、腕は立ちそうだな」


「ほう、お前もか」


獅堂グレンとガイウスの間に、剣士同士特有の、張り詰めた空気が流れた。


「まあ、待て」


イザベラが、二人を制した。


「獅堂殿、なぜこの海岸に、あれほどの機巧兵器が配備されていたのか、ご存知ですか」


獅堂グレンの表情が、わずかに真剣なものへと変わった。


「この大陸には、遥か昔、非常に高度な技術を持つ文明が存在していたと言われている。だが、その文明は、ある時を境に、忽然と姿を消した」


「姿を消した……」


蓮の脳裏に、ゼロ号との関連が浮かんだ。


「残された機巧兵器たちは、いまだに、文明が定めた『侵入者排除』の命令に従い続けている。俺も、この大陸に足を踏み入れた当初、散々な目に遭ったものだ」


獅堂グレンは、苦笑しながら続けた。


「だが、長年の経験で、奴らの弱点や動作パターンは、ある程度把握している。もし良ければ、案内役として、力を貸そうか」


イザベラは、しばし思案した後、静かに頷いた。


「ありがたい申し出です。獅堂殿の知見をお借りできれば、心強い」


「決まりだな」


獅堂グレンは、豪快に笑いながら、蓮の方を見た。


「それにしても、あの機巧の巨人を、砲撃だけで沈黙させるとは、大したものだ。お前、名は」


「あ、天草蓮です」


「蓮、か。ふん、面白い連中が集まっているようだな」


獅堂グレンは、興味深そうに艦隊全体を見渡した。


『獅堂殿、失礼ながら、質問がございます』


ゼロ号が、蓮の肩から声を上げた。


『あなたは、この大陸の失われた文明について、他に何かご存知でしょうか』


獅堂グレンは、機巧の鳥に驚いた様子を見せた後、興味深そうに頷いた。


「機巧の鳥まで連れているとはな。ああ、詳しいことは、この先――大陸の奥地に進めば、いずれわかるだろう」


その言葉に、蓮たちの間に、新たな緊張と、そして期待が広がっていった。


こうして、未知の大陸を制した剣士――獅堂グレンもまた、世界周航艦隊の新たな仲間として加わることとなった。失われた文明の謎を解き明かす旅は、こうして、さらに大きな局面へと進んでいくこととなる。


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