蒼い記憶(絶望ー希望)
今回はかなりキツイ表現が入っていますのでそういうのが苦手な方はブラウザバック推奨です……
ちょっと、重くしすぎましたね。ただ、この話は重要になりますので……後々に……ね
入試も近づいて参りましたので、今までのような更新ペースは難しくなるかもしれません(いつも言ってるな)気長に待っていただけたら幸いです。
「おい!白髪!どっか行ってろよ!」
ギャハハハ!!!
汚い。
汚いな。
汚い声が聞こえる。
もう。
もう、うんざりだ。
「ただいま」
ドアを開けて我が家に帰ってくる。
だが、その家に人の気配は感じられなかった。
理由は母さんが仕事に行っているからだ。
そう。仕事。
あの状態の母さんでもできる仕事。
専業主婦だった母さんにもできる仕事だ。
尚且つ家族2人分の衣服や食事代を賄えることができる仕事。
セフレだ。
僕の母さんの仕事はセフレである。
男相手に様々な事をして金を稼ぐ仕事だ。
はっきり言って大変な仕事だろう。相手に言われた通りのことをしなければいけないのだから。
それを生き甲斐としている人ならいいだろう。
だが、母さんは…………これしか仕事が見つからなかった。
接客は不可能。そもそも僕以外とコミュニケーションが取れない。
専業主婦で、特別な技能を持ち合わせているわけでも無い。
金の為とはいえ……相手に押し倒されて。欲望のままに汚い事をされている母さんの姿を想像すると……!!
母さんはそう言ったことが得意では無い。寧ろ苦手だ!
そんな母さんが……どんな男に、今、どんな事をされているのか……!!!
僕は母さんが帰ってくるまでの間、大人しく椅子に座ることも出来ず、部屋の中で右往左往としていた。
早く帰ってきて欲しい。
別に金なんて要らない。
今、僕に1番必要なのは母さんなんだ……!!
この家族が真の意味でバラバラにならずに済んでいるのは、僕が母さんのことが心配で、母さんも僕のことが心配だから。
早く!早く!
そう神にも願う。
ガチャリ……………………ドサッ
玄関の開く音。
いつも待っていて敏感になっているその音が耳に入った瞬間に、僕は安堵の息を吐き母さんの元へと向かおうとして、
……遅れて聞こえてきたいつか聞いたことのある人間の倒れる音が耳の中で反響する。
「…………母さん!!!???」
僕は部屋を疾駆し、急いで母さんの元へと向かう。
そして玄関に倒れている女性を見つけて……僕は絶望する。
顔から血が……生気が失われていくのがわかる。
「かあ……さ……」
言葉が出ない。寧ろ言葉より先に体が反応して、一歩身を引いてしまう。
「助……け……て………」
母さんの必死な助けを求める声。
その声を聞いた瞬間に、僕の全身は一気に熱くなった。
こんなの……あんまりじゃないか!?
こ、こんなの!!こんなの!!
倒れている女性は、服を着ていなかった。
光が反射して何かがついた肌がテカテカと、僕を嘲るように光っている。
白濁色のその液体を見て、僕は……
「あああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!」
発狂してしまう。
いつも毎日毎日考えていた、的中して欲しくない最悪の未来が今目の前に……いや、それ以上な残酷な結果が目の前にあった。
ああ、世界はなんて残酷なんだろう。
一部の人は楽しく遊んで……
僕達だけがこんな目に合わなくちゃいけないんだ!!
だから僕はもう一度神に祈った。
神さま。こんなクソったれた世界を創ってくれた神さま。
どうか、どうか、
野垂れ死ぬ以上の苦しみを背負いながら、永遠に苦しんで死ね。
「クソが」
「やっぱり落ちてる……」
自分の髪を鏡で見ながらぼやいてしまう。
僕含め日本男児は基本黒髪がほとんどを占める。
最近ではハーフやらなんやらが原因で黒以外の髪の人もいるが……
僕の手の中にあった髪の毛は4本中2本が光を吸収している黒だったにも関わらず。
残りの2本は、逆に光を反射する白色だった。
あの惨劇以来、僕の髪の毛の色は抜け落ちる一方だった。
まあ、髪が抜けるのに比べたらまだ良いのだが……これでは、学校でいじめられてしまうな……
……僕がいじめられる分はどうでもいいんだ。今問題なのは母さんだ。
あの日以降、母さんの精神は真の意味で崩壊してしまった。
何があったのかなんて知らないし知りたくもない。けれど、想像を絶する何かがあったのだろう。
僕はその男共を許さない。いつか……どれだけの時間がかかろうと、そいつらを特定して仕返しをしてやる。
右手で光る髪の毛を握りしめ、僕は鏡を殴り割った。
「僕は……家族である事をやめない。家族は大切なもの。大切なものは何があろうと僕が守る」
チラリとあの日以降開かないドアを見る。
「僕は、人である事をやめる。人情なんて知らない。邪魔をするなら、徹底的に潰してやる」
握りしめた髪の毛を放り投げ、ヒビだらけの鏡をもう一度見る。
そこには、濁りきった目を持った少年が立っていた。
「君。どうしたんだい?」
ハッとする。
ここはどこだ?
