白い記憶(始動する歯車)前編
ただ今、良いことが2つほどありまして、私のモチベーションは臨界点を貫いております!(日本語死亡のお知らせ
私は読書が好きで、特にあるお方の作品を愛読させて頂いているのですが……まあ、その大好きな作品のグッズを買ったんですよ!そしてツイッターに上げたんですよ!そしたら!なんと!
作者様本人から!「いいね」と「返信」をいただいたのです!!!!!!!!!!!
嬉しすぎて!天にも今なら昇れます!(昇天
と、前置きは置いといて、あと1話で第1章が終わります!(予定
長かったですけど、まだこれ第1章ですからね……完結までにどれだけかかることやら……(白目
とにかく、毎回読んでもらえることに感謝を!皆さんありがとぉ!
良ければ、「ブクマ」「評価」「感想」「レビュー」をしていただけると、モチベがさらに上がって投稿ペースが早くなります!(予定
前書きが長くなって、申し訳ありませんでした。
「はぁ〜……」
鏡の前で静かに溜息を吐く「僕」、「清宮瞬」
今日は念願の中学の入学式である。小学校の時から凛によく中学生になった自分の理想像を話されていたもんだから、大体どういう場所なのかは理解している。
……と言っても、凛と一緒ならばどこでもきっと楽しいだろう。
この半年を振り返って、僕は少しだけ溜息を飲み込み、もう一度鏡を見る。
映っているのは僕。制服姿の僕である。これから毎日着ることになるだろう制服を目の前にして感慨を受けること数分前。初めての着用……というわけではないのだけれど、試着室で着た時はまだ中学生になる実感があまり湧いていなかったから、「いざ着用」となって、僕はすごく緊張していた。
「少し……大きいかな?」
前に着用した時に比べたら小さくなっているような気もするけども、それでも僕にはまだ少し大きかった。
「ん〜……恥ずかしいなぁ……」
鏡に映る制服姿の僕を見ながら軽く悶絶する。この姿をこれから毎日凛に見せるのか……そう思うとなかなか外に出る勇気が出ずに、「うーうー」と呻き声を上げていた。
「入るわよ」
「ふぇ!?」
だから。突然聞こえた彼女の声に僕は変な声を出してしまう。彼女はその声に気づいていないようで、彼女の言葉を理解すると同時にその扉は開いてしまった。
「り、凛!」
慌てふためく僕。情けないな〜。と少し思っていたけれど、凛の姿を見て自然と心は平静を取り戻していた。
「………ぁ……」
まじまじと凛を見て口から零れた感想はそれだった。凛の目には僕がとても滑稽に見えていることだろう。
だが実際はどうだ。こんな顔ではあるけれど心の中は、嵐でも訪れたのか。と言わんばかりに吹き荒れ、暴走し、興奮していた。
そう。ただただ、美しかったのだ。
「ねえ。ポカンとしてないで、感想頂戴よ」
顔を赤くした凛に怒られてしまう。その……何というか……ご褒美です。
「えっと……その……何と言えばいいんだろ……す、すごく、可愛い……です」
呂律の上手く回らない辿々しい言葉になってしまう。6年も一緒に住んでいてこんなにしどろもどろになるなんて……これじゃあ、凛が嫌な思いしてしまう。
「ん……ありがと」
そう思っていた僕の思考に反して、彼女の反応は可愛らしいものだった。いや、勘違いの内容に補足しておくけど、元々凛は可愛い。それがもっと可愛くなったのだ。
僕のダメダメな感想に素直に喜んでくれた。それだけで、心が救われたような気がする。
「「……………………」」
沈黙ができる。次にどういった話題を切り出せばいいのか分からなくなってしまったのだ。
……普通に考えれば、早く学校に向かえば良いだけなのだがこの時の2人の思考にそんなものはなかった気がする。
凛は立ったまま、僕は座ったまま互いの視線が絡み合う。
「瞬も……」
沈黙を破ったのは、凛だった。
「……瞬もカッコ良いよ」
!!!!!!!!
ボソリとだったけれど、確かに言われた。
「か…カッコ良い」って確かに言われた。
心臓のヒートアップが限界を迎え、僕はぎゅっと心臓の辺りを掴む。すごく痛い。嬉しすぎて、心がいつもの3倍ぐらいの速度で脈を打っているのが分かる。
「しゅ、瞬君!?」
うぐぁ〜と喚いている僕を真面目に心配してくれる凛に、僕は新たなーーこの半年で自覚したーー感情が湧いてくる。胸の内にじんわりとそれは広がる。
ーー確かな幸福感。凛は僕に幸福の意味を教えてくれた。
嬉しくて、嬉しくて、幸せすぎて、気づけば僕は凛を抱きしめていた。
「……ぁ……瞬君……」
何度も呼ばれ慣れているはずなのに、その声はいつもと違って僕を誘惑してくるようだった。
酒なんて飲んだことないけれど、飲むとこんな感じになるんだろうか?頭がクラクラしてくる。
ポーッとしたまま……どれぐらい経っただろうか?もうこのままでも良いような気もしてくる。
「んっんー!!2人とも!遅刻しちゃうよ!!」
「くぁwせdrftgyふじこlp!!!???」
扉の開く音を聞き逃した!?
