第五章・第三節 老兵、世界の壁に挑む
ついに開幕する世界大会! ロサンゼルスの巨大ステージで、
「サムライ・グランパ」ことJZ-65が世界に挑む!
孫の笑顔、TACTの冷静フォロー、そして観客の爆笑。
じいじ、まさかの“筋肉外交”で世界を制す!?
――大会初日。
ロサンゼルスの巨大アリーナ「EVO-DOME」。
数万人の観客と、無数のカメラが煌めくステージに、老兵は立っていた。
「じいじ、こっち! 入場はこっちだよ!」
美羽が手を引く。
「お、おお……まぶしいのう。盆栽が日焼けしてしまう」
「盆栽連れてきてる人、他にいませんよ!?」TACTが頭を抱える。
会場のスクリーンには《WORLD ZOMBIE PANIC FINAL BATTLE》の文字。
そして参加チームの紹介が始まった。
「Team USA ― “DeadEye Brothers!”」
観客が大歓声。
次に呼ばれる。
「Team JAPAN ― “Samurai Grandpa and Kids!”」
静まり返る一瞬。
「えっ、なにそのチーム名!?」翔が叫ぶ。
「TACTくん、登録名どうした!?」
「……翻訳AIが勝手に直訳したみたいで」
「じいじ、“サムライ・グランパ”だって!」美羽が爆笑。
「ふむ、悪くない。“老兵侍”とでも訳しておこうか」
「それ、もっと強そう!」
ステージ中央。司会の金髪MCがマイクを向けた。
「Welcome, Japan team! How do you feel today?」
TACTがマイクを取る。
「We are honored to be here, thank you!」
完璧な発音に観客が拍手。
だが、じいじがマイクを奪う。
「サンキュー・ベリーマッチョ!!」
会場、大爆笑。
MCも乗っかる。
「OHHH! Strong Grandpa!!」
観客席のあちこちから「マッチョ!」「グランパ!」のコールが起こる。
「……JZさん、世界デビューですね」TACTがため息交じりに笑う。
控室に戻ると、各国選手が挨拶に来た。
「Hey, JZ! Big respect, man!」
「You make my grandpa smile again!」
「You’re legend, Grandpa Samurai!」
JZは笑って頭を下げた。
「わしはただ、孫と遊んでおるだけじゃよ」
通訳不要の“じいじスマイル”に、外国選手たちは思わず拍手を送った。
その光景を見て、美羽がつぶやく。
「じいじ、なんか世界中が優しく見えるね」
「人は、ゲームでも笑い合える。ええ時代になったもんじゃ」
盆栽の葉が、まるで頷くように揺れた。
その夜――
大会ハッシュタグ《#SamuraiGrandpa》が世界トレンド1位を獲得。
実況席の海外キャスターまでもが言った。
“He doesn’t just play the game.
He heals the battlefield.”
(彼は戦うだけじゃない。戦場を癒しているんだ。)
――老兵、世界の舞台に立つ。
その姿は、ただの笑いの象徴ではなく、
世代も国も超えて「何か」を伝える、まさに伝説の始まりだった。
笑いの裏に、じいじの本当の願いが少しずつ見えてきました。
家族と笑い合い、世界と繋がる――それが老兵の新たな戦い。
次回、戦場はついにゲームの中へ。
じいじ、世界最強プレイヤーたちと激突!?
“ゾンパニF”最終戦線、いよいよ開幕!