確か僕は学校にいて、うるさい同級生達の相手をしていたはずだ。
周りを見て自分がいる場所を確認する。
ブランコ……滑り台……ああ、近くの公園か。
それに、暗い……?さらに寒い。本格的に冬が来ているのか。いや、もうすでに夜なのが原因なのか?
「あの……私のこと無視?私って影だった……?」
そしてようやく気づく。目の前には1人の女性が立っていた。
「あ、気付いてくれたね。良かった」
朗らかな笑みを浮かべる女性。普通の人なら必ず惚けてしまうような魅惑的な笑顔だった。
「……何?」
もちろん、濁った僕にそんな感情は湧かなかったが。
感じたことといえば、何故自分にそんな笑顔を向けるのか。ということぐらい。
「何って……酷いなぁ。私はただ、さっきから1人でいるあなたが心配で声をかけただけなのに」
本当に悲しそうな顔をする。いや、演技かもしれない。子供もだが、大人は尚更信用できない。
「……じゃあ、ごめんなさい。僕はもう帰りますので」
当たり障りのない言葉が浮かんで言ったが、どうやら女性にとってその言葉は適切な言葉ではなかったらしく、
「ダーメ。私不安なんだよ?こんな時間まで1人で公園にいて……しかも、ここのところずっとそうでしょう?」
女性は心配するような顔つきで僕を見る。
「…………」
一歩後ずさる。ああ、だから人とか変わりたくないんだけど。
「待って」
僕にとっての一歩の距離を女性は二歩で2倍の距離を詰めてくる。
結果的に僕は女性を見上げるような形になる。
「ふふ」
笑った?
気味が悪い。何故この状況で笑う?それに……心なしか、頬が朱色に染まっているような。
「大丈夫だよ。人を信じることが君には難しいかもしれないけど、私はあなたを助けれるわよ?」
ドクッと心臓が一段階速度を上げる。
この人は何を言っている?僕の何を知って
「学校でいじめられて辛かったよね」
気づけば、僕は女性から逃げようとしていた。後ろを振り向き逃亡経路を確認するも、残念な事に後ろはコンクリートの壁だった。
(逃げ場がない)
僕の心臓が呻き声をあげ始める。
これは不味い。目の前にいる女性が僕に何をしようとしているかは分からないけれど、僕は本能的にこの女性が危ないと悟った。
「そんなに怯えないで。私はあなたを助けたいの。あんなに辛い思いをしたあなたを優しく慰めたいの」
逃げ場がないからだろうか。僕は女性が放つ甘い誘惑に負けてしまいそうになる。
つい先日に、人であることをやめると決意したばかりなのに。そんな決意を目の前の女性が壊そうとしてくる。
「あなたには、幸せになる権利があるはずよ。だから、私の元へと来て?」
目の前がクラクラする。全身が暑く熱っていて、冬だというのに汗をかく。
僕は……
僕は……
僕は……
こんなにも弱い人間だったのか。
他の自分しか考えない人間と同じで。
母さんのことを見捨てる悪い人間だったのか。
ごめんなさい母さん。また後で家に帰ってくるから。
隣の女性の手の暖かさを感じながら、僕は歩いていた。
「ふふふふふふふふふ」
目の前の少年。私の標的。私の欲求を解放させてくれる男の子。
ああ、あの日。母親の絶望的な状態を見た時のあの子の顔の美しさと言ったら……今思い出しても体が興奮に包まれる。
少年の母親がドアを開けっ放しのままにしてくれたから、綺麗な一枚が撮れた。ふふふ。あれは私の宝物ね。
そして、なんと、今は。
家にあの子がいる。
ああ、私の手で救いたかった子。こんな可愛い子に、甘えられたかった。
愛しい。なんて愛しいの。
お嬢様として生きてきた私の目には少年が穢れなき天使に見えた。
もう「一条家」の看板を背負う必要はないんだ。
私は今日から彼のお姉さん。いえ、お母さん。
私がこの子を自由にするのだ。
今のこの子は昔の私のよう。たくさんの鎖が彼を縛っている。
私がその鎖を解いてあげる。
ふふ。私ってば小さい男の子が好きなのかしら?
ま、どうでもいいわ。あの生き地獄の中で生活するよりもこの子との生活の方が何億倍も楽しそうですもの。
まあ、まずは……
「ん……んぅ?」
目を覚ましたのね。
ふふ。
私があなたの初めてを……奪ってあげる。
私の手で、あなたを穢してあげる。
そして、私に…………………
依存させてあげる。
蒼い記憶の◯◯完了。
再度、イレギュラーの◯◯を再会する。




