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白い記憶と共犯者  作者: 安川 瞬
運命の特異点〜異世界転移
14/28

白い記憶(リセット)

期末テスト期間中の為、ここ2週間は投稿が遅れる。もしくはできないかもしれません……御了承ください。

展開を徐々に広げて行きますよーこれからは……

ブクマや評価……感想やレビュー等をして下さると感謝感激雨霰です!

 気づくと僕は彼女を抱きしめていた。

 謎の音が鳴って、彼女が意識を自分からずらした瞬間。

 我慢の限界だった。

 全て嘘だった。嘘で塗り固めていた。

 僕は自分自身に嘘をついていた。

 僕は汚い人間だった。自分が思っていた以上に、(ずる)く、非道な人間だった。

 抱きしめた彼女の暖かい感触をしっかりと感じる。

 ギュッという音が聞こえるほど強く抱きしめてしばらく経ち……彼女も僕のことを強く抱きしめてくれた。


「瞬君は私のこと嫌いなんだって思ってた……目を逸らしてくるし……時雨ちゃんと仲良く話しているし……私の事なんて眼中にないって思ってた」


「そんなわけがないよ……」


 凛と会ってからの毎日を振り返る。思えばあっという間だった。


「僕が一体、どれほど……迷っていたか……」


「迷っていた…?」


 凛が困惑した顔をする。言うべきなのだろうか?愛斗が凛のことを()()だという事実を。


「瞬君。何に迷っていたの?」


 凛が僕から少し離れてーー少し残念な気持ちになるーー僕の目を覗き込んでくる。

 彼女の透き通った黒い目と、僕の黒い目(歪んだ汚い目)が交じり合う。


「ーーーーーーーーーーーーーーーーいや、何でもないよ」


 僕は逃げた(卑怯者)

 彼女とようやく立ち向かうことができたというのに僕はまた逃げてしまった。

 ーーーーーこの選択が、僕と愛斗の転換期となった。


「そっか」


 (しばら)くの静寂が2人を包み込む。

 決して嫌な静寂ではなかったが、いい静寂とも言えない、少し不穏な空気が間を流れていく。


「ねえ。瞬君」


 その静寂を破ったのは凛だった。

 さっき抱き合っていた僕たちの距離感はほぼ0に等しいが、そのないと言っても過言ではない距離をさらに凛は詰めてくる。


「ど、どうしたの?」


 流石に焦りを覚える。このまま2人の距離……もとい顔が近づけば……


「瞬……くん……」


 あ、あ、あーーーーーー


 いや、ダメだろう。

 普通に考えてみて。僕はまだ小学生だ。

 凛も小学生だ。

 でも、小学生と言えども、恋愛感情のない低学年ではない。

 にわか程度にそう言う知識をつけた小学生だ。

 こんな場面を実際に触れたことのないにわか2人が顔を近づけ合う。

 僕の鼻腔に甘い匂いが広がる。

 一緒の家で暮らしてきたはずなのに……僕はこんな匂い知らない。

 彼女の瞳が閉じる。なんだか頭がくらくらし始める。

 彼女が僕に近づいて何秒経った?覚束(おぼつか)ない思考を限界までフル稼働させる。

 あー。ダメだ。考えれば考える程、凛で頭がいっぱいになる。


「ーーーーん」


 言葉が口から漏れる。その言葉を発したのが僕なのか凛なのか分からない。ただ……

 今が幸せであることだけを認知する。


「しゅん……く……」


 凛の声が僕の耳を震わせる。

 全身に鳥肌が立つようなそんな感覚。

 ただただ、気持ちの良いキス。

 触れ合った唇の柔らかさ。

 暖かさ。

 新鮮さ。

 嬉しさ。

 いろんな()()が詰まった濃厚なキス。

 ただ濃厚といってもベロを出していたわけではない。言ってしまえば口と口とを合わせるだけの稚拙なキスだった。

 が、それでも僕たちにとってはそのキスですらも気持ちよく感じた。


「ーーーーーぷはっ」


 どれほど長い間していたか分からないほどに僕達は夢中に互いの温度を確かめ合っていた。

 唇が離れる名残惜しさを感じてしまう。それほどに彼女とのキスは良かった。


「瞬君」


 感傷に浸っている僕の頰に凛が手を添える。

 自然。僕の視線は彼女に向く。

 僕と彼女の視線が絡み合う。

 そしてーー


「大好き!」


 ーー特大の爆弾を僕に降らせてきたのだった。

 超弩級(ちょうどきゅう)の一撃だった。

 今まで見たことがないほどの……否、見ずにそらし続けていた凛の笑顔を目の前で見てしまう。

 案の定、その笑顔に耐えきれなかった僕は心臓を抑えてしまう。


「ちょ、ちょっと?瞬君!?」


 突然心臓を抑え始めた僕のことを心配してくれる凛。

 あ〜優しいな……と思いながら


「無防備だね」


「んっ!?」


 油断しきっていた彼女の唇をもう一度奪うのだった。











「瞬君……」


 それはどっちの声だっただろうか。その光景を見ている人はまた2()()に増えていた。


「…………」


 白髪の少年はその光景を羨ましそうに眺めると同時に、その視線はどこか辛そうだった。


「姫……」


 ポツリと呟いた声に少女……時雨が反応する。


「……姫……?」


 目の辺りが真っ赤に腫れた少女に少年……悠太郎がため息をつく。


(ダメだったか……)


 悠太郎の目的はただ1つ。その目的の為に日々努力してきたわけだが……

 目の前の少女(目標)は、失敗していた。

 計画では明日……つまり最終日に時雨を瞬に告らせる予定だったのに……

 如何してこうも上手くいかないのか……最早神のせいかと思いたくなるほどのタイミングの悪さだ。

 結果的に時雨は失恋をした形になるだろう。

 これでは……これでは……


「みんなが笑顔にならない」


 悠太郎の中にある自分の目標。それは……


『身近な人全員を笑顔にすること』


 その為に、愛斗の恋を応援していたのだが……


「はあ……」


 仲良くキスをしている2人をもう一度見る。


「僕は間違っているのだろうか?」


「?」


 困惑している時雨を尻目に頭の中で大切な人をもう一度思い浮かべる。


「…………時雨」


「は……はい……」


 完全に意気消沈している時雨に目を向ける。


「諦めるな。自分に自信を持て……と言葉で言うのは簡単だけど、実際はとても難しいことだよね」


「最初から叶う……敵うわけのない戦いだったんだ。まさか、このままで終わらせるつもりなんてないだろう?」


「は……はい!」


 彼女の中に(くすぶ)っていた勇気にもう一度火を灯す。

 もう一度時雨に笑いかけて、悠太郎はその場を去った。


(さあ。まだまだこれからだ)


 自分の尊敬する2人の笑顔を見る為に、悠太郎はもう一度立ち上がる。

瞬と凛の関係の完全構築を完了。

時雨を運命の輪から外すことの成功。

◯◯の運命選択の目標を達成する為にも、次は悠太郎を◯◯する。

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