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最終戦線の老兵 ―JZ-65伝説―  作者: ちょいシン


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第七章・第三節 老兵、地下会議室にて真実を聞く

老兵は祖国へ戻り、ついに国家中枢から呼び出される。

そこで語られたのは“高齢者が戦術を教える新時代”の幕開け。

勝つためではなく、繋ぐために立つ老兵の決断が、

物語に新たな息吹をもたらす。

 ――帰国、翌日。

 霞ヶ関・防衛省の地下階層。

 地上の喧騒とは無縁の、ひんやりとした空気が流れていた。


「なんじゃ、この迷宮は。まるで地下要塞じゃ」

「本当に地下要塞ですよ、JZさん」TACTが苦笑しながら答える。

「俺ら、なんでFPS大会から国家機密に片足突っ込んでんの……?」翔は現実逃避気味。

「じいじが世界で勝っちゃったからだよ!」美羽は誇らしげに胸を張った。


 案内役のスーツ姿の職員が立ち止まり、重い扉をノックする。

 低く響く音と共に、分厚い扉がゆっくりと開いた。


 部屋は巨大な円卓と無数のモニターに囲まれていた。

 軍服、研究者、政府の要人――並ぶ顔はいかにも“重要会議”だ。


「ようこそ、JZ-65殿」

 中央に座る初老の男が口を開く。防衛省特別局長、南雲。


「まずは言っておこう。貴殿は“国際的象徴”となった」

「象徴……盆栽のように飾られるのは、苦手なのじゃが」

「違う。戦う象徴だ」


 ――会議室が静まる。


「近年、各国軍は“仮想戦闘演習”にFPS技術を取り入れ始めている。

 貴殿はその“戦場に適応した高齢戦闘モデル”の、極めて稀な成功例だ」


「ほう……つまり、わしの老いが役に立つと?」

「そうだ。高齢者でも戦術判断は磨かれ続ける。若者とは異なる“戦の脳”を持っている」


 TACT、美羽、翔は息をのむ。


 南雲は、スクリーンに映像を出した。

 そこには――各国の軍関係FPS訓練のデータ。


「我々は、貴殿を“アドバイザー”として迎えたい。

 ただし、戦うのではなく、“教える”側だ」


「……なるほどのう」


 重蔵は目を閉じる。

 王の間、ロンドンの霧、紅茶の香り――

 笑った人々、拍手、声援、仲間たち。


 そして、静かに目を開けた。


「わしは、戦うために来たのではない。

 笑わせ、繋ぎ、守るために戻ってきた。

 その務めが果たせるのなら――喜んで力を貸そう」


 息をのむ省内要人たち。


 美羽が目を潤ませる。

「じいじ……かっこいい」

「うむ、老兵はな、最後まで立っておるものじゃ」


 翔が苦笑した。

「それフラグじゃないよね!?」

「違うわ、人生訓じゃ」TACTが優しく笑う。


 南雲が深く頷く。

「では――正式に依頼しよう。“特別教導顧問”として」


「任せよ。この老いぼれの戦いは、まだ終わらん」


 ――老兵は再び立つ。

 銃でもなく、剣でもなく。

 “教え”と“誇り”を携えて。

ロンドンで世界を驚かせた老兵は、今度は祖国で人を導く役目を得る。

戦場は変わり、武器は知恵へと姿を変える。

次節では、老兵の“教導計画”が始動しするのであった。

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