僕は情けない断末魔を響かせてしまう。新たな声の主はーー明姉さんーー形容できない僕の叫び声に呆れているようだった。
扉に背を向けている凛は何事かと、キョロキョロとしている。後ろ後ろ!
……どうやらあの状態のまま数分程経っていたらしく、なかなか降りて来ない凛と僕を心配して部屋に来たようだった。
部屋の中を見て、一度戻ったらしいのだが入学式に遅れるという、最悪なエンドを迎えさせない為に、声を出したらしい。
酷く恥ずかしい状況を明姉さんに見せつけてしまったことに、2人して顔を赤くして……時間を見て顔を蒼くしてしまった……
結局、予定よりもかなり遅れた時間に玄関を開ける羽目になってしまった……
「瞬くん!」
玄関を出る直前。明姉さんが僕を引き止める。
急いでいるーー僕たちが悪いけどーーこの状況下で明姉さんが引き止めるなんて珍しい。何かあるのかと、振り返ると
「明姉さん……?」
……僕の中での明姉さんのイメージは、凛よりも明るく、活発的で、少し子供っぽいところがありつつ、大人の風貌がある。そんな感じであったけれど、
今、この時の明姉さんは、僕が考える明姉さんのどれにも当てはまらなかった。
「その……ね……」
伏し目がちな目。自信のなさそうな、申し訳無さそうな、そんな目で、僕に何かを伝えようとする。
こんな明姉さんは初めてだった。
大人になってから、僕たちの為に働き始めた明姉さんに僕は頭が上がらない。
凛には伝えてないし、僕の心の中で勝手に思い続けていることだけれど、僕にとって明姉さんは本当に頼りになる姉さんで……いや、第二の母さんみたいなものだった。
そんな存在が悲しそうな苦しそうな顔をしていると、自然僕も不安に駆られてしまう。
何だろう。何なんだろう?この胸の中でモヤモヤしているこれは?
きっと朝から感じていただろう違和感
敢えて頭の中で明文化しなかったこの異常。
そして、明姉さんの不安そうな顔。
……突如遠くに聞こえてきた母さんの悲鳴
それらが……不規則な、何の関係性もないはずの情報が、ガチリと僕の中から何かを取り出そうとしてくる。
たった、一文では、たった、二文では、たった、三文では、決して表現できない異常事態。
「行ってくるね!」
今まで思い出そうとしなかったはずの記憶まで出てきた。何とも言い得ぬ恐怖に僕は駆られて、とにかくその場から逃げようとした。
無理矢理な笑顔で外に出る。横目に映る不安そうな顔。
遠くで凛が頰を膨らませて待っていた。
……僕はまた逃げた。
出会った頃の凛はもう少し奥ゆかしい感じが目立ったけれど、それも徐々に変わってきた。
自惚れ出なければ、僕と遊ぶ内に変わってきたと思う。
……まあ、そんな凛も可愛いと思っている自分がいるけども……
彼女が横で笑っている。
僕と手を繋ぎながら、桜のアーチを潜り抜ける。
桜は満開で、まさしく入学シーズンって奴で、何故だか僕達のことを歓迎してくれているのかと錯覚する。いや、実際そうなんだろうけど。
……凛の頭の上に花びらが乗る。赤い髪の上に桃色の花びら。可愛いけれど、撮ろうと思って少し笑いながら彼女の頭に手を伸ばす。
取ってあげると周りの桜にも引けを取らないほどの笑顔で僕を見つめてくれる。
僕も一緒に笑って、また手を繋いでアーチを潜ることを再開する。
ーー1枚。花びらを見る。
ユラリ、ユラリと不規則に落ちる花びら。
手を繋ぐ力が増す。
違う。僕じゃない。僕が強く握ったわけではない。
上から花びらが舞い降り、
凛の歩みが止まる。
凛に合わせて僕も止まったから、花びらを最後まで見守ることができた。
ーーしかし、
僕は最後まで花びらを見ることはできなかった。
いや違う。
途中から花びらなんて眼中になかった。
落ちる途中。僕の顔の前まで降りてきた時。目線は真っ直ぐ、視界に信号が映る。
信号のシグナルが青から赤に変わり、陽気な音楽も終わりを告げ、車が過ぎ去っていく。
「あ」
今日、いや、今年に入って1番の警鐘が脳に鳴り響いた。
握る力を僕も増したからか、手汗が噴き出る。
2人の汗が自然に混じり合い、その空気が僕達の緊張を際限なく高まらせる。
ーー目の前の立っている男2人の内、片方が口を開く。
「よぉ。裏切り者」
顔を見なくても分かる。特徴的な声と、言葉。
僕の顔を見て、不敵な笑みを浮かべて、そいつはーーーーーー
メモ:???
え?世界を放棄したい?お、おい。どうしたんだよ?『削除』?
は?予想以上に……って、そんなのとうの昔から理解していたじゃないか。
そ、それでも?いや、俺達『削除』と違ってアイツら『削除』はこういう生き物だって、分かってたろ?
……そんなに気に食わないなら、俺が『削除』の世界を変えて見せるよ。
分かってるよお互い不干渉のはずって言いたいんだろ?
大丈夫だ。俺に任せろ!なんたって俺はーーーーーーーーー




